
ルノルマンカードとは、18世紀のフランスから誕生した独自の魅力を持つ占いツールです。
カード形式のシンプルなものですが、シンボリックな絵柄を読み解きながら、深い洞察も味わえるため、今では多くの占い師やフォロワーが存在します。
タロットカードと似ていながら異色なアプローチをすることで、未来を読み解くことができるカードです。
タロットカードやオラクルカードと併行しながら、占いの幅を広げる目的で学習する人が増えています。
本記事では、ルノルマンカードの概要を理解できる内容として、カードの組み合わせやコンビネーションリーディングについて掘り下げていく内容です。
ぜひ参考にしてみてください。
カード占いを行う場合、大きくは「タロット・オラクル・ルノルマン」の3種類のカードを連想させます。
それぞれのカードは、構成・枚数・成り立ちなどに違いがあり、それらの特徴を考慮して置くことが重要です。
まずは簡単に、各種占いで用いられるカードの相違点を解説します。
タロットカードの特徴は、おもに以下のとおりです。
● 18世紀のフランスで誕生
● 大アルカナ22枚、小アルカナ56枚の計78枚
● ウエイト版には全てのカードに絵柄あり
● 1枚のカードに複数のシンボルが描かれる
● 原則全てのカードをシャッフルして目的に準してスプレッド(展開法)する
オラクルカードの特徴は、おもに以下のとおりです。
● 1970年代頃に誕生した比較的新しいもの
● 枚数・絵柄に決まった構成はない
● デザインやコンセプトは制作者の発想
● 決まった使い方、展開法がない
● ガイドブックに則って引いたカードの意味を知る
ルノルマンカードの特徴は、おもに以下のとおりです。
● 18世紀にフランスに実在した占い師マドモアゼル・ルノルマンが由来
● プチルノルマンは全36枚、グランルノルマンは全54枚
● プチルノルマンには、各1枚毎に一つのシンボルが描かれる
● 描かれるシンボルは決定されたもの
● 展開法は複数あり、36枚すべてを使用することもある
ルノルマンカードを使用して占う場合、選んだカードがどのような意味を表しているのかで違いが出てきます。
また、ルノルマンカードでは占い方が複数あり、選ぶカードの枚数により意味合いが異なるのが特徴です。
ここでは、ルノルマンカードが表す意味の違いなどの基本概念を解説します。
ルノルマンカードは、全部で36枚の構成で、それぞれに異なる絵柄が模され意味にも違いがあります。
おもに自然現象・日用品・神話的シンボル・動植物などが描かれたカードです。
まず、カードを1枚選んだ場合も、描かれた絵柄からメッセージを読み解けるでしょう。
ルノルマンカードの場合、1枚のカードが表す意味としては、関連したものがひとつだけと決まっています。
例えば、「太陽」のカードを選んだら明るさや成功を意味し、「月」のカードを選べば微妙な感情や内面性を表現したものです。
ルノルマンカードでは、1枚での占いもできますが、複数カードの組み合わせが可能です。
むしろ、主流となっているのは2枚引きによる複合的判断で、2枚のカードの意味が熟語になって暗示します。
さらに3枚以上になっていけば、「いつ・どこで・どのよう」などの5w1h的な細かい占いができるようになるのが特徴です。
その分、占い方も複雑にはなりますから、実践を積んだ経験者向きの方法となるでしょう。
ルノルマンカードでは、特有の占い方法として「グラン・タブロー」と呼ばれる手法があります。
フランスで生まれた由来から、グランはフランス語で「大きい」、タブローは「絵」の意味です。
グラン・タブローでは、ルノルマンカードの全36枚を使って占う並べ方(スプレッド)で、その特徴は、36枚のカードを同時に解釈するリーディングで、多くの質問に答えることができます。
これはルノルマンリーダーとしての最終テクニックで、最も醍醐味のある占い方です。
並べた隣接するカードとの関係性から読み取り、複雑な状況を細かくアドバイスするスキルを要するでしょう。
ルノルマンカードは、単体のシングルで占うこともできますが、複数での組み合わせパターンから、より深い洞察力を駆使して占う方法がポピュラーです。
