ルーン魔術とは?北欧神話との関係や歴史は?

ルーン魔術とは?北欧神話との関係や歴史は?

記事作成日:2025.06.11

北欧およびスカンジナビア半島付近では、古代ゲルマン民族によるルーン文字の魔術的使用が深く根付いています。
ルーン文字は単なる文字や言語としての役割に限らず、古代の人々にとっての信仰・占い、呪術の対象でもありました。
やがて、言語の役割は徐々に衰えていきますが、占い術や魔術的な側面は、今でも多くの人々にとっての興味の対象です。
ルーン文字には、自然現象や超常的な力などの深遠な意味が込められています。
各ルーン文字の意味合いを理解し実践すると、人生の課題や将来展望などにも取り組むことができるとされているのです。
北欧神話の時代から育まれてきたルーンの真髄は、現代でも人々の心を魅了し続けています。
ルーン文字を使ったルーン魔術には、深い歴史や文化があり、扱う以上は理解を深めておいたほうがよいでしょう。
本記事は、ルーン魔術についての基本概念を中心に、北欧神話との関係や歴史や実践方法・応用などを解説していきます。
これからルーン魔術に触れてみたいと興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ルーン魔術の基本概念

ルーン魔術は、古代北欧の時代に活用されたルーン文字を使用する魔術の一形態です。
おもに呪文・儀式・占いなどを中心に展開されてきたと思われます。
とても神秘的な性質であり、個人の精神性や意図によって実践方法が変わっていくのが特徴です。
もし、ルーン魔術を学ぶ際は、自己責任において慎重さと生真面目さで取り組むことが大切でしょう。

1-1ルーン魔術の定義

ルーン魔術の定義は、古代ゲルマン民族および北欧文化の中で使用された「ルーン」を用いて、儀式や実践をすることを指します。
ルーンは古代の文字体系としての機能はもちろん、独自の象徴やエネルギーが備わっているとされ、ルーンを通じて自己の意図を具現化し、願望を引き寄せるアイテムとして利用するものです。
ルーン魔術をおこなう場合、特定のルーンを選び儀式的に進行します。
また、エネルギー調整のための瞑想、占いや自己分析も含まれるでしょう。
基本的な考えとして、ルーンの象徴が自然や宇宙の力と繋がっていった考え方で成立するので、これらを利用し実生活に影響を与えるためのものです。
自己探求や人生の方向性を見出すための強力な手段としておすすめできます。

1-2ルーン魔術の歴史背景

ルーン魔術の歴史的背景は、古代ゲルマン文化や北欧神話へと遡ります。
ルーン文字は、紀元前1世紀頃の北欧で誕生した文字体系で、神々との関係が深いとされるものです。
北欧神話の世界では、「オーディン」と呼ばれるキリスト教化以前のゲルマン人が信仰した神が、知識を得るために神秘的な木の枝から学んだものとされ、神聖な知恵の象徴とされてきました。
そのため、ルーンは単なる文字ではなく、占いや呪術、治療といった実践的なものとされています。
やがて中世に入る頃には、キリスト教の影響によって一時的に衰退しましたが、19世紀にオカルトブームが訪れて再燃したものです。

ルーン魔術と北欧神話の関係

ルーン魔術は、北欧神話とルーン文字との融合により、神秘的イメージを掻き立てるものです。
ルーン魔術に欠かせないのが「オーディン」と呼ばれる存在で、ルーンの知識と使用を司る神としての象徴となっています。
各ルーン文字に意味が込められ、魔法や迷信に活用してきた歴史があり、古代ゲルマン民族にとっては重要アイテムでした。

2-1北欧の神オーディンの信仰

ルーン魔術は、北欧神話での伝統的な実践です。
北欧神話の世界観では、最高の知恵の神「オーディン」というキャラクターが登場します。
オーディンは、キリスト教以前の北欧の代表的な神で、ルーンの秘密を追い求めて片眼を犠牲にしてまでもルーン文字を手に入れました。
オーディンは、ルーンの秘密を求めて、「世界樹ユグドラシル」に身を吊り下げ、苦行の末にルーン文字を手に入れたと語られてきました。
自己犠牲を厭わず、真剣に探究し続ける姿勢を意味しています。
自然や宇宙の秩序を表す象徴的意味が込められ、神聖なものと信仰されてきました。
ルーンでの呪術は、神々との対話や自然界との調和を目的としています。
ルーンの持つ神秘的背景を理解した上で実践することが大切です。

