タロットとは?占いの基本的な知識

タロットとは?占いの基本的な知識

記事作成日:2025.05.28

タロット占いは、15世紀のヨーロッパから発祥した「タロットカード」によって占う方法です。
世界的にも認知されて愛好家の人口も多く、今では人気のアイテムとして定着しました。
徐々に、タロット占いを始める人も増えているといいます。
では、タロットの基本とはどのようなものなのでしょうか。
よく大アルカナ・小アルカナといった言葉も耳にしますが、その意味や他の占いとの関係性なども知っておくことが重要です。
本記事では、タロットに関する基本概要を解説します。
スプレッド、リーディングについてなど、タロット占いのベーシックなものを紹介しながら、神秘的で奥深いタロットカードの世界観を知っていただく内容です。
これからタロットカードについて学びたい人や、タロットで占ってみたいことがある人は、ぜひ注目してください。

目次

タロット占いとは何か

タロットとは、全部で78枚のカードを使用し、各カードに描かれたイラストには意味が込められています。
それらのカードを並べながら、ストーリー立てて時系列で占うような方式です。
タロットカードに描かれている絵は、「死・力・世界」など、すべて異なった事象が表現され、そこに描かれる絵柄自体は、すでに昔から決められています。
タロットカードの占い方には無数に方法があるので、最終的には自分が最もやりやすい方法を見出して、その時々の運勢などを調べていくやり方です。

1-1選んだカードは必然とみなす

タロット占いは、必ずカードを引きますが、選んだ図柄とその状態から意味を見出します。
選んだカードは偶然に出現したものとは考えず、選んだ相談者の潜在意識によって導き出したという前提です。
必然性をもたらすのが、タロット占いの基本的な考え方といえるでしょう。
つまり、出てきたカードからは、その時に何らかの意味がありメッセージを告げているという読み方をします。
そのため、タロット占いでは、カードの出現方法を重視し、どのようにメッセージを読み取るかが問われるのです。

1-2タロット占いのおもな特徴

タロット占いの特徴としては、おもに以下のような内容が考えられます。

● 卜占(ぼくせん)の1つとして、偶然に現れたカードに意味を読み取る
● カードが「大アルカナ」と「小アルカナ」の2つのグループに分類される
● カードの絵柄の向き(正位置、逆位置)で意味が異なる
● 逆位置の意味は、基本的に正位置の逆の意味を成す

卜占(ぼくせん)は、古代から伝わる占い術で、自然からの兆しや物の動きを観察しながら、未来や運命を導き出す手法のことです。
まさしく、タロットでの占い方法は卜占に則っている方式といえるでしょう。

タロット占いの歩んだ歴史

タロットカードは、約200年前から人々の間で使用されてきたカードです。
前身と思われる数札のトランプは、元々アジアや中近東から発祥し、次第にヨーロッパへと持ち込まれて貴族の間に浸透したとされています。
現在最古のトランプと見なされているものは、13世紀に作られたものが現存しているそうです。
では、さらに詳しくタロットの歴史を見ていきましょう。

2-1最古のものは14世紀に誕生

タロットカードとしての最古のものは、14世紀に遡るとされています。
主に遊戯用として用いられ、1392年に誕生した「シャルル6世のタロット」が最古です。
しかし残念ながら、現存はしていません。
その次に古いものとしては、1415年の「ミンキアーテ版」です。
しかし、これも現存せず、後世に複製として作成したものが唯一あります。
その頃の、ミンキアーテ版のタロットカードは、配列順・名称・絵柄が現在の大アルカナとは異なっていて、当時はまだ配列などのルールがしっかりと確立されていない状態だったようです。

2-2現存するタロットカードは15世紀製

タロットカードの歴史上で現存するものは、15世紀半ばに北イタリアで製作された「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」です。
ルネサンス文化の時代、当時の上流層の心に響くような豪華な絵柄が印象的だといいます。
そんなタロットカードの絵柄は、さらに1650年代に入り、パリで発展しました。
「ジャン・ノブレ版」と呼ばれるものが誕生し、徐々に「マルセイユ版」として発展していきます。
18世紀に「マルセイユ版タロット」が流行りだし、よりタロットを神秘的な対象として扱うようになり、占いのために活用する文化が育まれていきました。

