皆さん、自分が困った時や大きな問題に直面した時に、誰かに相談したことがありますか?

「自分の悩みや弱みを知らない人になんか話せない!」と思っていませんか?

問題を自分なりに対処できる人は良いのですが、悩みを抱えたままでは解決しません。そんな時、誰かに話したらスッキリした!ことはありませんか?ここでは専門家が行う心理アセスメントについてお話します。

心理アセスメントとは

まずは、心理アセスメントの基本です。

アセスメント=評価、判断という意味

アセスメントという言葉の意味自体は、評価や判断をするという言葉です。心理学においては、このアセスメントがとても重要になります。

このアセスメントは、カウンセリングを行う過程の中で専門的な知識や技法を用いて、その相談者の性格、背景、環境など情報を踏まえ、相談者の抱えている問題を共に解決していくために必要なものとなります。

そのために行う心理テストや診断を行う面接などを総称して、心理アセスメントと言います。

カウンセリングや心理療法を用いて悩みを聴く

カウンセリングの定義には、世界各国で若干違いはありますが、基本のプロセスは同じです。
ちなみに、我が国のカウンセリング辞典に掲載されている(国分康孝 編)による定義では、

カウンセリングとは、

「言語的及び非言語的コミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である。」

とされています。

ここでのポイントは、相談者が健常者であるという点です。精神障害者を対象とした心理状態にある人とはカウンセリングの方法や治療も異なるということです。

今後の方向性を伝える

相談者の抱えている悩みに対して、問題を相談者がどのように考えているかをまず知る必要があります。これまでに様々な心理療法が開発されています。相談者がカウンセリングを受けた結果の行動認識、いわゆる方向性を予測、または現実になることを伝えることが重要です。

心理アセスメントの手順

基本が理解できたら、続いて心理アセスメントの手順をみていきましょう。

診断⇒検査⇒査定⇒評価⇒見立て

心理アセスメントを行う前にカウンセラーの基本的な考え方として、次の2つが挙げられます。

1.人の感情は、その人の思考(合理的、認知プロセス)によって影響を受けること。
2.人は、合理的な思考プロセスに従っているとき、目標は達成すること。問題が起こるのは非合理的な思考によって、考え、行動するとき。

このアプローチの特徴は、問題解決、意思決定の方法をとることで、次のようなプロセスをたどります。

①問題を明言し、それが自分の問題であることを認識し、受け入れる。
②可能な解決方法を選定し、評価、選択する。
③問題の解決策を実行し、その結果を評価する。(アセスメント)
④その問題を、他の問題にも一般化する。

相談者が、将来出会う可能性のある問題に対処できるよう、相談者に意思決定スキルを学ばせます。その考え方や意味付けの仕方を、より現実的なものに変化させるように認知的に働きかけるものです。

これは、よく内面的で自分の言いたいことが伝わらず、相手に間違った印象を与えてしまうという概念から「認知行動療法」と呼ばれ、比較的多くの方が知らずと受けているものと言ってよいでしょう。

カウンセリング、面接をする状況を知る

カウンセリングにおける理論の共通点は、人間観です。

・人は、自分自身の感情を真に触れれば、十分に発達し、自己実現することが出来るということ。
・人は、自分の考えや感情を自由に表現しそれを確かめることで、自分の経験と感情を呼び戻し、それと似たような人間関係を求めるものである。
・人は、感情、経験を得て、それが自分自身のアイデンティティの基盤となった時に、自己実現を目指して機能することができる。

という感情的プローチに点を置きます。

このアプローチでは、状況や環境そのものよりは「相談者自身の、現在の見方や感じ方」を問題とします。よってカウンセリングの実施に当たっては次の5つを重視します。

・自分の感情や思考に責任を持って行動する。
・「今、この時」に、集中する。
・全感覚を用いて、「自己」、「自分自身の価値」に気づいていく。
・想像や知的理解ではなく、「現実」を経験する。
・カウンセリングの重点は、1対1の「人間関係の質」を高めることに置かれる。

心理検査

心理テストはカウンセリングの開始や終了のときに、相談者の心理状態を知るアセスメントの方法として、心理テストを行うことがあります。心理テストは、あくまでも客観的な判断となります。

現在では様々な心理テストがあり、検査の目的により相談者の知能やパーソナリティー(人格)、適性検査等があります。

通常、単独の検査だけでなく、複数の検査を行いながら集めた情報をもとに、カウンセリングをより円滑に行うための判断材料としています。

但し、心理テストは十分な経験と訓練が必要となり、テレビなどでよくみられるような心理テストとは目的が異なってきます。

心理テストで大事なことがあります。

・客観的であること
検査を行う際にカウンセラーの主観や個人的な好き嫌い、興味などが反映されてはいけません。

・標準化されたものであること
同じ検査を多くの被験者に用いても、妥協で信頼できる結果にならなくてはいけないことです。実施に当たっては、マニュアルなどで確認し自分勝手に解釈してはいけないことが大切です。

・検査の結果を重要視しない
検査の結果は、あくまでも心理学的見地からみた1つの判断であり、1つの検査の結果で精神的な疾患があるなど決めつけてしまうことは、大変危険です。

