
ルーン占いとは、古代ゲルマン民族によって誕生した占術の一つです。
木や石などへ「秘密の知恵」を象徴する文字が刻まれた「ルーン」を用います。
各ルーンには独特な意味合いがあり、自己理解や未来予測などをおこなう占いです。
やがて、ルーンカードとルーンストーンの2つのアイテムに分類されて占うようになり、現在に至りました。
本記事では、ルーン占いに欠かせない道具であるルーンカードやルーンストーンについての使い方、準備などの詳細を解説していきます。
ルーンカードとルーンストーンの特徴や、それぞれの占い方についても紹介するので、ルーン占いという言葉を初めて聞いた人や、これからルーンカードやルーンストーンに挑戦したい人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
ルーン占いの世界に興味を抱いたら、ルーンの基本的な意味を理解し、自分のインスピレーションによる自己発見や洞察を得る機会に恵まれたと思ってください。
ルーン占いの実施にあたっては、必要なアイテムの準備の必要があります。
その前に、具体的なルーンについての概要を押さえておかなければ、アイテムを駆使できません。
ここでは、ルーンとは一体どのようなものを指しているのか、その基本概要を解説していきます。
ルーンとは、紀元前1世紀〜8世紀頃のスカンジナビア半島・ドイツ・イギリス諸島などの地域で使用されていた文字を指します。
特徴は、現行のアルファベットのように抽象文字ではなく、直線的・幾何学的文様によって構成されていることです。
ルーンがみられるのは木・石・金属といった堅い素材の表面で、当時のゲルマン民族がそれらのアイテムに刻み込んで使用していました。
単なる文字体系にとどまらず、神秘的かつ呪術的な力の象徴でもあったと考えられています。
そのため、魔術や予言、呪文などに使用されていました。
他にも、当時の墓碑銘や念書、祝福の場面でも活用され、人々が日常的にコミュニケーションをするために用いられていたとされています。
現在でも、北欧を中心とするゲルマン系の諸国では、ルーンは文化的シンボルとして扱われ続けているのです。
ルーンは大昔のゲルマン民族の使用文字以上の存在で、各文字に固有の意味や象徴性があります。
ルーンの中には「ᚠ(フェ)」という文字があり、牛角を象徴するものです。
この文字は、「成長」「財産」を意味するものとされています。
他にも、「ᚲ(ケン)」は、「情熱・火」を象徴し、「ᛏ(ティワズ)」は戦神ティウの文字とされ、「勇気・勝利」を表し、「ᛒ(ベルク)」は、「母性・平穏」といった意味です。
ルーンの各文字は、自然界のことや概念のシンボルとして使われ、神秘的な力が秘められたものとされてきました。
そのため、魔術・呪術・占いにも利用され、当時の人々の生活・信仰・世界観を反映した文字体系なのです。
ルーンは魔術や占いにも利用され、それが現在でもルーン占いとして残されています。
ルーン占いは、ルーン文字によって個人の状況や未来を占い、自己理解を深めるのが目的です。
ルーンの文字が刻まれた石や木片を混ぜながら、無作為に1つ引き出します。
引き出されたルーンの意味を解釈しながら、現状・課題・未来などについて洞察を深めるというやり方です。
論理的なことは抜きにした直観を重視する占いとして成立しています。
ルーンの持つ神秘的な雰囲気によって、自己探求の手段としても用いられます。
ルーンカードとは、古代のルーン文字をモチーフに占いカードにしたものです。
基本的にはタロットカードと似ていて、カードをシャッフルして引いた際の、カード各位のルーン文字から解釈して、質問へのアドバイスを得ることができます。
では、さらに詳しくルーンカードについて解説していきましょう。
ルーンカードは、タロットカードと同様なカードデッキになっています。
ルーンカードには、古代ゲルマン文化のルーン文字がデザインされ、通常25枚の構成です。