2-3エジプト起源説など他にもある

タロットカードの発祥について、エジプトを起源とする説もあります。
18世紀のフランスの作家、ジェブランが提唱している説です。
ただし、証拠となるものがないため断定できていません。
ロゼットストーンの発見などのミステリアスな風潮に加え、当時のヨーロッパでは、エジプトの古代文明には魅惑があったようです。
そのため、有力説として広まったとされています。
また他にも起源説が存在し、19世紀の神秘思想家エリファス・レヴィによるユダヤ起源説もその一つです。
これは、タロットカードの大アルカナの枚数とヘブライ文字との関係性によって提唱されたものですが、現在でもはっきりとした根拠は見つかっていません。
一方、中国の伝統的な占い方法「易」がタロットカードに変化し、西洋に伝来したという説もあるようです。
これも根拠は明らかになっていません。

2-4現在はウェイト版が主流

近年から現在に至って、ポピュラーになったのは「ウェイト版タロット」です。
イギリスの神秘家・作家・タロットカード研究家でもあったアーサー・エドワード・ウェイトによってデザインされました。
それまでのマルセイユ版の小アルカナは、スートと数字だけの単純な構造でしたが、ウェイト版タロットになってから、小アルカナのすべてのカードにも絵柄が施され、ストーリー性も考慮した内容です。
現在世界中で使用されているタロットカードは、多くがウェイト版をベースにしています。

タロット占いの基本的な構成

タロットが占いで使われた歴史は、まだ200年くらいです。
それでも、タロットに描かれたモチーフは何かを語りかけ、占いの手法として今ではポピュラーな位置を確立しています。
タロットの絵柄がもたらすイマジネーション、自由な発想の連鎖で、内在する感情を呼び覚ますことができるツールです。
人生に起こり得るドラマや現象などが縮図となっているのが魅力といえます。
ここでは、タロットカードの基本的な構成について解説していきましょう。

3-1大アルカナ(Major Arcana)

大アルカナは、総数22枚のカードで成立しています。
大アルカナが示唆することは、人生の大きなテーマ・重要な出来事についてです。
具体的なカードの絵柄としては、愚者・魔術師・女教皇・死神などが該当します。
タロット占いの世界観では、強い影響をおよぼし、相談者の精神的成長や人生の転機といった、運命に近いような大きな内容を暗示してくれるカードです。

3-2小アルカナ(Minor Arcana)

小アルカナは、大アルカナを除いた56枚のカードのことを指します。
これは、さらに4つのスート(種類)に分類されるのも特徴です。
それぞれのスートには、普段の生活上での出来事・状況が示されます。
各スートは以下のような分類です。

● カップ(Cups)・・・感情、関係、人間関係
● ペンタクル(Pentacles)・・・物質的なこと、仕事、金銭
● ソード(Swords)・・・知性、思考、葛藤
● ワンド(Wands)・・・行動、エネルギー、創造力

さらに、4つの各スートは10枚(1〜10)の数字カード・4枚のコートカードの計14枚構成となっています。
コート(court)とは、「宮廷」のことを意味し、4枚各位にはキング(王)、クイーン(女王)、ナイト(騎士)、ペイジ(小姓)の絵柄が描かれているのが特徴です。
タロット占いは、これらの各カードの意味を読み解きながら、相談者の質問や状況に応じながらリーディングします。
出現した状況、つまりカードの配置(スプレッド)も重要とされ、スプレッドによって占う内容が変化していくものです。

タロット占いでできる基本的なリーディング方法

タロット占いの手順は、カードをシャッフルして質問を思い浮かべながら相談者がカードを引き、その意味を解釈しながら占い師がアドバイスをしていきます。
その際には、スプレッド(カードの並べ方)のルールを理解し、各やり方に則りながらの展開です。
リーディングをする際のスプレッドには、以下のようなものが代表的です。

● ケルト十字スプレッド
● 三枚引きリーディング
● ホースシュー(馬蹄形)スプレッド

タロットカードの扱いでは、直感に基づいて解釈され、占い師の個性によっても解釈方法が異なっていきます。
ただし、基本的なカードリーディングについては、決められた絵柄の意味から解釈するので、極端に逸脱するようなことはないと思ってよいでしょう。
では、これらのリーディングについて解説していきます。

