
タロット占いでは、カードの並べ方のことを「プレッド」と呼んでいます。
スプレッドは重要な工程の一つで、種類や特徴によっては、占いの質問と回答の関係性にも影響を与えるものです。
タロット初心者にとっては、スプレッドは課題の一つかもしれません。
しかし、スプレッドの特徴を理解しなければ、質問内容に合わせて最適な回答へ導き出すことが難しくなります。
スプレッドの種類では、簡単な3枚引きのスプレッドを中心にさまざまな方法があり、徐々に複雑なものへ移行して慣れていく学習がおすすめです。
タロットカードのスプレッドを理解し的確なアドバイスができるようになれば、未来への展望をしっかりと導けるでしょう。
本記事は、タロットカードの並べ方であるスプレッドの基本を解説します。
これからタロットカードを始めたいビギナーの人は、ぜひ参考にしてみてください。
タロットカードでの占いでは、カードの並べ方に気を配る必要があります。
並べ方のことをスプレッドと呼び、さまざまな種類の中から、占い師が使い分けていく流れです。
タロット占いとスプレッドは、切っても切れない関係性と思えばよいでしょう。
では、さらに詳しく解説していきます。
スプレッドとは、タロットカードの世界での独特な表現で、カードの並べ方のことを指します。
タロットカードのスプレッドには種類がたくさんあり、各スプレッドの特徴や効果などをできるだけたくさん知っていたほうが、より占い術も豊富な展開ができます。
また、スプレッドは「展開法」と呼ばれることもあるので、この呼び方を合わせて覚えておきましょう。
スプレッドの効果としては、タロットカードが本来備えている力を引き出しやすくなることです。
質問に対するカードからの回答も理解しやすくなるでしょう。
質問したい内容によってスプレッドを変えていくことでも、占いの的中率を高めるのに貢献できます。
効果的な占いを目指して、どのスプレッドが向いているのかなどを知識として持っていれば、占い師としても本格的な存在です。
いよいよここでは、タロットカードのおもなスプレッドの種類について解説します。
スプレッドは無数に存在するので、全部を紹介することは難しいものですが、中でも代表的なものと、できれば知っていて損はないスプレッドを紹介していきますので、参考にしてください。
ワンオラクルは、その名が示すように1枚のカードで占う、極めてオーソドックスなタロットのスプレッドです。
占いの目的に合わせながら、現状や気持ち、今後の展開などを把握し、見通しを得ることができます。
具体的な方法としては、まず現在の状況について思いながらカードを1枚引き、今の自分の感情や状況を知ることからスタートです。
対処法があるかを読み取り考察していきます。
また、未来への見通しを得る場合も同様に、最初に思いをカードに伝え1枚引いて解釈する方法です。
たった1枚のカードから何が示唆されているのでしょうか。
これからの展開を予測できるスプレッドです。
このように、ワンオラクルは簡単なスプレッドではありますが、1枚のカードの中に深い意味が込められているので、カードの絵柄や意味を丁寧に観察して直感に従って解釈するスキルが要求されるでしょう。
ワンオラクルは単純ながらも強力な占い方法です。
ツーオラクルとは、ワンオラクルの複数形だと思えばよいでしょう。
同じように、2枚のタロットカードを引くスプレッドです。
ただし、カードが2枚になることで、出現した絵柄の意味合いを組み合わせ解釈することになります。
そのため、現状と未来の展開をより詳細に知ることができるでしょう。
方法としては、1枚目のカードで現状を把握し、2枚目のカードでどのようにこれから展開していく見通しなのかが表現され、総合的に判定をします。
2枚のカードを組み合わせるため、ワンオラクルでのシンプルな占いよりも、立体的な情報となって解釈が可能です。
初心者であれば、ワンオラクルとともにツーオラクルにもぜひトライしてもらい、そのテクニックを身に着けてください。
タロットの基礎学習の上で、重視されるスプレッドです。