2-2世界樹ユグドラシルとは

オーディンが身を犠牲にして得たルーン文字のパワーの源が、「世界樹ユグドラシル」と呼ばれます。
宇宙の中心に位置するとされる大きな紫杉のことです。
その根と枝は、宇宙の九つの世界を繋げたものとされています。
世界樹ユグドラシルの世話をするのは、運命の三女神ノルンと呼ばれる神様で、ウルド(Urd)、ヴェルダンディ(Verdandi)、スクルド(Skuld)の3姉妹です。
各女神は過去、現在、未来を司るとされ、ルーン文字は運命や未来を予知する手段としても使われるようになりました。
占う際には過去・現在・未来の要素で表現されます。

2-3ルーン文字の持つ意味

ルーン文字単体には呪術的な意味が込められ、魔法や迷信に用いられました。
各ルーンには、北欧神話の神々や現象に関連した意味が多く込められています。
具体的には、「ウル」の文字は、古代牛の象徴で、力・勇気・試練を表したものです。
ルーン魔術は、これらルーン文字の力によって、願いや目的を達成する方法として育まれてきました。

ルーン魔術の実践方法

ルーン魔術の実践では、ルーン文字によって意図を具現化することや、自己の内面探求をすることが目的とされています。
まずは、静かな環境を選び、心を落ち着けるために瞑想や深呼吸をします。
やがて、特定のルーンを選びだし、その意味や象徴を理解していく進行です。
ルーンを引く際、明確な質問内容を心がけ、引いたルーンからのメッセージを解釈します。
では、さらに詳しく解説していきましょう。
以下のような流れとなります。

● ルーン文字の理解
● ルーンの選択
● ルーン魔術の儀式
● 瞑想と視覚化
● ルーンの守護

3-11.ルーン文字の理解

ルーン魔術を始めるにあたっては、まずルーン文字の理解が重要です。
各ルーンには、特定の意味やエネルギーが込められています。
それぞれの意味やパワーを駆使することで目的を達成するからです。
ルーン文字には、おもに以下のようなものがあります。

● フェオ(ᚠ)・・・財産、富、繁栄
● ウル(ᚢ)・・・力、戦い、勇気
● ソウィラ(ᛋ)・・・太陽、エネルギー、成功

3-22.ルーンの選択

一般的に、特定のルーンを選ぶことを「ルーンを引く」と呼びます。
ルーンの引き方にはいくつか方法がありますが、最も一般的なのは、以下の2つです。

● ランダムに引く・・・ルーンを袋に入れ、1つ〜複数をチョイスする
● ルーンキャスト・・・ルーンを床に投げ、その結果で配置したルーンを解釈する

3-33.ルーン魔術の儀式

ルーン魔術では、特定の儀式的行為によって、エネルギーを引き寄せます。
たとえば、次のような儀式的な行為が一般的です。

● ルーンの書き込み・・・ルーンを紙や木・石に書き、呪文として唱える
● 火の儀式・・・ルーンを火中で燃やし、その煙でエネルギーを放出する

3-44.瞑想と視覚化

ルーン魔術をおこなう際は、頻繁に瞑想をするのが普通です。
おこなうタイミングは開始前が多く、特定のルーンを心に浮かべるつもりで瞑想します。
そのエネルギーは、自分の目的に合わせて視覚化していきます。
また、ルーン魔術のセッションを終了する際にも、クリアリングの意味で、ポジティブなエネルギーを注入するための瞑想や感謝の意識を保つための心がけが必要です。

3-55.ルーンの守護

ルーンの守護とは、自分と霊界との間にて、自分自身を守るための保護です。
ルーン魔術では、超常的なエネルギーを扱うことになっているので、より慎重に進行させる必要があります。
必ず儀式前には、自分自身を守ってくれる護符を所持することや、結界を張る行為をします。

ルーン魔術の応用方法

ルーン魔術は日常生活におけるパワーを引き出す手段として非常に役立つとされています。
古代ゲルマン民族の間から現代に至るまで、知らない場面で実際に使われてきました。
その用途は呪術的目的に限ったものではなく、装飾品・アート作品・現代デザイン・占いなどの各分野へと広がりを見せています。
では、どのような応用がされてきたのかを解説していきましょう。

