
タロットカードとは、自分の内省や成長を確かめられる役立つツールです。
とくに占い・自己啓発の分野にて活用されてきました。
タロットカードには2つの種類があります。
カード各位には異なった意味合いと役割を担っているのが特徴です。
読み取り方によって、相談者の内面のメッセージを顕在化させながら、適切な判断をする手助けをしてくれるでしょう。
本記事では、タロットカードの概要についての解説をしていきます。
タロットカードの基本的内容と、各カードに秘められた種類と意味、具体的な使用方法などの特集です。
これから、タロットカードをやってみたいというビギナーの人は、ぜひ参考にしてみてください。
タロットカードは、15世紀頃の中世イタリアの時代が起源とされています。
当時の貴族の間で遊ばれたカードゲームとして誕生したとされ、その後、占いの側面がクローズアップされて現在に経っています。
タロットカードは、大アルカナ22枚 ・小アルカナ56枚の合計78枚のカード構成です。
全78枚を駆使して占いなどに活用されます。
では、さらに詳しく解説していきましょう。
タロットカードを理解するためには、まず「タロット占い」のことを認識する必要があります。
元々のタロットカードの発祥は、単なるカードゲームの一つとして登場しましたが、いつしか「タロット占い」として成立するようになり、占いのアイテムとしてのほうが一般的に普及したからです。
カードそのものは比較的シンプルなもので、各カードの持つ意味合いや操作手順などを理解すれば、特別に霊的なセンスなどなくても占うことができます。
どうしても占いの一般的な考え方では、特殊な能力を持った占い師だけがおこなえる儀式めいたことを思いがちです。
しかし、タロットカードの占いは決してそのようなことはありません。
カードの扱い方をマスターし、深い洞察力さえ磨いていくことで成立できます。
しかし、近年では敷居の低い占い術であることで、タロットカードを使う占い師の中には、相応しくない性格の人物も目立ってきました。
流行りの占いに食いつくだけの浅い性格ではなく、心から貢献心を備えた人物として向き合えるよう、日頃からの人間性が問われます。
タロットカードは、全78枚のカードから構成され、さらに「大アルカナ」と「小アルカナ」と呼ばれる2つのカテゴリーに分類されます。
大アルカナは22枚に区分され、人生の価値観、意識変化などを象徴するものです。
おもに、愚者・魔術師・女帝・皇帝・恋・死神・太陽といった絵柄と意味があり、人生の局面や大局観を表しています。
一方で、小アルカナは「スート」と呼ばれる、タロットカード独特な4つのシンボルが描かれ、それぞれ14枚の構成です。
日常生活で起こり得る具体的な出来事や、日々の感情や行動パターンを表現しています。
4つのスートは、ワンド(棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(金貨)の絵柄があり物質的なことや感情、知性、エネルギーなどの側面を表しているカードです。
これらの大アルカナと小アルカナの組み合わせによって運勢を読み解くことにより、人生を総合的に判断して未来を示唆します。
タロットカードは、複雑な人生観を占うことが可能です。
タロットカードの大アルカナには0番〜21番までナンバーがあり、人生での重要なおこないや人格の特徴を表現します。
やがて来る可能性が高い人生の転機や価値観への気づき、意識改革を象徴するような意味合いを含めているものです。
代表的なカードとしては、愚者・魔術師・女教皇・女帝・隅・力・隠者・運命の輪・正義・吊された男など、かなりユニークな描写が目立ちます。
人生の深層心理、人間の本質的側面を表すカードです。
小アルカナは、4つの「スート」と呼ばれる区分になっています。
各スート14枚のカード構成で、日常生活での具体的な事象やその時の感情、行動パターンなどを表すものです。
4つのスートは、金貨・聖杯・剣・杖の図柄があり、エース・2〜10までの数字・男女の宮廷カードという構成になっています。