4-1ケルト十字スプレッド

ケルト十字スプレッドは、10枚のカードを使用する占いで、問題の原因や障害・過去から現在の状況・心の状態・未来の可能性など、オールラウンドに解釈することができます。
他にも「ケルト十字展開法」「ケルティッククロススプレッド」などの複数の呼び名が付けられた方法です。
過去の出来事が現在・未来へと与える影響についてや、自分や相手の心理状態についてを読み取れます。
カードの配列方法が特殊なので慣れるまでは練習を重ねたほうが良いでしょう。
しかし、一旦慣れてしまえば、ケルト十字はとても汎用性が高いため、応用が利きやすくメリットが多く見受けられます。
問題・課題の根底や、状況の展開がどう移り変わって未来を展望させるのかを、多角的に判定できるスプレッドです。

4-23枚引きリーディング

3枚引きリーディングも、タロットカードを使用した基本的な占い方法の一つです。
シンプルなやり方で、3枚のカードを引き、その意味を解釈します。
3枚の構成は時系列として解釈できます。

過去・・・最初の1枚目に引くカードは、相談者の過去に関連するエピソード
現在・・・2枚目のカードは、現状と相談者が直面する問題や課題
未来・・・3枚目に引くカードは、未来展開と結果、アドバイス

このように、極めて単純明快な方法なので、まさに直感的に委ねておこなわれます。
初心者でもすぐにできる占い方法なのでおすすめです。
ポイントは、引いたカードの意味を読み解くための洞察力の深さにあるでしょう。
質問者の状況なども柔軟に解釈する力量が問われます。

4-3ホースシュー(馬蹄形)スプレッド

ホースシュー(馬蹄形)スプレッドとは、タロットカードを馬蹄の形に並べることで、この名称がついています。
基本は7枚使用ですが、9枚のカードを使って占う方法もあり、特定の質問についての回答を導き出すのにメリットがあるとされている方法です。
具体的に一定のテーマを明確に決めてから、この占い方法での回答を見るとよいでしょう。
ホースシュー・スプレッドでの7枚の配置は、以下のような意味合いが込められています。

● 過去・・・過去の経験が、現状にどのように影響するのか
● 現在・・・現在直面している状況や問題
● 未来・・・近い未来に予測されること
● 障害・・・目標達成を妨げる障害
● 助けとなる要素・・・目標達成に役立つポジティブな要素やリソース
● アドバイス・・・これから取るべき行動や態度
● 結果・・・最終的に得られる可能性や結果
7枚のスプレッドで、多くのことが見いだせますが、より深い洞察を得たい場合は、さらに多くの要素(表面意識、中間意識、潜在意識)に細分化して占えます。

タロット占いでのリーディングのコツ

タロット占いでのリーディングは、慣れない初心者にとっては流れが上手く掴めず焦ることがあるでしょう。
ポジティブなカードとネガティブなカードの複合的解釈なども、どう読み取るべきかの判断に戸惑うかもしれません。
そこでここでは、タレット占いでの基本的なリーディングのコツを解説していきます。

5-1誠実な気持ちのまま直感で浮かぶ言葉を信じること

タロット占いのビギナーにとっての最初の難関は、カードを読み解く方法です。
出現したカードの意味合いから、相談者の立場に落とし込む際にどのような言葉を選んでアドバイスすれば納得してもらえるかに悩むことでしょう。
つい、良いことを伝えてあげようとして、無理な話を展開してしまう恐れもあります。
タロットカードの基本は、インスピレーションです。
ふと浮かんでくる言葉を大事にしたほうが、結局はよい方向に促されることのほうが多いといえます。
まずは、自分の気持ちに素直になって言葉を伝えてみるようにしましょう。

5-2全体の流れや印象を見て判断する

スプレッドの方法にもよりますが、タロット占いは複合的判断が大切です。
手順の全体をしっかりと見ながら、総合的判断を下すことに注力しましょう。
タロットカードの絵柄にはポジティブな意味のものとネガティブな意味のものとに別れますが、ついネガティブなものに敏感になりがちです。
マイナス面にばかり気を取られるのではなく、カード全体から受けた印象で見ていくということです。
明るい雰囲気のカードが多いか少ないか、あるいは逆も然りです。
どの部分を前向きに捉えるか、逆に注意が必要なことはないかも判定しましょう。

