ヨガでは、呼吸法をとても重要視します。その理由は、ヨガではプラーナと呼ばれる生命エネルギーが宇宙空間に充満していて、それを私たちが体に取り入れることによって、エネルギーを各器官、各細胞に運ぶことで健康になると信じられているためです。

実際、自分で空気を吸うということは生きているということだと古代では信じられていたため、古代インド医学、哲学から発祥したヨガには当たり前の考え方なのです。

そのため、ヨガには腹式呼吸、胸式呼吸、鼻呼吸など多くの呼吸方法が存在します。心を落ち着けるものであったり、逆に体を温めるものであったりと効果は様々です。

今回はその中でも多くの効果がある片鼻呼吸、ナディー・ショーダナについてお伝えします。

ヨガの鼻呼吸

まずは、鼻呼吸についてご紹介します。

ヨガ基本は鼻呼吸

ヨガの呼吸は基本鼻呼吸で、口は常に閉じています。実際どれだけ天候が暑く、動作をすることで体が温まって息が荒くなったとしても、口は閉じていなさいと言われます。

息が荒くなると口で息をしたくなりますが、実際鼻呼吸で続けると、入る酸素が少なくとても苦しくはなりますが、思っている以上に心を落ち着けることができます。

鼻から吸って吐く

鼻呼吸は、鼻から吸って吐くことです。ある秒数で吸い、同じ秒数で吐くことを期待され、さらに上級になると、鼻から吸って、そこで息を止め、その後吸った倍の秒数で吐き出す練習をしていきます。

自律神経のバランス

鼻呼吸をすることは自律神経のバランスを整えることにつながっています。

・吸う→交感神経
鼻から息を吸う時は、交感神経を刺激します。つまり、体を温め、運動する前の準備の段階に体を持っていきます。
 
・吐く→副交感神経
吐くことは、逆に副交感神経を刺激します。ここでは、心を落ち着かせリラックスモードに。眠る前のゆったりとしたモードへと脳を近づけていきます。

免疫力をアップさせる

鼻には4種類の空洞があり、どれも呼吸粘膜で覆われています。鼻孔の皮膚には鼻毛がありますよね。このように鼻腔の中は繊毛のある呼吸粘膜で覆われています。

つまり、鼻から入った空気は清浄化されて体内に取り込まれているのです。風邪などもひきにくくなり、免疫力をアップすることにつながっていると言えます。

片鼻呼吸法とは?

では、片鼻呼吸法について詳しく解説していきましょう。

片方の鼻の穴を押さえて交互に呼吸する方法

片鼻呼吸法とは、片方の鼻を閉めたり開けたりしながら呼吸する呼吸方法で、主に自律神経を整える時に行います。

ナディ―ショーダナという

ナディーショーダナという名前は、ナディー「気の通り道」とショーダナ「浄化」の2つの単語からできています。
ハタ呼吸とも言われています。ハ「陽」タ「陰」を組み合わせた呼吸です。

なぜこのような名前になっているかというと、陽のエネルギーと陰のエネルギーを交互に入れることで、自律神経のバランスを整える性質があるためです。

日常的に摂りいれることでさまざまなメリットがある

ナディーショーダナを日常に取り込むことで、何よりも効果が現れるのは自律神経のバランスが整ったと感じることでしょう。毎日忙しい生活をしている人は、常に交感神経がアクティブになっており、なかなか寝付けないなどの問題を持っている方もいらっしゃるかと思います。

片鼻呼吸法の効果

片鼻呼吸法についてご紹介します。

高いリラックス効果

ナディーショーダナの良い点は、自律神経のバランスを整えることですが、普段寝る時にだけ使う隠のエネルギーを取り入れるため、高いリラックス効果を期待できます。

また、場所を取らないので、ストレスが溜まっている時や、仕事で休む暇がないという人にも効果的です。

陰陽のエネルギーのバランスを整える

ヨガでは、左の鼻から入るプラーナ「生命エネルギー」を女性エネルギー、また隠のエネルギー、月のエネルギーと呼びます。これは右脳に刺激を与え気持ちを落ち着かせ、リラックスさせる効果があるとされています。

逆に、右の鼻から入るプラーナは男性エネルギー、または陽のエネルギー、太陽のエネルギーと呼ばれています。左の逆で、左脳に影響を与え、体を温め、アクティブにし、ポジティブなエネルギーを体に取り込む効果があります。

この2つを組み合わせることで、エネルギー、また自律神経のバランスを整えます。

インナーマッスルを刺激する

片鼻呼吸は、ヨガの基礎でもある腹式呼吸を使った呼吸法です。そのため、お腹が膨らみ、横隔膜が上下することで、その近くにあるインナーマッスルを刺激します。インナーマッスルを刺激することは、もちろんその近くの内臓もマッサージし、さらには基礎代謝も向上させるという多くの効果を持っています。

不眠の改善

普段から忙しい生活をしている人、考え事が多くストレスが多いと、なかなか寝付きにくいという問題を持っている人が多いかと思います。

また、現代社会の問題でもある携帯電話です。寝る直前までずっとスクリーンを見ている人も多いですよね。
この状態は交感神経がとてもアクティブになっている状況です。交感神経が興奮モードになっていると、人はなかなかリラックスできず、寝る時に障害が出てきます。

この片鼻呼吸は、副交感神経を活性化させるため、自律神経を整え不眠の改善も見られます。

片鼻呼吸法のやり方

では、片鼻呼吸法を実践してみましょう。

片鼻呼吸法のやり方の手順を紹介

まず心地よい服装、また座り方をします。慣れている方はあぐら、またはスカーサナで座ります。もしこの体制が難しい方は、椅子に座って行いましょう。

この前に、足首を回したり、手首を回してストレッチすると、体がリラックスするのでおすすめです。

準備ができたら、右手の親指を右の鼻に持っていき押え、薬指を左の鼻に持っていき軽く添えます。この時も腹式呼吸のため、初心者の方は、空いている左手をお腹に乗せ膨らみを確認しましょう。腹式呼吸がすでにできる人は、左手で親指と人差し指をくっつけチンムドラー作りさらに効果を高めていきましょう。

まずは、左の鼻からゆっくりと1秒ずつ数えるように空気を取り入れていきます。その後、お腹いっぱいに空気が入ったら、薬指で左の鼻を押え、親指を離して体内の空気を抜いていきます。

基本は吸うことと吐くことは同じ秒数で練習します。6秒で吸って、6秒で吐く、感じです。もし慣れていたら、まず秒数を伸ばしていきましょう。その後、少しずつ吸うことの倍の秒をかけて吐いていくようにします。

さらに上級を目指す方は、クンバカという「停止」を入れていきます。吸う、止める、吐くことを繰り返していきます。

ヨガの片鼻呼吸、ナディー・ショーダナとは?効果とやり方についてのまとめ

ナディー・ショーダナは、椅子に座ってでも、ヨガマットに座ってでも、家でも仕事先でも簡単にできるヨガの呼吸法の1つです。その効果は、ただ酸素を取り込むということではなくて、現代人の乱れた自律神経を整えるところにあります。

鼻を片方ずつ開けたり閉じたりして行う呼吸法ですが、左から空気を取り入れることで、右脳を刺激し、心を落ち着かせリラックスさせます。

逆に、右から空気を取り入れることで左脳を刺激し、体を温めることができます。

頭をスッキリさせて、ヨガをする準備をします。たった呼吸1つですが、不眠改善や、インナーマッスルへの刺激など、たくさんの効果を持っています。

不眠症の人、最近仕事で疲れていて逆になかなか寝付けない人など、空いた時間5分で良いので、是非試してみてくださいね。