幼少期の子どもに多く見られるものにブランケット症候群と呼ばれるものがあります。物に対して、特にブランケットやタオルなどに対して強い執着を示している状態のことをいいます。

多くは幼少期の成長発達の中で出現し成長とともに消失していきますが、中には大人になっても見られる事があります。

そのようなブランケット症候群について解説していきます。

ブランケット症候群とは?

ブランケット症候群は前述したとおり、成長過程でみられる通常の現象です。

また、症候群とされていますが疾患ではありません。病的なものではないという事を理解することが大切です。

ブランケットをいつも持ち歩いている

ブランケット症候群は文字通り、ブランケットを常に持ち歩くような状態で過ごすことになります。

例えば、友人と遊んでいるときもそうですし、少し出かけるときにもブランケットを持ち歩くようになります。そのブランケットは何でもよいわけではなく、特定のものに限定される事となります。

・タオルや毛布も同様
ブランケットに限らず、タオルや毛布なども同様です。子どもによって執着するものは異なりますが、中にはぬいぐるみやおもちゃなどがその対象になる事もあります。

共通しているのは、ブランケットなどがその子にとって特別なものであるという事です。そして、毎日の生活で使用しているものとなります。においや肌触りなどからその子にとって安心できる存在となっていきます。

肌身離さず執着する

肌身離さず着用していく事になります。ブランケットなどは毎日使用するので汚れていきますが、それでもなおずっと使い続けようとします。

どこへでも持っていくので汚れてしまいますが、汚れる事よりも、ずっと一緒にいてくれる存在であることがブランケットに求められているので、子どもは気にせず遊び続けます。

安心毛布、ライナスの毛布とも言われる

ブランケット症候群は、心理学的な用語では安心毛布(security blanket)と呼ばれています。
心理学的な解釈では「人が物などに執着している状態」であるとされています。幼児はそもそも何かに執着することで安心感を得ようとします。

しかし、成長するにつれて物に対しての執着は、少しずつ離れていきます。母子分離に至る中での移行期間だという見方もなされていて、精神発達上非常に重要な働きをしているのです。

なお、ブランケット症候群は「ライナスの毛布」という呼び名をされる事があります。これは、スヌーピーでおなじみの漫画、ピーナッツの中に出てくるライナス君が常に毛布を手にしていることからつけられた名前となっています。

ブランケット症候群の特徴

ブランケット症候群の一番の特徴は前述したとおり、常にブランケットを持ち歩くことです。このブランケットやタオルに対しても、普段使っているものであるというこだわりがある事は述べましたが、それ以上のこだわりがある事も少なくありません。

洗濯するのも嫌がる

例えば、洗濯をすること自体を嫌がるケースがあります。これはブランケットを視覚的にだけでなく、嗅覚からも重要なものであるという認識を、無意識の中で感じているためだと考えられます。

そのため、洗濯して臭いがとれてしまうだけで、安全基地の役割を似合うブランケットでなくなってしまう可能性があります。

睡眠などに影響が出る

ブランケット症候群の症状の程度によっては、それがないと眠れないケースもあります。安心する感触・臭いがあるから眠る事が出来る状況となっているので、まさに成長発達の中で欠かせない存在となります。

これは、大人の人が、宿泊先であまり眠れないという事にも通じるのではないでしょうか。部屋が変わって落ち着かないというのは、誰しも経験している事だと思われます。

子どもにとって、環境の変化は非常に大きなストレスです。家の中でも少しずつの変化はみられます。その中で変わらない、自分の思った通りのブランケットがあるだけで安心できるという事は十分考えられる事です。

手触りや匂いを嗅いで安心する

ブランケット症候群の場合、ブランケットに何を求めているのかという事が大切です。当人は手触りやにおいが、普段と変わらない事で安心感を持っていると推測されます。

また、触ったりするだけではなく、子どもによっては噛んだりしている場合もあります。あまりに噛んだりする場合は注意しておくことは重要ですが、触ったり包まったりしている分には問題ない症状でもあります。

ブランケット症候群になる原因

ブランケット症候群になる原因は前述のとおり、成長発達の中で正常な反応だと述べました。子どもの母子分離の過程の中で、急に分かれるのではなく、ワンクッション置く形で、愛着形成の対象が異なるだけです。

