ピラティススタジオを開業するには?必要な事前準備

ピラティススタジオを開業するには?必要な事前準備

記事作成日:2025.01.24
ピラティススタジオを開業するには?必要な事前準備

ピラティスは、近年人気が高まっているエクササイズとして認知されています。
身体と心のバランスを整える目的で、世界中の人々から支持されてきました。
そのため、次第に指導者として活躍する人も増加し、ピラティススタジオを独自に開業する動きも定着しています。
開業にあたっては、さまざまな手続きや事業計画が考えられるので、どこから着手したらよいのかわからない人もいることでしょう。
本記事では、 ピラティススタジオをこれから開業したいと考えている人に向けて、開業のための基本フローや、成功させるポイントなどを解説します。
健康をテーマにした事業としてピラティスインストラクターの経験を活かしたい人や、経営者として独立したい人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ピラティススタジオ開業までの基本的流れ

ピラティススタジオを開業するには、あらかじめ綿密なビジネスプランを策定しておく必要があります。
リスク分析、顧客ニーズの調査、競合状況を検討しながら、必要な法的要件を満たした上でマーケティング戦略をして集客へと臨むことです。
では、具体的に開業までの手順・準備を解説しましょう。

● 開業場所の決定
● 開業資金の調達をする
● 必要な届出をする
● サービスメニューと料金の設定をする
● 請求・決済方法を確定する
● 集客の宣伝・PRをする
● 備品などを購入する

1-1①開業場所の決定

ピラティススタジオを開業するにあたって、どのような場所・環境で始めるのかを選定する作業は重要です。
場所選びをする際に考慮すべき点は以下のような内容です。

● ターゲット顧客の居住エリア、均衡のライフスタイル、通勤ルートの状況を調査
● 競合がどの程度存在するのか、そのサービス内容を調査
● 公共交通機関のアクセスの良さ・駐車場の有無など

また、場所の選定では、自宅をスタジオに改良して利用できればベストですが、なかなか条件的に厳しいような場合は、テナントを検討することになるでしょう。
契約内容・立地条件を重点的に比較し、よりベターな選択をすることがポイントです。
完璧な場所選びができることは難しいかもしれませんが、場所選びは長期的成功を目指す鍵となるので、慎重におこなうようにしましょう。

1-2②開業資金の調達をする

ピラティススタジオの開業には、開業資金が必要になるでしょう。
その際の方法はいくつか考えられますが、潤沢な予算を所持していれば自己資金をそのまま運用すればよいでしょう。
しかしほとんどは、銀行ローン、国や自治体から補助金・助成金の支援を利用しているスタジオが目立っています。
中でも、補助金や助成金制度のほうが確率が高くなると思ったほうがよいでしょう。
また、投資家による支援などが可能なら、相談するといった方法も考えられます。
資金調達方法をどうすべきかは、必ず検討することになる項目です。

1-3③必要な届出をする

ピラティススタジオの開業は個人事業主に該当するため、開業届の提出が必要です。
一般的には以下のような内容となります。

● 開業届の入手場所・・・国税庁HP
● 開業届の提出期限・・・事業開始日から1カ月以内
● 開業届の提出先・・・自宅を管轄する税務署

届出方法としては、税務署への持参や郵送が一般的ですが、自宅からe-Taxでも提出ができます。
適切な手続きで法的要件を満たせれば、開業を認定してくれます。

1-4④サービスメニューと料金の設定をする

これからおこないたいピラティスのエクササイズの種類や特徴・プログラム・セッションの価格設定をします。
これらは、周辺の競合を対象にした分析と市場のニーズに基づき、最適な価格設定を目指すことです。
何でも安ければよいわけではありません。
その価格に見合ったサービス提供ができることと、他との差別化ができていれば強みとなります。
一般的なレッスン料の相場は、マンツーマンで8000〜10000円、グループレッスンで5000円程度です。
一回の時間は60分〜90分が多く、時間数によっても価格が違ってきます。

