音楽ボランティアとは、音楽の力を必要としている対象者の所へ赴き、楽器の演奏や合唱を行う活動のことをいいます。対象者とは、主に医療機関や介護施設で入院・入居中の方々や、児童発達支援施設に入居する子供のことをさします。

私達は、身体的、精神的に疲労した際、休息や癒しを求めます。音楽を聴くことは、とてもリラクゼーション効果が高く、肉体的・精神的疲労の軽減に有効です。

また、合唱や身体を動かしながら歌を歌うことは、自発性の向上や認知低下を予防する効果があり、脳の活性化に繋がると医学的に証明されています。

「音楽ボランティア」というワードを初めて聞く方もいるかと思います。そこで、「音楽ボランティア」がどのような場所で何を目的として行われているのかについてご紹介します。

医療や福祉の現場で求められる音楽ボランティア

入院生活や、施設での生活に楽しい時間を提供し、QOL向上

「音楽ボランティア」の活動場所は医療施設や介護施設、児童発達支援施設など、幅広いです。

入院生活中は、決まった時間に起床し、食事を取り、入浴をするなど、どうしても決まったライフサイクルになってしまいます。外部との交流も面会者を除き遮断された環境です。

また、患者、利用者の身体状態によっては、自身でベッド上から起き上がることが出来ずに、食事や入浴を除いて、1日の8割以上もの時間をベッド上で過ごさざるを得ない方もいます。

寝たきりが続けば、筋力は衰え、認知能力は低下します。病院で適切な処置を受けており、身体の状態が改善に向かっても、精神的な希望や社会で生き抜く自信がつかなければ回復とはいえません。

そこで活躍できるのが「音楽ボランティア」です。

「音楽ボランティア」は、病気で苦しみ、希望や目的を失ってしまっている人、生きる希望をみつけたい人の支えになりたい気持ちで行われるものです。また、提供することでQOLの向上を図ります。

音楽を通して心身のリハビリテーションに活かしてもらう

音楽にはリラクゼーション効果があります。身体的、精神的に障害を抱える方へ「音楽ボランティア」を提供し、心身のリハビリテーションをサポートします。入院生活中の方にとって人との交流は、心身を安定させる上で欠かせないものです。

また、音楽を通じて患者様・利用者様同士が話しあいをするキッカケになることもあります。

音楽を心身の健康に活かす「音楽療法」とは

20世紀、戦後のケアをきっかけにアメリカで発展

「音楽療法」を用いた治療の有用性を示したのは、第二次世界大戦後のアメリカで、戦争中に命を落とした遺族や関係者の方々の精神的ケアとして効果を発揮したと言われています。

日本でも、医療施設や介護施設で「音楽療法」を取り入れる姿勢がみられはじめていますが、まだ不十分です。

「音楽療法」の対象者は、身体的・精神的に障害を抱えた方のみならず、老若男女に適応されます。音楽の力は障害を予防する効果も発揮するのです。

能動的音楽療法と受動的音楽療法

「音楽療法」には、2種類あります。

能動的音楽療法

身体的・精神的に障害を抱えた方が音楽療法士監視の元で楽器の演奏をしたり、歌ったりすることで身体的・精神的回復を図る療法です。ポイントは、対象者自身で活動するということです。

受動的音楽療法

身体的・精神的に障害を抱えた方が音楽療法士監視の元で楽器の演奏や歌を聴くことで、身体的・精神的回復を図る療法です。 ポイントは対象者自身が聴き手であるということです。

どんな活動があるのか

では、医療施設や介護施設などで、具体的にどのような活動を行っているのかをみてみましょう。

現場にあった音楽を選んで演奏する

「音楽ボランティア」は、年代層や対象者の性格を捉えた上で行うのが基本です。

例えば、小さな子供に演歌を提供するのか童謡を提供するのかで子供の反応や取り組み方は変わってきます。同様に、高齢者に演歌を提供するのか最新の曲を提供するのかでも取り組み方が変わってきます。

「音楽ボランティア」は、聴き手に気持ちよい楽曲を提供すること、楽曲に積極的に参加していただけることに目を向ける必要があります。

対象者の方が知らない楽曲であったり、興味のないジャンルを提供した場合、心に響くことは少なく、音楽のもたらすリラクゼーション効果が軽減してしまいます。

施設によっては、集団で大規模のレクリエーションを実施している場所もあれば、5人程度の少規模で実施する場所もあります。その為、事前に聴取が出来ていれば、楽曲のジャンルを調整できます。それにより「音楽ボランティア」の効果を発揮しやすくなります。

伴奏して歌を歌う機会を作ったり、楽器を演奏するサポートをする

楽器や歌を年代層に沿った形で提供をし、ギターやピアノ、簡単な打楽器を使い奏でます。

手足が不自由な方には声を出して頂くなど、身体的負担を考慮しながら対象者に合った演奏方法をサポートします。

やりがいやメリット

音楽療法の仕事のやりがい、メリットはたくさんあります。いくつかご紹介しましょう。

一番のやりがいは音楽で喜んでもらえること

自分の演奏や合唱などを通して、対象者の方に笑顔になって頂いたら嬉しいものです。「音楽療法」が対象者の生きる希望になることもあります。得意な分野で人の役に立っていると感じると、当然やりがいがありますよね。

演奏の発表の場が持てる

ご自身の演奏が他者にどのような影響を与えているのかを評価することが出来ます。

また、人生の大先輩である対象者の方々から直接、生の感想を聞くことができます。

発表を通じ得たものを糧に別の発表場所で活躍することも夢ではりません。活躍の場を増やすことはご自身の成長にも繋がります。

アシスタントから始めて音楽療法のスキルを身につける

演奏が大好きで、人の役にたちたいと考えている方は、アシスタントとして音楽療法士さんにつき、人の心を動かす術を取得するのもよいですね。

音楽療法の仕事は文で読むより実際に体験した方が魅力や、やりがいを感じます。音楽で人を笑顔にしたい・音楽で希望を与えたいと思っている方は是非、一度足を運んでみてください。新たな挑戦が出来るかも知れません。

音楽ボランティアについてその内容は?詳しく解説しますのまとめ

「音楽ボランティア」は医療施設や介護施設に入居している高齢者を中心に、身体に障害を抱えた子供まで幅広い方々に音楽を通じ精神的なサポートをします。

入院中、同じライフサイクルが繰り返され負担になっている方、重症度が高く動くことが困難な方の気持ちを理解し、共有できる方でなければなりません。気持ちの理解がなく、一方的な音楽を提供しても対象者の心に響くことはありません。

日本では、まだままだ知名度が低い「音楽ボランティア」ですが、医療・介護・福祉分野において需要が高くなっています。今後、積極的に取り入れていく考えを示している医療施設もありますので、活躍の機会は広がっていく傾向にあります。

たとえ、「楽器は好きだけどあまり自信はない」と思っている方でも、音楽を通じ、一緒に場を楽しみたい気持ちがあればその想いは必ず届きます。その気持ちに感銘を受け、救われる方々が多くいらっしゃいます。

音楽の力を求めている人に提供する、そんな素敵なことありません。あなたの持っている力を必要としている方々に提供し、救いの手をさしのべて下さい。