人間の心の中にはいろいろな感情が存在しています。「喜怒哀楽」という四字熟語がそれにあたります。喜び、怒り、悲しみ、楽しみという4つの感情です。ある場面や出来事に対しそれぞれに抱く感情というものです。

感情をコントロールできない人の特徴

あなたの周りに毎日憂鬱な顔をして仕事で愚痴ばかりを言う人はいませんか?

主に怒りのコントロールが出来ない

怒りをコントロールできない人の特徴として、最近の研究でストレスに陥りやすいタイプというのが解ってきました。これを最初に提唱したアメリカの医師・フリードマンは、ストレスを感じやすいタイプの人を「タイプA人間」と表現しました。

この「タイプA人間」の特徴として、過度に競争心が強く、せっかちで攻撃的であるとしています。
いわゆる真面目人間で完全主義傾向が強く、時間や他人、自分に対しても適当なところで妥協ができないタイプで、慢性的に闘争的な反応を続けることになると言われています。

そのため、少しでもうまくいかないことがあると、不安やイライラなどのストレス反応を起こしやすく、長引くとうつ病や精神症状や、血管、心臓など身体的な症状が起こりやすくなります。

人間はストレスを受け続けると、感情のコントロールをすることが出来ず「不適応反応」となって、身体の症状として現れることがあります。

・イライラする、怒りを抑えきれない
ある研究者は、重大なイベントよりも「日常生活で生じる些細な不快な苛立ち事」の方がストレス反応が高いと言っています。

これは【ラザルスのストレスコーピング理論】というものです。コーピングとは「問題に対処し、切り抜ける」という意味で、その望ましくないストレスに対しての対処法を知り、和らげることを「ストレスコーピング」といいます。

まず、人がストレス刺激を受けると、それは自分にとって、「安全」か「脅威」なのかを一次評価します。

例えば、犬が嫌いな人の隣に、猟犬を買っている人が引っ越してきたとします。犬が嫌いな人は、まずそれが安全か脅威なのかを状況付けて判断します。

その次に、犬嫌いな人はその出来事に対し二次評価をします。二次評価は情動的反応とコーピングに左右されます。その犬嫌いな人がその犬を見て不安や、イライラ、不機嫌、怒りを感じることを情動的反応とすれば、コーピング行動は犬に近づかない行動をとります。

でもどうでしょう?その猟犬は犬小屋で首輪をつけていたら、普通の人は何の問題もないと判断します。

しかし、コーピングが出来ない人は、その繋がれている状況が「安全」だと認知できず、欲求不満(フラストレーション)やあらゆる防御機制を取るようになります。

それが「合理化」です。繋がれている犬の飼い主に対し、「もし首輪が外れたらどうするんだ!」と、もっともらしい理屈をつけ、自分自身を正当化し、納得させるということです。

この防御機制の「合理化」という言葉を心理学的に解釈し、著したイソップ童話の「酸っぱいブドウ」の話は有名です。登場するキツネの行動が気になる方は、是非見てみてください。

ホルモンバランスが乱れる

感情をコントロールできない人は、自律神経がうまく機能されていないことも考えられます。自律神経は、生命に必要な機能を自動的に調節する役割を持ち、人の意思と関係なく動いている器官を支配しています。

このバランスが崩れるのが「自律神経失調症」といわれる状態で、頭痛、めまい、疲れやすい、食欲がないなどの症状がみられます。

ストレスや悩みを抱えている

ストレスや悩みが重なると、自分の感情さえコントロールできなくなり、結果人間関係にも影響をきたします。

ストレスでフラストレーションの数が増えれば増えるほど、また規制が大きくなればなるほど、満たされない欲求も増え「思い通りにならない」「願った通りにならない」という心の内部での対立が生じることになります。

フラストレーション状態に陥るか否かは、自分の考え方や体験から耐性(フラストレーション耐性)によって異なる場合もあり、その時の精神状態や体調などによっても変わります。

人によっては、フラストレーション状態に置かれると、しばしば情動的に興奮し混乱してしまうことがあり、さらに、時には不適応な破壊行動、反社会的行動に出ることもあります。

最近、動画配信で話題になった、アルバイト生の数々の異常行動に関しては、かなりのストレスがあったのか否かというところです。

感情がコントロールできる人の特徴

逆に、感情を上手くコントロール出来ている人は、問題を慎重に自分なりに解釈し、それに対して問題解決している人です。

自分の感情を理解している

感情をコントロールできる人は、自分がどんな性格で、どのような弱み、強みを持っているかを自分なりに理解しています。

つまり「自己理解」です。自分を理解することなど考えたことはないかもしれませんが、これが人間関係やストレスに対応できる能力に必要なものです。自己理解をするためには、まず自己分析をすることが重要です。

どのような性格でどのような価値観を持っているか、どのような能力を持っているかなど、「自分はこんな人間です」と人に言っておくと、相手からは「あの人は怒りっぽい人」だと認識されるので、少なくとも大きな問題として、相手が捉えることもなくなります。

適度に手を抜くことができる

例えば、仕事で、

「研修で学んだことをレポートにまとめて今週末までに提出してください」

と、上司から水曜日に言われたとします。あなたは、言われたことをすぐに取りかかりますか?
それとも金曜日までに提出すればいい!と思いますか?