1-5⑤請求・決済方法を確定する

ピラティススタジオ開業において、レッスン料金の請求や決済の方法を確立させましょう。その際に対応する銀行口座開設・クレジットカード決済導入・現金受付などの措置です。
現在では決済方法もさまざまな手段が登場してきました。
ビジネスの信頼性を高めることや、顧客がスムーズに決済できるための、多角的な対応方法を検討するとよいでしょう。
顧客への、透明で信頼性あるサービス提供を心がけることです。

1-6⑥集客の宣伝・PRをする

最も肝心なレッスン生獲得のための手法です。
現在の主流はウェブサイトを構築して公開することや、SNSを利用したプロモーションを積み重ねる方法です。
他にも、オールドメディアとして紙媒体の広告チラシを配布するといった宣伝戦略を展開します。
中でもSNSの拡散力は高くなってきたので、うまく運用するようにチャレンジしましょう。
ただし、同時にSNSの危険性も騒がれてきたため、あまり依存しすぎない考え方も大切です。
常にレッスン現場で会う生徒とのコミュニケーションを重視することが、最も優良な宣伝効果につながると思ってください。

1-7⑦備品などを購入する

ピラティススタジオの開業場所で、ピラティス専用の機器や備品を設置する準備もあります。
マット、エクササイズ用具などの必要な備品を調達しましょう。
ピラティスの場合は、マットピラティスならさほど大掛かりな設備は必要ありませんが、マシンピラティスを行う場合には、専用の設備投資が必要となるでしょう。
おこないたいピラティスの方向性によって、設備投資も変わってきます。

ピラティススタジオ開業に必要な備品

ピラティススタジオを開業する場合、設備の中に必需となる備品があります。
おもに全身を映せる鏡やヨガマットなどです。
他にも細かい備品を揃える必要性がでてくるので、必ずチェックしておきたい項目となります。

2-1ピラティススタジオの基本的備品

まず必ず揃えたいのがピラティス用マットです。
これは、エクササイズ用でクッション性のある専用のマットを揃えることになります。
単価は約5000円~10000円の範囲となるでしょう。
それ以外の補助器具としては、ボール、リング、バンドなどエクササイズのサポート用器具です。
各種単価は約2000円〜5000円の範囲になるでしょう。
これらを、人数分揃えるので、スタジオの規模によって変化します。
動きや姿勢を確認するために壁掛けミラーも必須です。
これは約10000円~30000円位を考えておくとよいでしょう。
リラクゼーション用音楽再生機器の設置は約10000円〜50000円です。
備品やタオルを収納する棚が約10000円~50000円を見積もっておくとよいでしょう。
基本的に鏡とヨガマットはマストと思って開業時までに準備をしておき、必要に応じながらバランスボールやフレックスバンドなど器具を揃えることになります。

2-2マシンピラティスを導入する場合の備品

マシンピラティスの導入をする場合、専用マシンが必要となることから、初期費用はさらに高くなります。
その分、幅広くエクササイズのメニューが提供できるメリットもあるでしょう。
リフォーマーと呼ばれるピラティス専用マシン設置に約100000円~300000円となり、キャデラックと呼ばれる上半身用エクササイズ器具が約300000円~500000円です。
下半身や体幹強化の器具ワンダチュアが約200000円~400000円、バレルと呼ばれる脊柱の姿勢改善用器具が約10000円~50000円となります。
これらをすべて設置するにはかなり費用がかかるため、提供するエクササイズやプログラム上で必要な器具から設置しましょう。

ピラティススタジオ開業の費用相場

ピラティススタジオ開業に憧れる人が最も気にする点は、スタジオ開業資金がいくらくらい必要になるのかではないでしょうか。
まずはどのくらいの規模と条件によるかで、準備する費用負担の幅が変わっていきます。
ここでは、ピラティススタジオ開業にかかる費用相場について解説しましょう。

3-1テナント契約初期費用で50万〜100万円

通常多くの場合、テナント物件を借りてスタートすることになるでしょう。
その際は、半年分の家賃を前払いするなどの負担もあり、初期費用(保証金・礼金・仲介手数料・家賃前払い)として50万〜100万の範囲と考えられます。
また、自宅開業が可能な場合は初期費用0円で済んでしまうでしょう。
その後の毎月の賃料も規模や立地によりますが、ワンルーム価格の5万円〜10万円が基準となります。
自分が思い描くスタジオ規模が大きければ、もちろんその分だけ費用が大きくなっていくものと考えてください。