4-1お守り・護符として応用できる

ルーン魔術の最も伝統的な使い方は、やはり魔術的行為や呪符などでの使用です。
ルーン文字自体には、古代北欧文化で育まれてきた呪術的パワーが備わっているとされています。
例えば、バインドルーンの場合も、複数のルーン文字を組み合わせて、その力をさらに強化する役割があるほどです。
魔術をおこなう人物は、特定の目的や願望に応じながらルーン文字を選び出し、組み合わせてバインドルーンを作成します。
そこには守護・癒し・成功・愛情の強化など、目的も複数あるでしょう。
守護のバインドルーンの場合は、危険や邪悪な力から身を守るために使用されます。
例えば、「アルギズ(Algiz)」のルーンは、守護的力が発揮され、「ティワズ(Tiwaz)」は、力強さの象徴で、組み合わせて作成されます。
各ルーン文字の固有の象徴的な力を組み合わせ、より強力な効果を期待するものとされているのです。
呪符としてのバインドルーンは、持ち運びや保管もできます。
そのため、普段の日常生活にも取り入れることができ、ルーン魔術をより実践的なツールとして身近に感じることができるでしょう。

4-2装飾品やアート作品として応用できる

ルーン魔術は、呪術的な目的とは違った、視覚的なデザインとしても活用されています。
複数のルーン文字を組み合わせた幾何学的なデザインは、装飾品やアート作品としても人気です。
ルーンそのものはシンプルな形状でありつつ複雑な意味やメッセージを内包し、シンボルとしての力強さも併せ持っています。
そのパワーは、デザインとしても美しく成立できるのでしょう。
おもにペンダントや指輪などが一般的で、単なるアクセサリーの役割を超えた、個人的な意味が込められていきます。
例えば、恋愛成就・健康維持のための特定のルーンを刻んだペンダントであれば、持ち主にとっての願望を叶える特別なシンボルです。
また、彫刻や絵画などのアートのエッセンスとして採用されることも頻繁にあります。
ルーン文字の組み合わせによって生まれるデザインは、現代に伝わる古代の神秘性があり、アーティストへのインスピレーションとなっているからです。

ルーン魔術の注意点

ルーン魔術は、比較的安心しながらできる方法ではありますが、それでも古来から伝わる魔術に変わりはないため、一定の注意事項も存在します。
ここでは、ルーン文字を使った魔術の注意点について簡単に触れていきましょう。

5-1倫理的考慮をしておこなう

ルーン魔術の実践での心得として大切なことは、「倫理的考慮」が必要な点です。
言い換えれば、常識の範疇を超えない意図と目的でおこなはなくてはなりません。
例えば、自己内省を見直し、将来を明るい展望として捉えるための手段であれば問題ありません。
ところが、第三者や他人への危害を加える目的で、魔術を使用するべきではないということです。
個人の自由意志を尊重すべきであり、相手の同意なしに魔術をかけてはなりません。
ルーン魔術に限らず、あらゆる魔術や占いの全般にもいえることでしょう。

5-2リスクが伴うことも理解しておく

ルーン魔術は、強力なエネルギーを扱うものです。
それは、逆にリスクも伴うものだといえるでしょう。
もし、正しい方法を無視して誤った方法で魔術をすれば、意図しない結果を招き、自分自身に悪影響を及ぼす危険性もはらんでいます。
リスクがどの程度になるのかに関する実証データなどは一切ありません。
ただし、古来より伝わるスピリチュアルな行為なので、思わぬことが起こるかもしれないという自覚だけは失ってはなりません。

5-3常に基本に従っておこなう

リスク回避のための安全策は、なによりも基本に忠実で正しい方法に則ることです。
ルーン魔術を安全に進めるためには、以下の3点へとくに注意を払うとよいでしょう。

● 無理な願望ではなく、現実的な目標を設定する
● 体調が優れない状況では魔術をしない
● 時折、経験豊富なルーン魔術師からのアドバイスや指導を受ける

自己流による勝手な判断では、ルーン魔術をしないように気をつけましょう。

ルーン魔術の事例3つ

ルーン魔術をおこなうのは、実際のどのような状況の場合なのでしょうか。
ここでは、基本となるルーン魔術の事例として解説していきます。

6-1ルーン占いを通じておこなう

ルーン魔術というよりも、ルーン文字を使用した占い術は最もポピュラーな方法です。
自分の運命や未来の予測をするために実施します。
西洋タロット占いと双璧をなすほど、ルーン占いも今ではすっかり人気となりました。
特定のルーン文字を引き当て、それぞれの意味を解釈しながら、個人の運命や選択肢について洞察を得ます。
方法も複数あり、単体でおこなうことやルーンカードによる複数(ツーカード・スリーカードなど)での占い方法がありおすすめです。
ルーン魔術の入門者としては、まずルーン占いから入ると理解しやすいでしょう。