その際の基本的な組み合わせでのルールを理解しながら、「カウンターカード」の役割についてもマスターしておくようにしましょう。
では、詳しく解説していきます。
ルノルマンカードの組み合わせパターンには基本的なルールがあります。
ルールを理解しておけば、カードの意味をより正確に解釈できるでしょう。
まずは、複数のカードが「重なり合うものは強い影響を及ぼす」点です。
カードを選ぶ際に、複数カードが同じ位置に重なって出現した場合が該当します。
その意味がさらに強調されることを暗示するのです。
例えば、「太陽」と「月」のカードが偶然にも重なって出た場合、それだけ感情の起伏や精神的葛藤が強く表れるだろうと示唆しています。
また、カードの「向きによっても意味に変化をもたらす」ことがある点です。
偶然に逆さまで出現した場合などが該当します。
この場合は、正位置とは否定的な意味合いを持つことを意味するのです。
他にも、「近接するカード同士が相互作用し合う」ことがあります。
例えば、「太陽」と「鳥」が隣り合った場合、喜びと自由の組み合わせです。
ルノルマンカードの組み合わせでは、カウンターカードの役割が重要です。
カウンターカードとは、あるカードの意味を軽減・打ち消す働きを持つカードを指します。
例えば、「火災」や「疾病」に関する否定的なカードが出現した場合、それらを和らげる役割がカウンターカードです。
「水」や「月」などのカードは感情を表すもので、これらと火災や疾病のカードとが組み合わさると、危機的状況から改善に向かう可能性を示唆します。
あるいは、「戦争」や「死」などの不吉な意味のカードでも、「愛」や「太陽」を象徴するカードと組み合わせれば、、その影響を和らげることができます。
ルノルマンカードでの複数枚での占いでは、頻繁にカウンターカードの組み合わせが登場するので、全体像を読み解く上で重要な意味合いを持ちます。
これらのカード出現も併せながら、ルノルマンカードの意味を紐解く知識が必要です。
ルノルマンカードは、さまざまなバリエーションでの占い方法があります。
ルノルマンカードをマスターするには、それらのパターンについて理解しておくことが大切です。
ここでは、ルノルマンカードによる多彩な占い方法について説明します。
ルノルマンカードの占いでは、基本ルールがあります。
それは、「左が過去・右が未来」を読み取るという順序になっている点です。
このルールをしっかり身につけていけば、他の占い方法でもカードの読み取りをすることができます。
基本的な占いの手順は、以下のとおりです。
● 質問・テーマを明確にする
● カードをシャッフルする
● 直感に従いカードを引く
● カードの意味を読み解く
● カード同士の関係性を判定する
複雑なことはあまりないため、初心者でも理解しやすい利点があります。
ただ、全36枚のカードが持つ意味の基本的な部分を把握しておかないと、複数のカードで占った時に混乱しかねません。
ビギナーは、必ず各カード1枚ずつに込められた意味合いを理解しておきましょう。
ルノルマンカードの使い方としては、オラクルカードでの占い方も可能です。
例えば、4枚オラクルの場合は、カードをシャッフル後に4枚を引き、3枚を横並び、1枚を上に並べます。
下段左のカードが過去や原因を指し、真ん中は現在の状態、右のカードは未来の意味です。
上段1枚のカードは、総合的なアドバイスを示唆しています。
ルノルマンカードでは、キーカードによるスプレッドでの占い方が可能です。
最初に必ずキーカードを決め、そこから基準にして占いをしていきます。
また、使用枚数によって方法が異なるので、おもな枚数ごとによる占い方をマスターする必要があるでしょう。
おもに以下のような内容です。
● 5枚引き
● 9枚引き
● グラン・タブロー
5枚引きでは、カードをシャッフルしキーカードをどれにするか念じます。
シャッフルが終わったら、カードを3つの山に分け扇型に広げ、キーカードが出現するまで開いていきましょう。