3-2内装工事費に10〜50万円

テナント契約であるかどうかにかかわらず、スタジオとしての機能を考えれば、床材の張替えや壁紙など内装工事費がかかるものと考えておきましょう。
この場合、物件の質にも関わり、元々の内装が使えないくらい劣化していれば工事費用もそれなりに掛かってしまいます。
自宅開業であれば内装工事だけで済みます。
テナント物件を借りる場合は、資金繰りと経営計画を事前に練っておくことが重要です。
テナント物件ではセキュリティ面での安心感や、スタッフ雇用のしやすさといったメリットもあります。

ピラティススタジオ開業のメリット

ピラティスのインストラクターの働き方形態は複数ありますが、スタジを開業をすることで経営者としての立場になります。
そうなると、いくつかのメリットやデメリットが浮上することになるでしょう。
まずは、ピラティススタジオ開業によるメリットを紹介します。

4-1自分のライフスタイルを優先した運営が可能

ピラティススタジオの開業をすれば、自分の好きなスタイルに合わせた教室運営ができるようになります。
自宅開業やテナント賃貸でのスタジオ運営、あるいはオンライン運営などの方法など、好きなスタイルで繰り広げられるでしょう。
より自分が目指すピラティスの指導が可能です。

4-2多くのレッスン生徒との交流が生まれる

ピラティススタジオ運営をスタートすれば、生徒が複数集まってきます。
複数のレッスン生へ同時に質の高い指導を提供できることで、信頼性も高まることでしょう。
オンラインレッスンの提供をすれば、場所や時間に関係なく全国から参加できるため、集客の幅も広がります。
このように受講生との関係性が築けるので、楽しいコミュニケーションも体験できるはずです。

4-3基本的に設備投資が大掛かりではない

ピラティススタジオ開業では、大掛かりな設備などは必要ありません。
マットピラティスのレッスンを中心にするのなら、内装をアレンジするのと備品調達がメインなので、一般的な店舗を経営するよりもリーズナブルに抑えられます。
物音も発生することが少なく、レンタルスペースでも十分に開業可能です。
オンラインでのレッスンが主流であればなおさら費用を抑えられます。
時間や場所の融通も利くため、スケジュールに合わせて動画制作などをするだけです。
ただしマシンピラティスを導入する場合は、先述したように設置のための負担がかかります。

ピラティススタジオ開業のデメリット

ここでは、ピラティススタジオ開業によって生じるデメリットを解説します。
以下の内容をあらかじめ考慮して最終判断をする必要があるでしょう。

5-1集客に成功しないと赤字になる

ピラティススタジオ開業の最大のデメリットは、集客が成功するかどうかは実際に始めてみないと明らかにならないことでしょう。
既に都心では、ピラティススタジオの数は飽和状態となり、新規開業での集客は厳しいリスクになると思われています。
当然、集客が見込めなければ継続は困難です。
それでも開業をするというなら、他の同業者とは違った差別化できるスタジオを目指すことと、そのためのアイデアが必要になります。

5-2スタジオ設立と運営のコストがかかる

規模にもよりますが、それなりに物件契約のためのコストがかかるのもデメリットです。
毎月家賃を支払い続けるのに、売上がどのくらいになるかが重要な鍵となります。
自宅を改造して開業する場合でも、賃料の負担はありませんが、生徒の収容人数にも限界があり、大幅な収入が見込めるかは不透明です。
仮に生徒数が多くなってきたら、更に規模のあるスタジオへの移転の手間も考えられます。
いづれにしても、運営上でのコストはかかっていくことになります。