コインのスートは、物質的側面や金銭的問題、実用性を表し、カップのスートは、感情、愛、創造性に関するメッセージがこめられているものです。
剣のスートは、知性、意思、コミュニケーションを示し、杖のスートは、エネルギー、行動力、野心を表現しています。
大アルカナのカード群と組み合わせながら、将来の展望などを読み解き、より総合的判断を目指していくカードです。
タロットカードの大アルカナには、人生のテーマや教訓を示唆する絵柄が描かれています。
それぞれが深い意味が込められ、タロット占いの中核を担う重要な役割です。
精神的な成長や運命の流れなどが暗示され、各カードが持つ象徴によって、占い師はさらに深い洞察を与えるという流れが生まれます。
ここでは、大アルカナの深層的な意味、解釈などを詳しく解説していきます。
大アルカナの前半のカードは9枚で、各々に人生の初期段階のことや成長についてが示唆されています。
前半のカードとは、以下の絵柄と意味合いです。
● 愚者・・・タロットの最初のカード、無限の可能性と新しい始まり、リスクと勇気
● 魔術師・・・行動を起こすよう示唆するカード、創造力・意思の象徴、自分の能力
● 女教皇・・・知恵と直感、内面的な理解、冷静な判断の重要性を示唆
● 女帝・・・豊かさ・母性、創造性、家庭の安定や愛情
● 皇帝・・・権威や安定、秩序や規律を守る重要性、支配者、統率力
● 教皇・・・伝統や精神性、宗教的な教え、道徳的な価値観、師・導師の存在
● 恋人・・・選択、愛、パートナー、感情的なつながり、人間関係、人生での選択
● 戦車・・・決断力。勝利、前進、自分の道を進む、成功へのステップ
● 力・・・内面的強さや忍耐力、冷静さ、内なる力
これら前半のカードは、人生における初期段階の試練や出来事、内省を促す象徴とされています。
大穴カルの後半とされているカードは、文字通り「人生の後半」のことが中心です。
深い精神的成長、内面の探求について示唆します。
おそらくこれから経験しそうな、高度な変化や人生の転機についてです。
大アルカナの後半カードには、以下の絵柄と意味合いがあります
● 隠者・・・内省、孤独、自己探求、瞑想、真実に向き合う
● 運命の輪・・・変化と運命の巡り、人生が変動すること、運命を受け入れる姿勢
● 正義・・・公正さ、バランス、正しい評価、公正な判断
● 吊された男・・・自己犠牲、新しい視点、一時的な停滞と成長、新しい視野
● 死・・・終わり、新しい始まり、何かを手放す、変化
● 節制・・・バランスや調和、中庸、偏らないよう注意
● 悪魔・・・執着、誘惑、欲望、依存、解放への道
● 塔・・・急激な変化、破壊、安全も崩壊、新たな成長の機会
● 星・・・希望、癒し、安らぎや回復、未来への希望
● 月・・・不安、迷い、潜在意識や夢に対する洞察、隠れた真実
● 太陽・・・成功。幸福、喜び、明るい未来、繁栄、努力の成果が実る
● 審判・・・復活、再評価。選択の振り返り
● 世界・・・完成、達成、努力の実り、人生の一つのサイクルが完結、新しい旅立ち
大アルカナの後半のカードは、ある程度の人生を歩んだ後に得られる深い洞察や転換点を象徴します。
改めて自己の成長を果たすための見直しと、新しい道を暗示するカードです。
タロットカードの小アルカナとは、普段の細かな側面、日常的な内容、普通に沸き起こる感情を象徴したカード群です。
大アルカナが示すものが、人生のテーマや転機などの大きな局面であるのに対して、小アルカナでは。身近な状況、個人的で些細な描写が表出します。
毎日の生活で取捨選択することや感情の動きを反映したものです。
ここでは、小アルカナの4つのスートの特徴や、各スートが象徴する内容について解説していきます。
小アルカナでは、4つのスートと呼ばれる分類がされています。
それぞれワンド(杖)、コイン(またはペンタクルス)、カップ(聖杯)、ソード(剣)に分かれ、特定のエネルギーやテーマを象徴したものです。