ツーマインドも、2枚のタロットカードによるスプレッドで、ツーオラクルと類似しています。
ただし決定的な違いは、占う際の内容です。
1枚目のカードでは、「意識」について、2枚目のカードは「無意識」のことを示唆しています。
自分の内面にある二面性を把握するのに活用できるスプレッドです。
たとえば、1枚目のカードの絵柄が理性・冷静などの姿を表していても、2枚目のカードが情動的・衝動的な絵柄であれば、双方の二面性を示している可能性があります。
このギャップや葛藤を把握しながら、さらに深く内省を知っていくことができる方法です。
ツーマインドのスプレッドは自己理解と今後の行動の指針を得られるでしょう。
予想外なカードが出現するかもしれませんが、そこに気づいていける自己発見につながるスプレッドなのです。
シンプルクロスとは、5枚のタロットカードを使うスプレッドです。
カードの配置を十字の形にすることでこの名称がつきました。
1枚目のカードは現在の状況を表し、2枚目のカードはその状況の原因、3枚目のカードは現在の課題や障害、4枚目のカードはその課題への解決策、そして最後の1枚目では、未来の展開や結果を示しています。
シンプルクロスは、現在を起点にして背景・直面する問題・対処法、未来についてのアドバイスといった全体像を浮き彫りにしてくれるのが特徴です。
一見難しそうに思えますが、慣れてくれば初心者でも取り組みやすいスプレッドなので、基本的なカード占いの一つとされています。
タロット占いの初心者は、このシンプルクロスも覚えるよう取り組んでください。
やがて深い洞察力を得るのに役立ちます。
スリーカードは、3枚のタロットカードによるスプレッドです。
1枚目のカードが過去、2枚目のカードが現在、3枚目のカードが未来を表します。
スリーカードも、ツーカードのように複数のカードの組み合わせて読み解く方法です。
過去・現在・未来のすべての時系列にて、どのような人生を歩んでいるのかがひと目で分かります。
仮に1枚目の過去のカードが、あまりよくない意味合いのものだとしても、現在のカードが前進への好機を表すこともあり、未来のカードがさらに希望に向かっていれば吉報が舞い込む可能性を示唆するでしょう。
逆であれば、今後注意深く慎重に暮らすことに目を向けろというアドバイスにもなります。
スリーカードは単純構造ながら、時間軸に沿った視点による便利なスプレッドです。
スリーカードのスプレッドも、タロット占いの基本なので入門編としてください。
フォーカードは、4枚のカードを使うスプレッドです。
1枚目のカードが現在、2枚目がその状況の原因、3枚目が目標や希望、4枚目が目標達成のための提案や助言を表現しています。
現状分析と目標設定、目標に向かうための道筋を占うのに最適なスプレッドです。
現在抱えている問題や課題があれば、その背景に注目し解決方法を示してくれます。
それと同時に、未来像を描き具体的な行動指針をアドバイスすることができるので、人生の転機や重要な決断があるような状況で占うとよいでしょう。
もしかしたら意外な展開を含むことがあるかもしれません。
それも魅力の一つとして捉え、自分では気づかなかった可能性に向き合えます。
フォーカードで、人生に対する理解を深めることができるでしょう。
ジュピタースプレッドは、計12枚のカードを使うスプレッドです。
そのため占い対象となるテーマや問題へ、多角的な分析ができます。
1枚目のカードが現状、それ以外の11枚のカードが以下のような内容です。
● 2枚目・・・現状の背景
● 3枚目・・・内面的課題
● 4枚目・・・外部からの影響
● 5枚目・・・目標と希望
● 6枚目・・・目標達成への行動
● 7枚目・・・障害
● 8枚目・・・サポート
● 9枚目・・・避けるべきこと
● 10枚目・・・潜在能力
● 11枚目・・・未来展望
● 12枚目・・・全体的アドバイス
ジュピタースプレッドでは、状況についての多くの側面を詳細に分析します。
人生におけるさまざまな視点を得られるのが特徴です。
決断を強いられる状況・転換期や複雑な問題を抱えている時に占ってみるとよいでしょう。