仮説を立て所見をクライアント(相談者)に伝える

人の感情(C:consequences)は、それに選考する出来事(A:activating event)によって直接引き起こされるのではなく、その出来事をどう受け止めるかという信念(B:belief)によって生じると考えます。

その時、不快な感情は、非論理的信念(I:irrational belief)によって正起するので、それを明確にして、反論・論駁(D:discriminant and dispute)を加えることで、論理的な信念が獲得され、不快感情が軽減できるという効果(E:effect)がもたらされると考えられています。

これは、1995年にアルバート・エリスという心理学者が提唱した論理療法で、頭文字を
とり、『ABC理論』または、『ABCDE理論』と呼ばれています。

この論理療法は次のようなプロセスをとります。

①まずは、このABCDE理論やカウンセリングの効果を、クライアントに説明します。
②相談の内容から、問題を明言し、目標を設定します。(A)
③イラショナル・ビリーフを見つけます。 (B)
④結果(感情など)を特定します。(C)
⑤イラショナル・ビリーフの非論理性、非現実生を明らかにしていきます。(D)
⑥以上のような方法で、問題に対処していき、効果を産み出す支援を (E)

{イラショナル・ビリーフ}の修正方法は、反論的説得法として論駁(Disputed)があり、基本、イラショナル・ビリーフは、誰かが創り出したものではなく、自分自身が創りだしたもので、自分自身の努力次第で、ラショナル・ビリーフに変えることが可能である、ということを理解してもらうことです。

・現実的な反論—そう思う理由はどこにありますか?
・論理的な反論—そう思うのは当たり前ですか?
・実利的な反論—そう考えつづけることが、あなたにとって得ですか?

例を挙げると、

「私は、あの人が大嫌い」ということに対し、なぜそう思うのか?それは、あなたの考えでしかない、そう思っていても何の得にもなりませんよ!

このように、その人が抱えている問題は、その人の評価の仕方や価値観によって違うのです。その人が問題と捉えている思考を変えられることを伝えることで、今まで人間関係に悩んでいる人の心に変化をきたすことが目的です。

心理アセスメントの手法と内容

行動観察法

心理学的アセスメントを行うにあたって、「行動観察法」があります。この行動観察法は近年、犯罪心理学の中でも取り上げられています。犯罪を犯す人の行動には、ある一種の共通点があると言われています。

その人の起こす不適切な行動は、幼児期から青年期において不適切な行動の学習、または適切な行動の未学習、または環境による不適切な刺激と強化によって起こされているということです。

簡単に言えば、子供の頃、悪いことや悪戯をしても、親が注意しない!他人からも注意を受けないと、その子供の悪戯は次第にエスカレートしてしまうと予想がつきますよね。

ここで考える点は、問題の原因は問題を妨げている「子供の行動」、不適切な反応を引き起こしている「状況」です。

この状況を作りだしているのが、親の行動なのです。つまり、教育を受けていなかったという事実が見えてきませんか。
・行動を観察して情報を得る
アセスメントに行動観察が必要なことは前述したように、問題となる原因、背景を知り、その人に与えている影響が大いに関係していると考えます。行動を単に見るのではなく、意識化して探索していくことが大切です。

面接法

この面接法は対面的な言葉のやり取りで、情報収集や情報交換を行い、診断・治療を行う方法です。

いわゆるカウンセリングを始める前に、相談者がどんなことに悩んでいるか、どんな自分になりたいか、将来の方向性を導くための意図を意識化し、言語を介して相手の話を聴くという方法です。

この面接法では、相談者との間に必要なラポール形成が生み出されることで、相談者の深層心理に触れることが出来ます。
・話しながら悩みの要因を引き出す
自分の悩みを話すには、それまでの今までの生い立ちなど、包み隠さず他の人に伝えなければなりません。これを「自己開示」と言います。

相談者が感じている感情や不安などを自己開示してもらうことにより、信頼関係がより築きやくなり、効果的なアセスメントができるようになります。

心理テスト

相談者の悩みを知るために、心理テストなどいくつかの方法があります。

・質問に答えてもらう・投影法
投影法は、基本的傾聴スキルの中で、相談者の話の「内容」と「感情」の2つの側面に分けて聞き取って、気持ち、考えを表す言葉を返すことで、「感情の反射」とも言います。相談者の発言ポイントを反射し、同じ感情を別の言葉で反射する「言い換え」のことです。

・質問紙法・自由な回答をしてもらいアセスメントする
相談者の意思・意図を確認する質問、または意思決定のために、規制を与えず自由に紙に書いてもらうというものです。職場で職務内容についてのアンケートがよく渡されます。

その内容は、次年度の目標や、次に興味のある仕事内容、異動などの個人が自由に意見を書けるものです。

心理アセスメントとは?わかりやすく解説します!!のまとめ

心理アセスメントを行う目的や、手法などについてお話してきましたが、より効果的なアセスメントを行うには、それに伴う自分の能力や知識が必要になります。

安易に、全く何の知識もない人が行うアセスメント(特に心理学)では、注意が必要です。カウンセラーは相談者の話に共感しなければいけません。

もちろん、自分の考え方を伝えるのも時には必要ですが、自念が入ってはいけません。

また、傾聴のスキルはもちろんのこと、それらをうまく活用することで、相談者の考え方が良い方向に向かうよう問題を明確にすることです。そうすると、解決策も相談者自ら立案しやすくなるのです。