各カードに1つのルーン文字が描かれ、その意味や象徴性に基づく解釈ができます。
具体的には、「ᚠ(フェ)」のカードは豊穣や繁栄、「ᛏ(ティワズ)」のカードは勇気や勝利といった意味合いです。
カードをシャッフルして1枚引き、その意味を読み解く使い方をします。
古代の知恵を現代にも活かせるユニークな存在です。
ルーンカードには、それぞれ1つのルーン文字が描かれ、その文字の意味や象徴性に基づいて解釈されます。
占う際は、引き出されたカードの文字の意味を認識し状況や課題、未来の可能性などを洞察していくものです。
神秘的な意味合いが反映されているので、直観によるカードの導きとなるでしょう。
まずは、カードのルーン文字が非日常的な文様になっている点を考慮し、各カードの絵柄と意味を解説書などで確認しながら、徐々に慣れていくようにしましょう。
ルーンカードを使った占いでは、相談者の疑問・課題についてカード解釈することで、適切な回答を導き出します。
具体的な占いの流れは以下のような順序です。
● 相談者の問題や質問を伺う
● カードをシャッフルし無作為に1枚引く
● 引いたカードのルーン文字の意味を解釈
● 問題や質問の回答や洞察を得る
具体的には、仮に人間関係の悩みに対して、「ᚺ(ハグラ)」カードが出現した場合、「コミュニケーションの重要性」を示します。
相手の気持ちを理解して対話をするのが解決策だと示唆したカードです。
ルーンカードの占いも、タロットカードの占いと類似して、相談者からの課題について、象徴的なカードの絵柄から直感的洞察を得ていきます。
未来予測や自己理解を深める手段としても機能するカード占いです。
ルーンストーンとは、古代ゲルマン民族が使用したルーン文字が彫られた石、もしくは木や動物の骨などを指します。
通常では24個のストーンが1セットです。
ルーンストーンは、その神秘的なシンボルから、未来予測や自己理解を深める際に使用されてきました。
素材としてセレクトされるのは花崗岩・砂岩などの石を中心に、木、骨、金属といったバラエティに富んでいて、素材が持つエネルギーや性質も異なってきます。
占い師がルーン占いをする際は、相談者の目的に合わせ最適な素材を選び使用するのが普通です。
ルーンストーンとは、ルーン文字が彫刻された石のことです。
石以外でも様々な素材が存在しますが、石材を使ったものが一般的とされています。
ルーンストーンは歴史的にも古くて、花崗岩や砂岩などの堅牢な石を使い、ルーン文字を鮮明に刻んだものです。
本来は墓石や記念碑として使用されていました。
また、木製のルーンストーンは、木の温かみと繊細な彫りが特徴的です。
アクセサリーにも用いられるシーンを多く見受けます。
骨や貝殻、金属も同様で、素材の違いによってエネルギーや性質が違うようです。
ルーンストーンの形状については、立方体・ピラミッド型・楕円形など自然によってデザインされた形を表現しています。
形によっても象徴性や効果が違うとされているようです。
ルーンストーンも占いの道具として今でも使われ続けています。
石に刻まれたルーン文字の意味を解釈し、相談者の問題・疑問に対する回答をアドバイスしていきます。
占いの手順は以下のような順序です。
● 相談者の課題や質問を伺う
● ルーンストーンをシャッフルし無作為に1つ選ぶ
● 選んだルーンストーンに刻まれた文字の意味を解釈
● 適切なアドバイスをする
占い方は、ルーンストーンの場合もタロットカード占いと類似しているもので、使用媒体がカードではなく石に変わっただけと思えばよいでしょう。
ただし、その独特の雰囲気やフォルムから、より神秘性を感じることができます。
素材と形状から放たれているエネルギーを大いに生かした占いツールです。
ルーン占いを開始するにあたって、いくつかの基本的な道具・アイテムが必要となります。
以下のようなものを事前に準備しておいてください。
● ルーンカードまたはルーンストーン