ギリシャ十字スプレッドは、10枚のタロットカードを使うスプレッドです。
縦横に並べた10枚のカードは、テーマを複数の視点から捉えてヒントを与えてくれます。
中央の1枚目のカードは現状で、その周りに以下のように配置するルールです。
● 上部3枚・・・過去から考えられる影響
● 右側3枚・・・外的要因
● 下部3枚・・・未来展望
● 左側3枚・・・内面的課題
ギリシャ十字スプレッドは、総合的にものごとを把握するのに適しています。
過去・現在・未来の流れを総合的に理解でき、さらに縦横の配置によって外的要因と内面を明確に表現するのが特徴です。
人生の岐路に立たされていると感じた時や、何かを深く考える必要がある時に占ってみてください。
ピラミッドスプレッドは、計7枚のタロットカードを使った奥深いスプレッドです。
カードを積み重ねて配置することから、ピラミッドのようなのでそう呼ばれています。
現在の状況を起点にして未来への展望までを段階的に占う方法です。
1枚目が現状、その上に2枚目、3枚目と重ねらていきます。
● 2枚目・・・内面的影響
● 3枚目・・・外部からの影響
● 4枚目・・・状況を乗り越えるための方法
● 5枚目・・・未来の姿
そして、6枚目と7枚目のカードは、全体を総括するアドバイスです。
6枚目は警告・注意、7枚目が全体の展望を表します。
タロット初心者でも慣れれば比較的取り組みやすいスプレッドです。
また、7枚を使うことで多すぎず少なすぎない丁度よさが魅力となっています。
ある特定の問題や状況があり、段階的に掘り下げたい場合に最適です。
ピラミッドのスプレッドも、ぜひ早いうちに覚えて活用できるようにしましょう。
ダビデスターは、6枚のタロットカードを使った六角形の配置をするスプレッドです。
ユダヤ教やキリスト教でのシンボリックな象徴「ダビデの星」の形を表現しています。
中央1枚目のカードが現状を表し、その周りへ6枚が配置されるルールです。
上部2枚・・・過去からの影響
左右2枚・・・現状に対する内的・外的要因
下部2枚・・・未来への展望
ダビデスターは現在の状況を中心にしながら、時間軸を総合的に捉え、六角形の配置で問題の根源から解決策をバランスよく把握できるのが特徴です。
また、カードの位置関係で、状況の全体像や変化・大きさを理解できます。
現状を多角的に分析し回答を得たい時、今後最善の行動を見出したい時に役立つでしょう。
ヘキサグラムは、計6枚のタロットカードを六角形に配置するスプレッドです。
上述のダビデスターと同様に、六角形が特徴的で、中央のカードが現状を表し、その周囲に上下左右前後の6枚のカードを配置します。
● 上カード・・・精神的・霊的側面
● 下カード・・・物質的・現実的側面
● 左カード・・・内面的要因
● 右カード・・・外部からの影響
● 前方・・・短期的展望
● 後方・・・長期的展望
6枚を駆使してさまざまな角度から全体像を把握できるでしょう。
上下左右前後の6つの視点からバランスの取れた総合的理解が得られます。
また、六角形の配置から、各カードの関係性も把握しやすくなります。
二者択一は、2枚のタロットカードで、2つの選択肢をするシンプルなスプレッドです。
配置は、中央に1枚カードを置き、その左右にそれぞれ1枚ずつカードを置きます。
左側のカードが一つの選択肢、右側のカードが他方の選択肢を示唆するものです。
中央に置かれたカードは、2つの選択肢の総合的意味を示します。
簡潔な構造なので、迷いや葛藤を覚えた状況に最適なスプレッドです。
2つの選択肢により、長所・短所を把握できて初心者でも扱いやすいでしょう。
欠点があるとしたら、選択肢が2つであることなので、それ以外の選択の可能性を見落とす恐れがあります。
よって、状況に応じながら他のスプレッドを組み合わせるようにするとよいでしょう。
ホースシューは、計7枚のタロットカードを馬蹄形に並べるスプレッドです。
中央のに置くカードが現状、その周りに6枚のカードを並べます。