5-3開業までに時間がかかる

スタジオ開業までの時間は規模によりけりなので一概には言い切れません。
開業を思い立って届け出をし、条件に見合った場所や物件探しをし、設備投資のための資金繰りや予定場所の工事などもあります。
少なくとも1ヶ月以上は最低かかるものと判断し、やるべきことの手順を踏みながら計画的に進める必要があります。
そのための熟考する時間も含めれば、少なくとも開業予定日よりも1年以上遡っておくことになるでしょう。
それまでの期間、本気でスタジオ開業をしたいと決心できた人物だけがおこなえるものです。

ピラティススタジオ開業で成功するためのポイント

ピラティススタジオの開業を成功させるためには、いくつかのポイントを押さえた上で運営することから始める必要があります。
おもに以下のような内容をクリアしておきましょう。

● ターゲット層をあらかじめ考えて内装を整える
● リピーターの生徒を増やすことも検討する
● わかりやすい問い合わせ先を設置する
● フランチャイズでの開業も検討する

6-1ターゲット層をあらかじめ考えて内装を整える

ピラティススタジオ開業では、レッスン対象となるターゲット層を決めて、そのターゲットに合わせたレッスンがしやすい内装に仕上げるようにしましょう。
ターゲット層としては、年齢・性別などの大きな括りから決めて、徐々にセグメントを細かく設定していくことが重要です。
特定の人物像として、顔や行動がイメージできるぐらいに明確にし、その架空の人物へどのようなサービスが提供できるのか、集客のアイディアを繰り出すことになります。
内装でも、太陽光が入る環境にしたり、新鮮な空気を感じられる環境など、いろいろと考え方が浮上するはずです。
ターゲットが好みそうな環境作りをしていきましょう。

6-2リピーターの生徒を増やすことも検討する

ピラティススタジオ開業の成功には、リピーターやファンを増やす工夫が重要です。
生徒各人の事情を意識しながら興味を持つことは大切な作業といえます。
インストラクターと生徒という距離感を縮め、友好的な関係性を築いていくことです。
もちろん、生徒の悩みや理想とも向き合って、それらを解決するためのエクササイズなどを指導することは、指導者としてマストなことになります。
近年ではSNSが重要だと叫ばれますが、あくまでもテクニック上のことでしかありません。
地道な努力こそが口コミへと発展するものと考えましょう。

6-3わかりやすい問い合わせ先を設置する

スタジオ開業に伴いホームページやブログなども併せて開設しておきましょう。
その際は、わかりやすい「問い合わせ先」の設置を忘れてはなりません。
Xやインスタグラムの活用、その他SNSのリンクを張るなど、できる限り問い合わせや体験教室などに申し込みやすい仕組みを作ることです。
多くの人々はおそらく、ネットを通じて問い合わせをしてくることになるでしょう。
それらに対応できるようにしておく必要があります。

6-4フランチャイズでの開業も検討する

ピラティススタジオ開業をしたいけど実務経験がなく自信がないという場合、フランチャイズへの加盟による開業も検討しておきましょう。
フランチャイズでは、ピラティス事業のノウハウの習得やサポート体制が得られます。
初心者でも安心してスタジオ経営が実現できる可能性があるからです。
ただしデメリットは、経営者でありながらもフランチャイジー(フランチャイズシステムを使ってビジネスを行う個人)なので、本部の指示に従いながら運営することになります。
完全な自由度の高い個人経営者ではない点で、不自由さや厳しさも考えられるでしょう。
その点をよく理解した上で決定することが大切です。

まとめ

ピラティスは体幹を鍛えるエクササイズとして、近年では人気が高まっています。
今では全国に100店舗以上展開する大手スタジオも存在し、とても幅広い層からの支持をされているほどです。
最初はレッスン生として個人的な健康維持や管理のために通っていた人の中から、徐々にインストラクターとなる人も増えています。
そうなれば、自分のスタジオを運営したいという人が増えるのも自然なことです。
都心部では、既に競合がひしめく激戦状態になってきたといわれています。
そんな渦中で、これからピラティススタジオを開業するのであれば、入念な事前準備とともに、個性的なコンセプトが問われるでしょう。
これから、自分だけにしかできない個性的なスタジオを作るには何が必要でしょうか。
その答えを探し出せるのは自分自身しかいないことも、理解した上でチャレンジしてみてください。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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