せっかちで真面目な人は、きっとすぐさまレポート作成に取り掛かり翌日提出するでしょう。

しかし、上司は金曜日にみんなが提出しているかをチェックすると思います。結果、急いで提出する必要はないということですよね。金曜までに提出するタイプの人は、適度な手抜きの方法をしっている人です。

自分を客観視する

自分を第三者の視点で見てみることも大事です。人が関わりあって共に成長していくプロセスを解りやすく図解した、心理学では有名な「ジョハリの窓」というものがあります。

これは、自分から見た自己の領域と、他者から見た自己の領域を表し、「自分が知っている・知らない」「他人が知っている・知らない」の2次元を4つの領域に区分しているものです。

この4つの区分は

1.自分も他人も「わかっている」開放領域
2.他人は「わかっている」が自分は「わからない」盲点領域
3.自分は「わかっている」が他人は「わからない」隠蔽領域
4.自分も他人も「わからない」未知領域

この4つの窓のうち、

「開放領域」が広がり、
「盲点領域」と「隠蔽領域」が狭まり、
「未知領域」に新しい発見が起こる、

というプロセスを通じて、自分と他人を良く知り信頼関係を深め、あるがままの自由であることが達成できます。

少し、難しくなりましたが、お伝えしたいことは、自分の知らない自分を知ろうということです。違った新しい自分を発見できるかもしれません。

他人を思いやっている

自分の感情をコントロールできる人は、感性が非常に豊かです。自分を大切に思うと、不思議と他人にも優しくなれると思います。そんな優しい人に声をかけてもらうだけでほっとした気分になると感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

職場でいつも、笑顔で笑っている後輩がいます。その人に聞いてみました。

「どうしていつも笑顔でいられるの?」

答えは、「私が笑うと、相手も笑顔になるからです。」と。

なるほど、そうですよね。別に怒ってはいないのに、無口で無表情だと、相手も声を掛けづらいですよね。

これは、心理学的に「ミラーリング」とい手法です。つまり、鏡のように同じように接するということです。後輩は心理学など勉強してはいないのに、すでにそのミラーリングを人間関係の関わりの中に取り入れているのです。

なので、言葉も柔らかい、声のトーンもその人に合わせ、相槌やうなずきのタイミングまで考えて話していることに驚かされます。

感情をコントロールする練習方法

自分の感情をコントロールには、先述したように、まず自分がどんな人か自己理解をします。自己理解ができていると、問題に直面した時の対処法も見につけることが出来ます。

イライラしても一旦待つ

あなたは、信号が黄色になったら、止まりますか?そのまま突っ走るほうですか?

信号は人間の心理を考えてよく作られているなと、つくづく思います。黄色から赤信号に変わる瞬間、ヒヤッとした経験を持った方もいるのではないでしょうか?

ちょっと調べてみました。なぜ3色のうち、黄色が真ん中にあるのか。それは真ん中に位置することで、ドライバーが見やすく注意を促すサインを見やすくしたからだそうです。

なるほど、信号が黄色になったら「危険があります」という心の待機準備ですね。渋滞などでイライラしても状況は変わらないので、ゆっくり進んでいると思えば事故も起こりません。

深呼吸、数を数えて気持ちを落ち着かせる

人間は深い呼吸をすることで、酸素を十分に取り入れるようにできています。酸素を十分に取り入れることで、脳にもまた酸素が送られます。有酸素運動が体に良いことは皆さん御存じでしょう。呼吸をするときに意識してみて下さい。

深呼吸をすることにより気持ちが落ちつくのは、脳に十分な酸素が送られていることを脳内の神経伝達回路が自然にリラックスできる環境を作りだしているからです。

リラクゼーションを行う時にも深呼吸を促すのは、気持ちを落ち着かせ、気持ちの浄化(カタルシス効果)により、自己効力感につなげるためとも言われます。

怒る価値があるのか考える

「怒り」の感情を出すには、かなりのエネルギーが必要です。怒っている時間が勿体ないと思えば、あなたの大切な体に必要なエネルギーを「楽しい」感情に使いましょう。

溜め込まず日頃から好きなことで発散していく

ストレスが重なると、蓄積したストレッサーが身体にも悪影響を及ぼし、初めは小さなストレスだったことが、時間が経つにつれ、大きなストレスになってしまいます。

トイレのサボったリンクと同じように考えると、その日の(心の)汚れはその日のうちに掃除しちゃいましょう。放っておいて、そのままにしておくと、汚れをとるのに時間がかかりますよ。

感情をコントロールする方法とは?わかりやすく解説!のまとめ

感情をコントールする方法についてこれまでいろんな情報を書いてきましたが、結果自分の取った行動や言動は自分に返ってくるということです。結果を想定していると、自分の考え方もやり方も変わります。

日本のことわざにもありますように、「怒りは敵と思え」これは徳川家康の遺訓にあるもので、怒りは必ず相手の怒りや恨みを招き、結局は自分の身も滅ぼすことになる!というものです。私たちカウンセラーにとっても勉強になる言葉です。

ぜひ、感情のコントロールには思い出してみてくださいね。