● サポート用の布やトレイ
● マニュアルやルーンの意味を記載したガイド
● 清浄化用のお香やクリスタル
● ペンとノート
ルーン占いをする際には、適切な道具の準備が必要です。
まず欠かせないアイテムとして、ルーンカードとルーンストーンの2つを用意しましょう。
ルーンカードのセットには、さまざまなシンボルが描かれ、それぞれに意味が込められています。
一方、ルーンストーンは、ルーン文字が刻まれた石で、袋から手で引き出して使用することが可能です。
ルーンカードは平面的で視覚的な情報を容易に得られる利点があり、ルーンストーンは立体的で直感的な感触を得られます。
どちらをどのように選択するかは、好みや占いの目的によって異なっていきます。
共通点は、ルーン文字への理解を深めておく必要性があることでしょう。
ルーンがもたらす意味を深く理解しながら、直観や潜在意識を活かす占い術です。
占いをスムーズに執りおこなうためにも、テーブルクロスやトレイなども用意しておきましょう。
これらは、タロットカード占いをする際と一緒で、ルーンカードやルーンストーンを並べるために使用します。
クッション性のある布やトレイを使用することで、あいてむそのものの保護もできて、カードやストーンが乱れないように並べることが可能です。
よって、占い自体がスムーズに進行できるので重要なアイテムといえるでしょう。
カードやストーンの意味を解釈する上で、付属している解説書やマニュアルも忘れずに手元に置くようにしましょう。
とくにルーン占いを始めたばかりの初心者にとって、各ルーンのシンボルの意味や解釈方法は、ガイドブックやマニュアルに沿って進めることで、より学習ができるからです。
最初は、ガイドブックに従っていきながら、徐々に独自性を打ち出していきましょう。
ルーン占いをする前には、占いをする空間と自身の心を清浄化する習慣が大切です。
そのために、お香やクリスタルなどの浄化用アイテムが欠かせません。
お香にはさまざまな樹脂や植物が成分となった種類があり、特有の香りと効能があります。
一方、クリスタルは、その結晶構造に内在するエネルギーが空間浄化をするとされているようです。
クォーツ・アメジスト・ルビーなどが頻繁に使用されています。
また、クリスタルにはそれぞれ固有の周波数があるとされ、ネガティブなエネルギーを浄化する働きを示すのです。
これらの浄化アイテムの使用は、タロットカードなど含めた占い術全般で一般的なことなので、ルーン占い初心者は、必ず適切な浄化アイテムを選択しておきましょう。
ルーン占い後は、結果を記録しておくようにしましょう。
その意味で、ノートとペンといった筆記具も忘れずに揃えておくことです。
占いの解釈は、時間経過とともに記憶が曖昧になってしまいます。
そこでペンとノートを用意するのは、その時の占い状況を詳細に記録するためのものです。
ノートに記録する内容は、以下のような項目が理想といえます。
● 占った日時
● 占いの目的と質問
● ルーンの組み合わせと意味の解釈
● 占いの全体的な結果や感想
● 今後の行動や計画
可能であれば、占った際のイメージやインスピレーションなども記入し、絵や図を描くのもアイデアの一つです。
後に振り返って新たな視点を得ることもできるでしょう。
これから長期的にルーン占いを続けたいと思うのであれば、なおさら記録したノートがやがて役に立つ日が来ます。
なお、筆記具の選び方は個人差もあるので、自由に考えて構いません。
できれば、特別感のあるアイテムにすると、気持ちも上乗せできます。
ルーン占いは、特定の文字を刻んだルーン(石やカード)を使って、質問の回答を導き出す占い方法です。
おもに占い方としては、シャッフルして引く「スプレッド・ドローイング」と、放り投げた結果から解釈する「ルーンキャスト」の2種類に区分できます。
では、これら2種類について詳しく解説していきましょう。
