整体院を開業するための正しいステップ

整体院を開業するための正しいステップ

記事作成日:2023.06.05
整体院を開業するための正しいステップ

整体やリラクゼーションを勉強し、技術を磨いた方の中には独立を考える方もいらっしゃいますよね。
整体院を開業し、自分の力でたくさんのお客様を迎えることができれば、それはとても素敵なことだと思います。
しかし、開業するためにはどんな準備が必要なのか・何をすれば良いのか分からないことが多くて困っている方も多いのではないのでしょうか。
そんな方のために、整体師として独立・開業するためのノウハウをご紹介します。

目次

整体師として独立・開業するには?

それでは、独立・開業するために具体的にどのようなことが必要なのでしょうか。スムーズに開業するためには技術はもちろんのこと、前もって準備しておくことがいくつかあります。
基本的なことからチェックしていきましょう。

1-1開業するのに資格は必要ない

実は、整体師になる上で必要な資格というものはありません。
柔道整復師や鍼灸師のように国家資格を持っていなかったとしても施術をすることは可能ですし、整体師になると決めてしまえば誰でも整体師を名乗ることもできます。
しかし、実際には整体で使用する技術を身につけたり、骨や筋肉、または体の様々な病気や症状などについての知識を身につけなければ仕事になりません。
そのため、専門学校などへ進学し、専門的なことを学習することが一般的です。

1-2整体院で知識と技術を磨いてから開業したほうがよい

専門学校で学んだとしても、知識と技術が未完成な状態でいきなり開業しても結果がうまくいくことはほとんどありません。
独立される方は、前もって色々な所で働きながら知識と技術を習得しています。
そして、開業した時に将来自分の整体院に来てくれそうなお客様や、開業に力を貸してくれる人脈を作っているのです。
自分で開業するためには前もって他の整体院などに勤めながら勉強し、十分な技術と顧客を作ることをおすすめします。

1-3経営ノウハウも必要となる

先述の通り、整体院は特別な資格がなくても開業することはできます。
しかし、整体院を経営するということは整体師としてだけでなく、経営者としての知識も必要になってきます。

立地、集客、マーケティング、価格設定、従業員給与など

整体院を繁盛させるためには技術や人間性も当然ながら、経営方針をしっかり決めたり給与の支払いをきっちり守ることが大切です。
また、何をすればお客様が増えるのか、整体院に有利な立地はなにかなどマーケティングに関する部分の知識がとても重要になってきます。
色々な場所やジャンルの整体院を調査してみたり、実際に経営されている方の話を聞いてみるなどアクションを起こしてみましょう。
そうやってイメージを膨らませながら実際に開業した時のシュミレーションをしておくと良いでしょう。

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整体院開業の手順

次に、整体院を開業するための手順についてみていきましょう。

2-1整体院の方向性を決める

独立開業するためには、まず整体院の方向性を決めることが必要です。
以下のものを参考にしていただけるとイメージしやすいかと思います。
・開業スタイル、立地
・顧客ターゲット、施術内容、コンセプト、雰囲気など
同じような所で開業するとしても、どの層をターゲットにするのか、どんな施術法を売りにするのかなどによって、そのコンセプトはガラリと変わってきます。
似たような整体院を調べながら、内装やお店の雰囲気・施術内容・値段などを考えていきます。

2-2必要な設備・備品を揃える

また、整体院を始めるにあたって最低限の設備や備品は必要になります。開業してから慌てて買い揃えに走るよりも、下記のものはあらかじめ用意しておくと安心でしょう。

設備

ベッドまたはマットレス、枕やシーツ類、タオル類

備品

問診表、領収書、印鑑、パソコンなど

2-3スタッフの確保(必要に応じ)

スタッフの確保も重要なポイントのひとつです。マンションやアパート・テナントでの開業を考えている場合は、受付や事務作業を担当してくれるスタッフを1人確保しておくと施術に集中できる環境が整いやすいです。

2-4集客

いざ開業したらお客様に存在を知ってもらうような活動が必要です。集客の方法としては、ホームページやSNSといったネット経由だけでなく現実での集客も有効になってきます。
例えば、チラシをポスティングする、新聞に折り込み広告を入れてみる、地域情報誌へ掲載する、ご近所へのあいさつ回りを続けるなどコツコツとした集客活動を継続していくことがおすすめです。

2-5法的手続き

税務署へ個人事業の開業届 など

整体院の開業準備を始めたら、税務署に開業届の提出が必要です。
開業届とは、個人で新たに事業を始めたときに開業してから1カ月以内に税務署に届出が必要な書類の事です。
開業届は税務署に行けば職員の方と一緒に作成できますので、是非お住まいの近くにある税務署に足を運んでみてください。

2-6万が一の時のために傷害保険に加入

整体師として独立・開業するなら、万が一の場合に備えて傷害保険に加入しておくことを強くおすすめします。「一般社団法人 日本治療協会」という協会が整体師に向けた傷害保険を取り扱っているのでチェックしておきましょう。

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整体院の開業スタイルと初期費用

では、整体院を開業するにあたりいくら必要なのでしょうか。気になる初期費用についてみていきましょう。

3-1共通して初期広告宣伝費が必要

開業すれば客が来るわけではないため

整体院を開業し繁盛させていくためには、お客様を集めるための宣伝広告費が必要になってきます。開業すれば何もしなくてもすぐにお客様が集まってくることはないからです。
開業資金の中に広告宣伝費も一緒に計算に入れておくようにしましょう。

