心理的な悩みを抱えている家族に対して、どのように対応するのがよいのでしょうか?家族だからといって「甘えている」などと、理解されないでいると自己嫌悪や不安を余計にあおる結果となり、心理的症状は悪化するばかりです。悩む人に、

「そんな気持ちの持ち様じゃない」
「頑張ればできるから」

などという言葉は、自分が追い込まれていると、責められているように感じてしまいます

そこで、もっとも身近にいる家族のサポートが必要になり、対処法を理解してもらうことが重要なのです。

今回は、ぜひ参考にしてほしい家族カウンセリングについてご紹介していきます。

家族カウンセリングとは?

もし、身の周りの家族が心理的な症状になってしまったら、家族はとても辛い気持ちになると思います。現代の精神的な医療にはまだまだ欠陥があり、周りの人々にかかる負担も大きなものになります。

家族カウンセリングとは、家族を1つのシステムとして考え悩みを抱えている家族の問題を理解し共に解決していくことです。

家族を対象としたカウンセリング

カウンセリングと聞くと何か難しい、どうやればいいのと思うも多いでしょう。カウンセリングの意味自体は、悩みを訴える家族に対しコミュニケーションや手紙、日記などを通じて本人がその悩みを解決するための助言・援助する方法とされています。

精神医学では、精神療法と同じ意味で使われています。

家族カウンセリングは、個人の取り巻く環境や家族関係、家族の全体を対象として行うもので、家族療法とも呼ばれます。

家族療法では、悩みを抱えている人の精神症状や問題行動は、家族の行動や思考から起きているのではないかと考え、考えられる問題の解決に焦点を置き、悩みを抱えている本人、家族の中にある個の問題解決能力を引き出していくというものです。

家族の中にある問題を改善する 心理療法

心理的な症状は、かつてあまり聞こえの良い病名で表現されていませんでした。

例えば、憂鬱な顔をしている人が、仕事を休んだとしたら

「あの人、うつ病で休んでる」

などと、聞いたことはありませんか?それがまして夫や子供だとしたら、あなたもその事実に悩むでしょう。未だに世間ではそれを根拠のない「偏見」としているのが現状です。

家族の1人が、そのような偏見をもって周囲の人に知られたくない言い訳をしたり、「休んでいるのは体調が悪いから」などと言ったり…。これではなんの解決にもなりません。

悩む家族がいることを認め、受け入れることが重要なのです。問題を個人として捉えるのではなく、家族みんなが「家族全体の問題」として向き合い、解決していくのが家族療法で、最近ではファミリーセラピーとも言われています。

また、現在では一般的にシステム理論に基づいたシステムズ・アプローチという家族療法が主流となっています。

家族全体を対象として行う

先述したシステムズ・アプローチによる家族療法では、家族の問題は個人に起因するものでなく、家庭環境の中で、互いに影響を支え合う中で生じた問題と結果が悪循環を招いていると考えるものです。

また、問題を抱えている家族を心理学的クライエント(相談者)とみるのではなく、問題を抱えた家族を代表して問題を表現している人で、IP(Identified patient;患者と見なされた人)と呼びます。

個人カウンセリングとの違い

個人カウンセラーとは1対1で、専門カウンセラーが対象者のために傾聴、共感必要な支持を行い、継続してその人の抱える問題に共に対処し解決に導いていくことです。問題は本人が意識してコントロールできる場合もあれば、その解決法が解らない場合もあります。

ストレスを解消し、問題を克服し心理状態を安定化、回復させるのに必要な調整をする、それが個人カウンセリング(個人セッション)です。専門家に相談するわけですから、それなりに費用がかかってしまいます。

家族ぐるみで適切な支援方法を工夫する

もし、自分の子供が何らかの悩みを抱えているとします。その際に必要なのが、子供の変化に気づいてあげることが大事です。

また、会話がスムーズにできるよう周囲の大人(両親)が落ち着いて話を聴いてあげることも重要です。

「何があったの?」

と聞くのではなく、

「最近元気がないけど、心配なことでもあるのかな?」

など言葉のかけ方も重要です。

個人で相談する場合もあれば複人数で行う場合もある

心理カウンセラーと相談者は対等な立場でなくてはいけません。相談者が、家族の悩みを個人で相談する場合もあれば、家族全体(親子や夫婦)など複人数で行う場合もあります。