6-2保護・守護のアイテムとして活用する

自分の身の保護・守護のアイテムとする
先述にもしてあるように、特定のルーン文字やシンボルの組み合わせによって、お守り的な役割を果たしてくれるのも特徴です。
自己および他者を保護するとされ、悪い影響から身を守る呪文や儀式があります。
ルーンによるお守りは所持しやすく、アクセサリーとしての機能にもなるのでおすすめです。

6-3願望成就の縁担ぎとして利用する

ルーン文字の複数の組み合わせによって、特定の目標や望みを達成する呪文や魔術的な実践ができます。
自分が到達したい目標や望みを具現化し、成功に向けてのエネルギーを引き寄せる手段として用いられます。
縁担ぎのアイテムとして機能するということです。

ルーンに役立つおもな民間資格

ルーンの魅力を知り、ルーン魔術の知識を深めたいと考えている人は、なるべく関連する民間資格の取得を目指していけば、さらに興味は深まり相乗効果となります。
ここでは、ルーン魔術周辺にも応用ができる民間資格を紹介しましょう。

7-1ルーン占い師資格

ルーン占い師資格は、古来より伝わるルーン文字の歴史への理解から始まり、占い技術に至るまでのルーン占いの幅広い知識と技術が証明される資格です。
北欧のルーン文字に隠されている神秘性、その意味と解釈、実践的な占いでの質問に対する適切なリーディング能力が養われます。
資格取得後には、ルーン占い師としての知識を駆使しながら、問題解決・未来暗示のためのサポートができる専門家の道へ進むことが可能です。
ルーン占いのセッションや個別相談を提供する占い師の立場になって活躍できるでしょう。

7-2ルーン文字リーダー®資格認定試験

ルーン文字リーダー®資格は、北欧ゲルマン民族に伝わるルーン文字を使う占いで、必要な知識や技術を認定します。
ルーンによる占い方法、具体的な各ルーンの意味、リーディング方法を中心に、フェオ・ウル・ソーン・アンスールなど全25のルーン文字について学習ができるプログラムです。
また、ブランクルーンを加えた意味やルーン占いの読み取り方、位置関係などを学べます。
恋愛・仕事・将来展望など各シチュエーションごとの解釈方法も認識できるでしょう。
資格取得後には、ルーン占いの知識と技能が得られるので、ルーン占いの専門家として活躍が期待できます。

7-3天然石鑑定士資格認定試験

天然石鑑定士資格とは、天然石の種類・色・産地・硬度・取り扱い方法・浄化法などの理解や、各天然石に秘められた意味、効果、選び方についての知識を認定する資格です。
パワーストーンと呼ばれる天然石は現在人気が高く、その特徴や力を理解すれば、恋愛や仕事、人間関係、金運、健康などのサポートに役立つでしょう。
また悩みを相談したい人に適切なアドバイスをすることができるセラピストを認定する資格でもあります。
資格取得後は、天然石鑑定士としての講師活動・ワークショップ・実践的なセッションをすることができます。

まとめ

ルーン魔術は、北欧神話の中に登場する神秘的なルーン文字による古代からの儀式です。
ルーンには、宇宙との調和や自然の智慧を表し、各ルーンの象徴的な意味を解釈することで、人生課題や方向性を明らかにできるとされています。
まずは、ルーン文字の意味を理解して、自分と照らし合わせながら直感力を養うことが重要です。
幾何学的な形状でシンプルなものですが、それらが木・石・金属などの自然物に刻まれ複合的に活用されると、独自な神秘性が込められて深みが増していきます。
また、ルーン魔術とも類似したルーン占いが今は人気になっているので、興味のある人は、ぜひ実践してみるとよいでしょう。
最初はルーンの特性や一つずつへの理解が必要ですが、自分の人生観を深めていけるよい機会になるので、古代の知恵を現代に活かせるアイテムとして、ぜひ挑戦してみてください。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
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