上側のカードでは精神的・理想的側面、下側のカードは物質的・現実的な側面が出現し、左側のカードは内的要因、右側のカードは外的要因です。
状況をさまざまな視点から解釈し、上下左右の各カードで状況を分析できます。
また、馬蹄の形状のため、現状が変化する様子を循環した形で表現し予測をひと目で占えるのがメリットです。
ホースシューは、人生の複雑な状況を総合的に解釈し、解決策を導き出すために活用できます。
セブンデイズは、計7枚のカードを使うことと、1週間(7日間)に見立てた配置をすることでスプレッド名となりました。
中央のカードが現状、その周りに左から月曜日から日曜日に見立てて配置します。
各曜日のカードでその日の出来事・感情の変化を表し、週前半と後半を比較できて、状況の変化や推移を把握できる点が特徴です。
1週間単位での占いのため、短期的スパンでの問題や課題への解釈に向いています。
わりと堅実的な占い方法といえるでしょう。
生命の樹とは、10枚のカードを使い、「生命の樹」の図式に従って配置するスプレッドです。
上から下に向けて配置し、最上部「冠」は精神性・理想を示し、最下部「根」が物質性・実際の行動を表します。
それ以外の8枚は、木の「幹」という見解をする配置です。
左側は内面・無意識、右側は外面・意識を示します。
中央のカードは、全体的統合を司り、 人間存在をテーマに総合的に占うことが可能です。自身の成長、自己実現の過程などを分析するのに最適なスプレッドといえます。
変形ヘキサグラムとは、計6枚のカードを六角形に配置するスプレッドです。
中央のカードは現状況を表し、その周りへ6枚のカードを並べます。
上のカードは長期的目標・理想、下のカードは実際の行動と結果、左右のカードはそれぞれ内的要因と外的要因という配列です。
この配置から、現状を基点にした6つの側面を解釈し、問題・課題の原因や影響について分析できます。
六角形の形状は、循環や動的性質を表現し、過去〜現在〜未来への流れと変化を示唆したものです。
ホロスコープは、12枚のカードで12星座に見立てて配置するスプレッドです。
中央のカードは現状況を意味し、その周辺に12のカードを円形に並べます。
各カードが、星座を示し個人の性格傾向・潜在能力、今後の展開などを総合的に判定するスプレッドです。
一般的な12星座としても、一年を象徴する意味でも、時間の流れなどで状況の変化を予測できるでしょう。
日々の自分の運勢を占ってみる時におすすめです。
ファランクスは、計16枚のカードを使用するスプレッドです。
数年後の運勢をカードに聞久野に最適な方法で、1枚目を一番右端、2〜4枚目までをその横へ一列に並べます。
ここまでを1段目にして、5〜8枚目が2段目、9〜12枚目が3段目、13〜16枚目が4段目という構成です。
● 1~4枚目までは現状
● 5~8枚目までは1年後
● 9~12枚目までは3年後
● 13~16枚目までは5年後
全4段に分けてそれぞれの年数での運勢を占うことができます。
また各カードは、右端から恋愛運・金運・社会運・健康運を暗示したものです。
総合的な運勢を数年先に至るまで読み取れる便利なスプレッドなので、ぜひ体得するようにしておきましょう。
タロットカードの並べ方は、一定のパターンとルールがあるので、必ず基本をしっかり覚えて実践を繰り返しながらマスターすることをおすすめします。
また、複数のスプレッドを併行しながら、さらに多様性に富んだ占いをするとよいでしょう。
そのためにも、リーディングに欠かせない直感力を磨くことが重要ですし、数多くの実践を試みながら、時には失敗するのも成長の一つとして捉えてください。
タロットデッキそのものとスプレッドには意思があるものと捉え、正規なルールに則って厳粛におこなうことがポイントです。
まず、タロットカードの初心者であれば、ワンオラクル・ツーオラクル・ツーマインド・シンプルクロスあたりの作法を、自分のものとして会得することを目標にしてみましょう。
決して焦る必要などないので、一つのスプレッドを完全にマスターするよう計画的に進めていくことをおすすめします。