人に悩みを相談するわけですから、家族全員がその悩みを解決する姿勢を持つことも大事です。

家族カウンセリングをうけるメリット

家族療法についてしっかりと理解しておくことで、子供の不登校や引きこもりなどの行動に変化が見られるようになります。

個人の問題をどのように対処していくか、また具体的な目標設定をするなど、専門家からアドバイスをもらうメリットはあります。

専門性の高い提案をしてくれる

家族カウンセリングをうける際には、カウンセラーが相談者にアドバイスをするだけではなく、カウンセラーとのコミュニケーションを通じて、相談者が抱える問題に対する「気づき」を得たり、理解を深めたり、行動変容したりすることへの手助けをしてくれます。

第三者が入って冷静になれる

家族の問題を身内で相談しても、なかなか解決の糸ぐちは見つからないでしょう。家族それぞれの感情で話し合うため、本当の問題が何か?わからなくなってしまうこともあります。

そこで、家族カウンセラーなど第三者が入って話を進めると意外に冷静になれ、落ち着いた気持ちで話ができるようになれます。

問題を改善し家族の理解を深める

自分のことじゃないと考えるのではなく、家族1人1人がその問題に直面し問題をどのように捉えているか、家族の協力によって解決できるものなのか、家族それぞれの理解を深めることが大切です。

家族カウンセリングの治療内容

家族療法は先述したように、悩みを持つ本人を含め、家族が同席しながらカウンセリングをしていきます。専門家とともに「家族会議」を行うイメージです。

家族を1つの集団として捉える

家族療法の基本は「家族の力を借りながら行う」カウンセリングです。なので家族全体の1つの集団として捉えます。

システム論を基にしている

家族などの人間集団を1つのシステムとみていく考え方を「システム論」と言いますが、家族の中で起こるいろいろな問題は、家族システムが「問題維持システム」になっていると考えます。

現在では一般システム論に基づいたシステムズ・アプローチという家族療法が主流となっています。

・複数集まった集団を1つのシステムと捉える
少し難しいと考える方もいらっしゃると思いますが、捉え方を変えると、家族成員に生じた問題は単一(個人)の原因に起因するのではなく、互いに影響を与え合うなかで問題生じていると考えます。

その原因やその問題が、結果そのような悪循環を招いているのかと考えていくことです。

・どのような役割を担っているか
家族が直面する問題を乗り越え回復していく力は、家族自身の中に備わっていると考えるというところに、家族療法の基本的態度があります。

家族が自ら問題を解決して行くことが、家族療法の役割となります。家族のレジリエンスやエンパワメントという概念は、家族療法の背景にある家族の持つ回復する力への信頼を表しています。

レジリエンスという言葉には多くの定義がありますが、心理学的解釈では、

「逆境に対する反応として精神的回復力や自然治癒力」
「ストレスや逆境にさらされても適応し自分の目標を達成するために再起する力」

とされています。

家族カウンセリングの相談対象

家族カウンセリングの主な相談は、次のような内容が多くあります。

不登校

不登校のカウンセリングは、不登校生徒本人よりもその保護者が来談することが多く、学校においては、生徒の様々なニーズに応じた取り組みがなされつつあります。不登校という現実は家族だけの話し合いではなかなか解決しないのが現状です。

不登校の原因は、まず何なのか?その子供を取り巻く環境、これは学校だけとは限らずその生徒の家庭環境が大いに関与してきます。

そのためには、不登校となった事実を突き詰めるのではなく、その現状に対し、家族の考え方、捉え方を良い方向へ導くために共に解決するのが家族療法なのです。

児童虐待

児童虐待こそ家族療法(カウンリング)が必要です。虐待を受けている生徒や子供を見て、あなたは学校に相談しますか?学校に相談しても解決にはなりません。虐待をしている親に問題があるのですから、これこそ家族療法が必要になります。

自分の子供に手をあげるなど、しつけと片付けてしまわないよう、専門的知識のある第三者を交えた話し合いが必要です。

家族カウンセリグとは? 基礎知識についてわかりやすく解説!のまとめ

現在、家族の希薄化が様々な問題を引き起こす要因となっています。毎日のようにTVやニュース、ネットなどで問題行動を起こしたりする学生、虐待が続きながら何も言えない子供達、虐待をしても問題と思わない保護者を目にします。聞いただけで悲しくなります。

虐待は連鎖します。きっと、虐待している親も虐待を受けていたのでしょう。

家族って自分に必要なものだと思いませんか?
あなたは家族に優しくしていますか?
家族の問題を自分も考えていますか?

これからどんなことが困難な問題が起きても対処できるよう、お互い信頼しあい話せる家族になりましょう。