スートの違いにより、タロットカード全体が描き出す本質を決定させます。
各スートの持つ象徴や性質は、以下のような内容です。
● ワンド(杖)・・・行動、創造力、意志、エネルギー、アイデア、リーダーシップ
● コイン(またはペンタクルス)・・・富、仕事、財産、健康、現実的成果
● カップ(聖杯)・・・感情、人間関係、愛情、心の状態、家族や友人との関係
● ソード(剣)・・・知性、思考、意思決定、論理的判断力、コミュニケーション
小アルカナは、日常で直面する具体的なことや選択を反映しています。
仕事、家族問題、友人関係の葛藤など、生活圏内で起こり得る状況を描いたものです。
スートの意味合いを理解しつつ、日常的な課題に対するアドバイスやヒントが得られます。
小アルカナのスートから考えられる日常的なことは、以下のとおりです。
● ワンド・・・新しいプロジェクトに取り組む際、目標を意識したときなど
● コイン・・・昇進や給料の問題、経済的安定での問いかけ
● カップ・・・恋愛や家族との関係でのアドバイス
● ソード・・・意思決定の場、冷静な判断が必要な時、コミュニケーションの場
小アルカナは、現実的にどう行動するべきか、気をつけるべきかなどの具体的な指針を示してくれます。
タロットの起源についての正確な出どころははっきりしていません。
実際に世界各地では、古くからイラストを描いたカードが誕生しました。
中でも濃厚な説として、ヨーロッパでの貴族の遊びだったというものがあります。
また、世界各国でいろいろな趣向を凝らしたカードが登場し、今では無数に存在しているほどの人気ぶりです。
それらの無数の中から、自分に合ったタイプのカードを選んで活用すればよいでしょう。
ここでは、代表的な種類のタロットデッキを解説します。
ライダー版タロットは、別名「ウェイト版」とも呼ばれているものです。
1909年、アーサー・エドワード・ウェイトという人物により考案され、画家のパメラ・コールマン・スミスによって図柄が描かれました。
その際の発売元が「ライダー社」だったことから、そう呼ばれています。
ライダー版の大きな特徴は、神秘主義に則ったデザインで、独特な絵柄を模倣していることです。
現在多くの市販されるタロットカードは、ライダー版を原型としてアレンジをしたものばかりなので、一番浸透していると思ってよいでしょう。
タロットカードをこれから始めたい人やビギナーは、まずライダー版を手にとってマスターすることをおすすめします。
マルセイユ版タロットは、16世紀〜18世紀の間で流布していた木版画調のイラストが採用されたカードです。
歴史があるデザインで、ヨーロッパでの印刷技術の発達とともに登場しました。
おもにフランスのマルセイユ地方で大量生産されたため、この名称が付けられています。
タロットカードの基軸といえるでしょう。
ほとんど、カード構成などはライダー版と変わりはないのですが、決定的な違いは、大アルカナの8番と11番が入れ替わっている点です。
また、小アルカナの数札には具体的なイラストではなく、数字表示だけのシンプルなデザインに仕上がっています。
トート版タロットは、魔術師アレイスター・クロウリーにより作成され、1969年に登場したカードです。
比較的新しいカードでもあります。
他のタロットカードと比較すると幻想的かつ魔術的な絵柄が特徴です。
原則としてはライダー版と同じ構成ですが、正位置や逆位置などでの意味の取り方に独特な読み方が存在する点で違っています。
ヴィスコンティ・スフォルザ版タロットは、15世紀前半に登場したもので、現存する最古のタロットカードです。
現在では、復刻版として販売されています。
タロット占いに使用することも可能ではありますが、元々が遊戯用カードだったためあまり占いで使用することはありません。
多くの場合、コレクションの一つとして所持するマニアが点在します。
タロットカードの使用のメインは、占術の一つとされています。
しかし、個人の成長や自己理解、心理的サポートといったコンサルタント的な利用にも役立つでしょう。