ルーン占いのスプレッド・ドローイングの占い方は、一般的なカードシャッフルでの手法とほぼ同じだと考えてよいでしょう。
スプレッド・ドローイングの順序は以下のとおりです。
● 質問を明確にする
● ルーンをシャッフルする
● ルーンを引く
● 意味を解釈する
占いの前には、質問内容を明確にしておきます。
これも他の占い同様に、抽象的な質問よりも具体性の帯びた内容へと消化させておく必要があるでしょう。
例えば、「将来どうなるか」ではなく、「今後1年後の自分の仕事の近況は」など、数値化して占います。
次に、ルーンカードやルーンストーンをシャッフルし、勘に従いながら質問の回答を求めてルーンを引くだけです。
あとは、ルーンに刻まれた文字の意味を読み解き、メッセージを理解すればよいでしょう。
ルーンキャストによる方法は、ルーン占い独自の占い方といえます。
アイテムをあえて放り投げて、落下地点での結果から解釈をしていきます。
● 質問を明確にする
● ルーンを放り投げる
● 結果を読み取る
占いをする前に、質問を明確にします。
これは前述したスプレッド・ドローイングと一緒です。
次に、ルーン文字を刻んだ石や木片などを、指定された方法で放り投げます。
投げた結果でのルーンの配置や状態(距離や向きなど)から解釈し、その意味を導いていく方法です。
また、木片の場合、九本の小枝と白い布を用意するのが一般的で、小枝はカバノキかナナカマドがベストだとされています。
白い布の上に投げて残った小枝をチェックすると、ルーン文字に似た配列を連想させ、そこから占いを導くというやり方です。
ルーンキャスティングの場合、読解力が重要となり解釈の仕方も違いが生じます。
そのため、上級者向けの占い方だとされてたものです。
他にも、ルーン占いでのリーディング方法があります。
それらは、ほぼタロット占いの方法とも類似しているのが特徴です。
では、いくつかそれらの占い方を解説していきましょう。
上述したスプレッド・ドローイングの基本はワンオラクルによるものです。
カード1枚、もしくはストーン1つだけをセレクトするやり方ですが、そのさらなるステップとなるのが「ツーオラクル」と呼ばれています。
ツーオラクルでは、ふたつのストーンやカードを使用した占い方です。
特徴としては、最初に引いたものを右側、次に引いたものを左側に置きます。
右は「結果・未来」を暗示し、左側は「原因・対策」を意味するものです。
今の課題についてどのような原因があり、どう対策をすればよいかを読み取れます。
ツーオラクルをさらに進化させたのが、3つのルーンを使う「スリーオラクル」です。
その際の配列は、左側が「過去」、次が「現在」、右側が「未来」となります。
過去・現在・未来の時系列での状況や変化などが読み解けます。
ルーン占いは、古代の北欧に伝わった占いの手法であり、ゲルマン民族によって誕生したルーン文字をベースにしている独特な占い術です。
そのルーツは、自然の石・木片・金属を用いたコミュニケーションツールでしたが、固有の意味と象徴性があることで、占い方法としても活用されてきました。
現在では、ルーンカードやルーンストーンなどが市販されているので、それらを購入して始めることができます。
直感に委ねて選んだルーンの意味を通じて、状況に照らし合わせて解釈する方法です。
そのため、ルーンの象徴的な意味合いをまず理解することが、初心者が最初に取り組むべき課題となるでしょう。
ルーン占いは、ルーンとの対話を通じながら洞察を得られることが魅力です。
質問内容とルーンが示唆した回答がどのように関連し、今後どう展開していきそうなのかを、丁寧に検討することができます。
そのため、瞑想的な体験にも似ているとされていて密かに利用者も増えています。
ルーン占いもタロット占いと同じように、自己理解を深めることや、課題解決の糸口を見出すために活用できる方法です。
事前に準備などもしておきつつ、ルーン占いの世界観を楽しみながら、占い方を身につけていきましょう。