キーカードが出たら、直前に開いた2枚のカードと一緒に並べます。
さらにカードを2枚選び、キーカードの左右に並べて、左から過去、2枚目から4枚目まで現在に近づき、5枚目が未来と見立てて占う方法です。
9枚引きの場合も、手順はほぼ5枚引きと同じで、上下3枚ずつにカードを並べます。
その際は、キーカードの出現時に、その前に出た4枚をとり上に3枚、キーカードの左隣に1枚を並べるのがコツです。
さらにカードの山から4枚選んで、キーカードの右に1枚、下に3枚を並べます。
読み解き方も左が過去、右が未来です。
また上下のカードの関係性は、上が下をコントロールします。
グラン・タブローは前述したように、すべてのルノルマンカードを用いる方法です。
シャッフル後の8枚ずつ横に並べていきましょう。
その際は、あらかじめ決めたキーカードがどの位置にあって、周囲にはどのようなカードがあるかによって感じ方が変わります。
中でもキーカードの上下や斜めに該当するカードに着目しましょう。
そこに配置されたカードの絵柄の暗示がポイントとなります。
ルノルマンカードでのコンビネーションリーディングは、カード同士の関係性を理解しながら、意味を組み合わせて解釈していきます。
カードの組み合わせによって、リーディングがより具体的で的確になっていくことでしょう。
そのため、まずは単体のカードに秘められた意味合いをしっかりマスターしておき、複数の組み合わせで応用できる判断ができるように、実践を繰り返すことが大切です。
では、コンビネーションリーディングについてさらに詳しく解説していきます。
手順の基本は、以下のとおりです。
● 相談者より質問内容を明確にヒアリングする
● 相談者にカードを引いてもらう
● 引いたカードの意味を解説する
● カードの関係性を分析しながら、全体の意味を導き出す
● 相談者の質問と照合しながら見解を述べる
手順の1〜4については、基本的なことなので慣れてくれば誰にでも簡単にできるはずです。
ここでポイントとなるのは、手順の最後5番目の解釈となるでしょう。
相談者が聞きたいことや、課題によってさまざまな受け取り方ができます。
複数のカードの組み合わせの基本的意味合いと、相談者のリアルな経緯を、うまく摺り合わせた回答をしなくてはなりません。
例えば、相談者の悩みは恋愛かもしれませんし、仕事上のことかもしれません。
恋愛についての回答を求めているのに、仕事の話をしても意味がありませんし、その逆でもそうでしょう。
相手の立場とカードの出現した結果を考慮した、適切なアドバイス力が求められます。
ルノルマンカードでの2枚引きの場合、「左が過去・右が未来」という基本ルールに沿って読み取りをしましょう。
その際は、過去と未来とのつながりについてを判断し、今後どのように行動していけばよいのかをアドバイスしていきます。
現在のルノルマンカードの占いで主流となっているのが2枚引きの方法ですので、初心者は、まず2枚引きをしっかりマスターできる目標で取り組んでいくとよいでしょう。
ルノルマンカードでキーカードを使用する場合は、まずキーカードをイメージすることから始めて、周囲にどのようなカードがあるのかによって判断していきます。
シャッフルの仕方、あるいは選ぶキーカードによって意味が大きく変化する方法です。
また、キーカードとの位置によっても結果が異なっていくため、それぞれの関係性を把握するためには、何度も練習や実践を繰り返して身につけていくようにしましょう。
ルノルマンカードの占いを学習するには、さまざまなやり方から選べばよいでしょう。
どの方法を選ぶかによって、上達の理解度・深さ・スピードに差が生じてきます。
概ねでは独学で取り組む場合、スクールやプロの指導を受ける場合などに区分され、それぞれにメリットとデメリットが生じるものです。
スキルを高めるためには、知識を増やしながら日々実践を繰り返すようにしましょう。
ここでは、それぞれの学習方法、スキル向上のポイントなどを中心に解説していきます。
ルノルマンカードは、シンプルなカード占いであることから、独学でマスターする人も目立ちます。