5-3普段からカードの解釈を柔軟に見るための努力をする

基本中の基本となるのは、全78枚のタロットカードの意味合いをしっかりマスターすることは言うまでもありません。
「愚者」「女帝」「太陽」などのカードに秘められた意味と思いを十分に理解するためには、日頃から解説書やテキストなどに目を通して勉強をし続ける必要があります。
とにかく基本が固まっていない限り、柔軟な発想や応用などはありえません。
確かに、カードの解釈は直感だといいましたが、直感というのは熟練した者がやっと切り開いて閃くものを指すのです。
ろくにカードについての知識のないまま閃いて、たまたま当たったとしても、それは偶然かビギナーズラックと呼ばれる一時的なことに過ぎません。
1年も経っていない未熟な者がすべてを見切ることなど、この世ではありえないのです。
ましてや相談者がいて、その問題や課題によっては解釈が難しく感じるケースは、いくらでもでてくる可能性があります。
占い師としてというよりも、他者をアドバイスできるような人望や洞察の深さを身につける努力を、日頃から怠らないことのほうが大切なのです。

タロットカードで占えること

おもにタロットカードで占うことができるのは、具体的内容です。
漠然とした質問は、タロットカードにとっては苦手なこととなっています。
カードは回答を導くことに混乱するとされているのです。
相談者の性格にもよりけりなので、占い師には、相談者の質問の具体性を追求していくスキルが問われるでしょう。
また、占うことができる範囲は、現状の原因である過去のこと、近い未来の2つです。
近い未来としては、概ね1〜3ヶ月後までの期間とされています。
あまりにも遠い未来については、人生の変化によって運命も変わる可能性があるので、明確に占うことはできません。
また、ギャンブルや他人の生死に関わること、天気や自然現象といった、本人に関わらない内容や、普遍的な現象についての明確な回答は難しいでしょう。

タロット占いのためのおもな民間資格

タロット占いの基本的な知識を得るには、いくつかの学習方法が考えられます。
現在のところ国内では、民間資格の取得を目標にして、学習するという方法もあり、徐々に人気を高めているようです。
ここでは、おすすめしたいタロット占いのための資格を紹介します。

7-1スピリチュアルタロット士®資格認定試験

スピリチュアルタロット士®資格とは、超自然的なスピリチュアル感覚で、タロット占いに関する深い世界を理解できる民間資格です。
タロットカードの奥深い精神性から、実践に役立つ正しい知識や手法を学べます。
資格取得後は、各種サロン・自宅や・カルチャースクールなどで講師活動が期待できるでしょう。

7-2タロットカード士®資格認定試験

タロットカード士®資格認定試験は、ヨーロッパにて200年以上育まれてきたタロットカードの基本原理についての解説から入り、スプレッドの技術、カードリーディングの方法などの幅広い知識と技術をマスターできる資格です。
各種カードの意味合いの解説と応用、適切なリーディングスキルの磨き方なども理解できるでしょう。
資格取得後には、タロットカードリーディングの実践的なノウハウが身につくので、セミナー・ワークショップなど、タロット占いの専門家として活躍できる可能性があります。

まとめ

タロットカードは、大アルカナと小アルカナの、全78枚のカードを使用しておこなう占いです。
相談者の現在抱えた悩み・課題などの具体的な事象について、カードの導き出す暗示を読み解いて適切なアドバイスをしていきます。
まずは、現状把握をして、自分の課題や立ち位置を自覚してもらいながら、そこからどのような言動をすれば良いのかを紐解いていく方法です。
カードの絵柄はすでにフォーマット化されているので、その絵柄から想像を駆使してサポートしていく必要があります。
そのため、導き出した回答が絶対的な結果でないことを念頭に入れるべきです。
以上を理解した上で、自分の内省や近い未来などを洞察をしたい人におすすめします。
タロット占いから、明るい未来を導き出していきましょう。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会
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