カードの出現によって連想されるメッセージで、問題の核心や深層心理にアクセスします。
ここでは、タロットカードの主な方法について解説していきましょう。
タロットカードは、元々貴族の遊戯用カードとして誕生したものですが、徐々に占いができるツールとしても親しまれ、それが今では主流となっています。
占い方法としては、スプレッド(カードの並べ方)に無数のパターンがあり、それに則りながら進行していきます。
タロットカードの占い師になる場合には、スプレッドへの深い知識と洞察力を磨いていく必要があり、相談者には出現するカードを通じながらの未来予測や、現状を深く理解するサポートをしていきます。
そのため、表面的なカードの意味合いに照らし合わせるだけではなく、現在の相談者の状況や背景に潜んでいる本質なども読み解く洞察力が問われるでしょう。
問題の核心などの見えにくい場所や、潜在意識を引き出せます。
タロット占いにはいくつもの方法がありますが、一般的なのが、カードを特定の配置で並べ、それぞれの特定の意味を解読する方法です。
「ワンカードリーディング」「3枚引き」「ケルト十字スプレッド」などは、ポピュラーな方法として知られています。現在の状況と原因、未来への可能性をそれぞれのカードが暗示するものです。
もちろん偶然的な配列・配置が考えられるでしょう。
しかし、それと直感との関連性は全く解明されていないため、占いとして長い時間をかけて成立してきました。
タロットカードは、占いのツールという見解が一般的ですが、近年では心理療法・カウンセリングの一環として活用され始めています。
タロットが導き出す暗示から、自己理解・内面的課題などへ着目させ、課題に取り組むためのツールというポジションで使われ始めました。
心理的な問題や感情の葛藤への解決策・アドバイスのために利用されています。
セラピーに用いる場合、カードの象徴が示すメッセージを通じて、相談者自身が特定の問題に直面していることに改めて見なしをさせ、出現したカードが象徴するテーマやメッセージを読み解き、心の中の潜在した意識へアクセスさせることが目的です。
利用する際には、タロットカードから導くものを、洞察を引き出すきっかけとして捉えることが大切です。
あくまでもアドバイスであり、占いのような吉凶を示すものではないという理解をしてもらうようにしましょう。
出現したカードの意味合いで一喜一憂するのではなく、自己を見つめ直すためのアイデアやアドバイスであることを意識するという点です。
例えば、「死」のカードが出てしまうと、一般的にネガティブな印象で落ち込みやすいものですが、セラピーとしての解釈をすれば「変化・再生」を意味します。
過去の問題との決別であり、新しいスタートへのチャンスがあるのだとアドバイスすることができます。
このように、タロットカードでのセラピー及びコンサルタント的な扱い方は、自己理解のプロセスの一環として、相談者の成長や精神的成熟を促すためのツールとして成立するものです。
直感や感覚を大切にしながら、カードの解釈をする点では占い的ではありつつ、結果として自己成長への促進となるようにアドバイスするようにしましょう。
タロットカードといえば、運勢占いをするツールとしておなじみになりました。
しかし、近年ではさらに堅実なセラピー用・コンサルタント用のツールでも活用し始めています。
大アルカナと小アルカナの、全78枚のカードを駆使しながら、相談者の悩み・課題などへの具体的な質問について、カードが導く絵柄を読み解きながら、適切なアドバイスをする手法です。
大アルカナが人生の大局観を予想する役目であり、小アルカナが普段の生活や現状を示唆しています。
自分の課題について改めて自覚し、今後どのような言動をするべきかを紐解くものです。
出現したカードの絵柄から、深い洞察力でサポートしていく必要があります。
これからタロット占いを始めたい人は、まずはライダー版タロットカードを検討して、始めてみるとよいでしょう。