マイペースで進められるという自由さと同時に、独学ならではの限界もあることは否めません。
独学のメリットとしては、時間や場所を問わず、自分の計画で学習を進められることです。
多忙な中でも、好きなタイミングで自由に実践を積むことができます。
独学はコストがかからず手軽に始められる点も大きいでしょう。
解説書1冊をマスターすれば、基本リーディングは誰でも簡単に可能にしてくれます。
また、直感に基づく独自のスタイルを早い時期から作り上げることができるでしょう。
一方、独学のデメリットとしては、間違った解釈や習慣を身につけるリスクがある点です。
あくまでも自己流なので、最初から誤った認識や方法論に気づかず展開してしまいます。
また、疑問点が浮上しても相談できる相手がいないことが、学習の妨げになるでしょう。
モチベーションを維持するのも厳しい場合があります。
実践が重要なものなので、継続的に学び続ける環境が問われるでしょう。
独学以外でルノルマンカードを学ぶための方法は複数あります。
代表的なものは、スクール・通信講座・プロリーダーから直接学ぶといった方法です。
これらは、効率的にスキルを高められます。
それぞれには、独自の利点・欠点もあるため、どの方法を選ぶのかは自分次第となり、目標や学習スタイルに合わせて決定すればよいでしょう。
スクールや通信講座の場合は、ルノルマンカード全体を効果的に学べる選択肢です。
専門の講師による指導で、基礎から応用まで正確な知識が身につきます。
カリキュラムもしっかり組まれているので、順序良く素直に学べばスムーズに進行していくことでしょう。
通信講座の場合は、時間や場所を問わない独学に近い学習方法です。
必要に応じた場合、担当講師に質問しフィードバックをもらえます。
独学よりは正確に学べるメリットがあります。
プロリーダーから直接学ぶ手段は、より実践的なスキルを磨くことが可能です。
豊富な経験からのアドバイスやテクニックなので、書籍では得られないきめ細かな知識が理解できるでしょう。
リーディングの精度も高いレベルに引き上げられ、深い洞察を得る具体的な方法が模索できます。
実際の占いの流れや相談者とのコミュニケーション方法も、リアルタイムで経験できるのがメリットです。
ただし、これらの独学以外の学習方法は、コストがかかる点や、時間や場所を限定・制約された中で指導を受ける点などのデメリットが生じます。
その程度の時間的拘束なのか、費用が必要なのかは、選ぶスクールやコースによってさまざまです。
ルノルマンカードの学習では独学も可能ですが、できれば民間資格も存在するので、より深く知識を得たい人は検討してみるとよいでしょう。
ここでは、ルノルマンカードを含めた各種カード占い関連の資格を解説します。
ルノルマンカード士®資格とは、ルノルマンカード士®としての資格を証明するものです。
ルノルマンカードの1枚引きの占い方法、2枚引きの占い方法、複数枚引きの占い方法、36枚引きによるグランタブローの取り扱い方など、ルノルマンカードでの実践的な占い方法が総合的にマスターできます。
資格取得後には、ルノルマンカード士®としてカルチャースクールなどで講師活動が可能です。
スピリチュアルタロット士®資格とは、タロットカードを用いた、スピリチュアルで霊的な超自然現象に基づきながら、神聖な気持ちでのタロット占いを扱える占い師を認定する資格です。
資格取得後は、各種サロン、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。
ルノルマンカードには、各1枚毎にシンボルやイメージが描かれています。
そのカードが示すことで、普段わからない感情や潜在意識について示唆するものです。
カードの選び方やコンビネーションによって意味合いが変わっていきます。
いくつかのカード占いがある中でも、ルノルマンカードはシンプルさが特徴で、直感に惹かれたカードを選び洞察できるのが醍醐味でしょう。
多角的視点を鍛えながら実践を繰り返し、ルノルマンカードの扱いに慣れていくようにしましょう。