ただ、誰でも訪れることではありますが、長期化するケースでは何かしらの要因が見つかる可能性があります。

心理的ストレス、環境的ストレスが原因

ブランケット症候群になる場合は、環境の変化などで生じるストレスが原因となっていることが多いといえます。

幼少期は様々な刺激を受けて成長していきますが、その刺激に対して、うまく対処できない事は少なくありません。その時に、自分の場所としてブランケットやタオルに戻っていくのです。

子どもにとって自分の知っているものは、安心するものにもつながります。あまりに長期化している時は、背景にストレスがないかと考える必要があります。

なお、ブランケット症候群になっている子どもは、ストレス対応力が高いという調査もあります。自立に取り組んでいる途中なので暖かく見守る事が大切といえますね。

不安を感じるときに安心感を得る

不安を感じるときに、安心感を得るための反応として、ブランケット症候群の症状がみられる事も少なくありません。

これは前述のとおり、心理的なストレスや社会的なストレスを抱えている時、子どもは何かしらのストレスを抱えているといっても過言ではありません。そのため、ブランケットに安心できる場所を求めてしまうのです。

親にみたてる

ブランケットを母親や父親にみたてる事は少なくありません。特に、育児の中で密に関わる母親に見立てるケースが多くあります。

そもそも、ブランケット症候群は前述のとおり、母子分離の過程で生じる反応です。母というもっとも大きな安全基地から自立していく過程の中で、自分が安心できる場所がそのままなくなってしまう事は、子どもにとってかなりの負担です。

その負担を解消できるように、ブランケットというクッションを挟んでいるのです。そのため、親にみたてるというのは、ある意味普通といえます。

ブランケット症候群になりやすい年齢

ブランケット症候群になりやすい年齢は、母子分離が起こり始める乳幼児期です。

基本は幼い時

乳児の間は母親がいなければ生きていけません。

しかし、子供は2歳までには言語能力もある程度成長し、食べられる食物も増えていきます。その中で自立が促されていきますので、ブランケット症候群へとなるのです。

幼児期〜成長期頃になるつれ自然と卒業する

多くのケースでは、幼児期から成長期にかけて自然と卒業していきます。自立していく中で自身の存在が確立できるようになれば、ブランケットに頼らずとも安心して行動する事が出来るようになるためです。

ただし、大人でもブランケット症候群の人はいます。

大人でもブランケット症候群のひとはいる

分離不安に対してうまく適応できなかった、もしくはストレスに対しての反応として自らの安全基地であるブランケットやタオルに戻る反応を示す人もいます。

ただし、この場合も、日常生活において何かしらの障害が生じていないのであれば、特に問題はありません。自分で治したいという思いがある場合でもなければ、様子を見ても良いといえます。

ブランケット症候群の解決策

では、ブランケット症候群に解決策はあるのでしょうか?

病気ではなく、成長を妨げるものでもない

ブランケット症候群について、ここまで記事を読まれた方ならばわかるかと思いますが、特別な決を焦る必要はありません。

時期が来るまで見守る事が重要です。

徐々に自立していく、無理やり辞めさせるものではなく見守ることが大切

無理に辞めさせてしまうと、子どもからするとブランケットを奪う敵に感じる事があります。自立にむけて頑張っている時期だからこそ、他の場面でしっかりと関わって見守っていくようにしましょう。

対象物を小さくしていく

ただ、どうしても気になるというのであれば、愛着をもつものの種類を変えていくというのは方法として考えられます。少しずつ愛着を抱く対象物を小さくしていく方法があります。

例えば、布団から始まったのであれば、

毛布→枕→ぬいぐるみ

と変えていく事で目立ちにくくなります。

しかしながら、ブランケット症候群の子どもに無理やり変えさせる、というのは得策ではありません。どうしても変えたい、介入したいというのであっても、推奨は出来ない事だと思っておきましょう。

優しく解説!ブランケット症候群とは?原因と解決策とはのまとめ

ブランケット症候群になっている場面を見ると、ついつい不安になってしまう親御さんも多いかもしれません。

病気や障害ではないので、無理やり止めたりせずに、自然と辞める時期を待つのも育児の中では重要ですよ。子供によってそのスピードは様々です。

焦らずゆっくりと見守っていく事にしましょう。