3-2出張・訪問専門

最も初期費用がおさえられるスタイル

初期費用を抑えて整体師の仕事をする方法のひとつに「店舗を構えずお客様の家に訪問し施術を行う」出張方式があります。

折り畳み式のベッドまたはマット、枕・シーツ・タオル・問診票・領収証・印鑑などを揃える

移動用の車と折り畳み式のベッドもしくはマットそして枕・シーツ・タオルが必要です。
備品は問診票・領収証・印鑑などがあれば十分でしょう。

移動のための車があれば10万円を切る初期費用での開業が可能

このように全てを揃えても10万円以内での開業が可能になります。

ベッドやタオルはお客様のものを利用する方法もとれる

また、ベッドやタオルをお客様の方で用意してもらうと更に費用を抑えることができます。

店舗がないことで認知がされにくいデメリットもある

しかし、この方式には「整体院そのものが認知されにくい」という弱点があります。これは、店舗がなく場所の認知がされないためです。認知度を上げるためにはホームページだけではなく、チラシや地元のフリーペーパーで広告を出す必要があります。

3-3自宅開業(おうちサロン)

整体院の店舗を構える方式の中で、もっとも初期費用を抑えられる方法が自宅開業です。

自宅の1室を整体院にするなど

自宅一室を整体院にしてしまうことで、保証金やテナント料が必要なくなります。
また、内装もそれほど大きな改装の必要がないケースが多く、そのまま整体院として使用することで初期費用をぐっと減らすことができます。
あとは、看板を作成しベッド・枕・シーツと備品のタオル・問診票・領収証・印鑑といった最低限のものさえ準備してしまえば整体院を営業できます。
内装費を一切かけずに整体院を開業することができるのが1番のメリットです。
他方で設備や備品が脆弱になってしまうという面もあります。
できる範囲で整体師の施術着や、お客様用の着替え・ハンガーや手荷物入れ・カーテンやつい立てなど部屋の仕切りになるもの・ウォーターサーバー・BGM用の音楽機器やラジオ・観葉植物などを揃えておくと雰囲気も良くなってきます。
その設備や備品を揃えた上で、宣伝用の名刺やチラシ・ホームページなど宣伝広告費も多少かけていくと、おおまかな開業資金は20~50万円程度かかってきます。

3-4マンション・アパートを借りて開業

マンションやアパートを借りて開業するときは、自宅開業と違って敷金や礼金、家賃などが発生してきます。

物件・状態による

また、住居用物件の中には、営利目的の入居を認めていないものが多いので注意が必要です。
また、たとえ営利目的可の物件が見つかったとしても来客用の駐車場が確保できないという問題もあります。この点はマンション・アパートを探す際にしっかり確認しておきましょう。
開業資金がどれ程必要になるかは、マンションやアパートの条件によって大きく分けられます。
<簡単な内装・引っ越し費用・必要な設備や備品を揃える>
たとえば家賃10万円程度の物件なら、敷金と礼金・設備や備品の準備費、簡単な内装費、引っ越し費用や初期広告宣伝費などを含めるとだいたい100万円程度になります。
<家賃10万円ぐらいなら100万円程度の費用が必用>
当然、開設者のこだわり次第によって開業資金は大きくなることもありますが、それでも店舗を借りて営業するよりは割安と言えるでしょう。

3-5店舗用物件を借りて開業

マンションやアパートよりも賃料(テナント料)が高め

店舗用の賃貸物件は、マンションやアパートよりもテナント料(家賃)が高めです。

保証金や敷金も割高

さらにそれだけではなく保証金や敷金も割高です。
<10~15ヵ月分の保証金や敷金が必要となるケースも>
場所によっては、実に1年以上分の保証金や敷金が必要になるケースもあります。必要な開業資金は、店舗物件の条件などによって大きく異なります。
<テナント料10万円ぐらいなら200万円程度の費用が必用>
例えば、テナント料が10万円の店舗だと、簡単な内装と初期設備・備品などを合わせると少なくとも200万円以上の初期費用が必要になってきます。
そして、当然ながら立地の良い物件を選んだり、内装や設備にこだわるとその分開業資金も増えていきます。
以上をまとめると、店舗を借りて開業すれば300~500万円程度かかる場合が多い、といったところです。

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整体院開業後の費用

整体院を開業してからも経費はかかるものです。必要な運営費もおさえておきましょう。

4-1自宅開業でも年10万くらいは費用がかかると考えたほうがよい

こうして初期費用をかけ、いざ開業した後も継続して支払わなければならない費用がでてきます。
例えば、消耗品費や光熱費・継続しておこなう広告宣伝費・傷害保険(賠償保険)料・その整体師が所属する協会などの団体の会費などになります。
これらをすべてまとめると、自宅開業にしたとしても年間10万円以上はかかると見込んでおいた方が良いでしょう。

4-2賃貸物件の場合

毎月の賃料がかかる

さらに、マンションやアパートでの開業、店舗を借りた開業の場合には毎月の家賃・テナント料もかかってきます。それだけ年間で支払う経費は大きくなります。
また、店舗を借りるだけでなく受付や補助スタッフなど人を雇った場合、人件費も加算されるのでなおさら費用は大きくなります。
自宅開業であったとしても、しばらくの間は運転資金として最低10万円は用意しておくようにしましょう。
また、マンション・アパートなどを借りての開業はたとえ1人で開業するとしても50万円以上、店舗での開業に関しては100万円以上が必要になってきます。

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整体院を開業するための正しいステップのまとめ

「整体院を開業」といってもそのやり方のバリエーションは多岐に渡ります。
自分の思い描く理想・施術の技術・開業資金などを総合的に判断することが大切です。
自分に合った開業スタイルを選んでみるときっとうまくいくことでしょう。

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