
ピラティスは、体の深層部にあるインナーマッスルを伸縮させて強化するエクササイズです。
バーベルなどの器具を中心とした筋力トレーニングとは異なり、表面的な筋肉へのアプローチではなく、体幹トレーニングで引き締まった体を作り上げます。
また、健康的に減量し体重を維持するための根本的な体質改善にもつながるでしょう。
ピラティスはしっかりと継続していくことで、痩せやすい体質にしてくれる効果が期待できます。
本記事では、ピラティスダイエットの効果について特集した内容です。
効果を感じるまでにかかる期間や、最適な始め方などを解説していきます。
これからピラティスでダイエットに挑戦してみたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
最初に浮かぶ疑問は、ピラティスは本当にダイエットに効果的かどうかです。
結論を先に言えば、ピラティスは継続次第でダイエットのサポートが期待できます。
ピラティスでの運動量は意外と高く、表面上では目立たないインナーマッスルへのアプローチが中心となるため、効果が現れれば次第に引き締まったボディに変化していきます。
また、マシンピラティスは別としても、一般的なピラティスでは器具を使わないマットピラティスもあり、誰でも気軽に自宅で実践できるのが特徴です。
ただし、条件としては先に触れた通りで、「継続次第」ということになるでしょう。
どのようなエクササイズでも、一朝一夕にダイエット効果が出ることは考えにくく、ある程度の実践期間を経てから自然と気がつくといった流れになるはずです。
ピラティスダイエットは、ピラティスの手法に則ってトレーニングをすることでダイエット効果を期待することを指します。
ピラティスでは脂質をエネルギー源にしてエクササイズをするので、有酸素運動の一種に当てはまるでしょう。
コツコツと地道に繰り返しながら、徐々に体の変化を実感するものと考えられます。
そのため、短期間での急な体重減量には期待をしないほうが良いでしょう。
時間が掛かる分、インナーマッスル強化が確実となり、身体の引き締まりは実感できるようになります。
筋肉への負荷が軽いことで、普段あまり運動をしない人でも取り組みやすいことがポイントです。
他にも、骨を支える筋力が増えて骨格の歪みを矯正、姿勢改善にも役立ちます。
もちろん、成果に関しては体質や頻度により個人差が生じますが、エクササイズとして日課にしていくことは、ライフスタイルにもよい影響を与えてくれるでしょう。
一般的なエクササイズに限らず、マタニティピラティスもあるので、妊娠時での女性のダイエットにも期待ができます。
ピラティスダイエットを期待して始めてみたものの、思ったように痩せる気配を感じないという場合がありえるでしょう。
そのような時に考えられる原因があります。
ピラティスを実践しても痩せない原因として考えられるのは、もともと姿勢の悪さ効果を半減させている場合があります。
例えば、猫背の人の場合です。
脂肪燃焼作用を高める「褐色脂肪細胞」の働きが悪くなるとされ、痩せにくい体型だとされています。
日常生活によって姿勢の悪さが習慣化していることで、ピラティスで骨格を整えても一時的でしかなく、元に戻ってしまう可能性があるようです。
そのような場合、さらに調整しながらとにかく継続していくことが望ましいでしょう。
常に姿勢へ意識を傾けて、焦らずに正しいフォームで実践する必要があります。
エクササイズでの負担が大き過ぎてしまうと、かえってピラティスで瘦せない原因になってしまいます。
筋肉を鍛えようと負荷の大きいトレーニングを繰り返しおこなうため、余計に硬くなってしまうからです。
むしろ筋肉がついて太くなったと感じてしまいかねません。
ピラティスを始めた当初は、気持ちが先行しすぎてやりすぎてしまう傾向があります。
もし効果があまり期待できないようであれば、適したエクササイズや時間・回数に調整して、負担を少なくしながら運動することです。
ピラティスダイエットは効果の現れ方に個人差があり、どのような目的があり成果を示したいのかを明確にした上で実践することをおすすめします。
ここでは、 ピラティスでのメリットと期待できるダイエット効果の具体性を解説します 。以下のようなダイエットの効果を目指したい人におすすめです。
ピラティスは、インナーマッスルへのアプローチ中心のエクササイズです。
インナーマッスルの筋肉量が増加することで代謝が上がり、脂肪燃焼しやすくなることで、ダイエット効果が期待できます。
インナーマッスルとは、基本的に内臓を取り囲む配置になっていて、正しい位置に内蔵を戻すためにも鍛えておく習慣が大切です。
ただし、無理に回数などを増やすと、筋肉への負担が大きくなりすぎてかえってダイエットから離れてしまいます。
まずは、週1回〜2回程度でスタートし、徐々に週3回〜4回などのペースに増やしていくとよいでしょう。
ピラティスがダイエット効果につながる理由は、継続していけば筋肉量が増えて基礎代謝が向上し脂肪燃焼しやすくなるためです。
基礎代謝がアップすると徐々に太りにくい身体に改善していきます。
そのため、激しい運動は苦手な人でも、ピラティスのエクササイズなら負荷が少なくて、ダイエットが実現しやすいとされているのです。
また、マットピラティスは、専用機器やスペースがなくてもできます。
気軽に取り組めるエクササイズでもありおすすめです。
ピラティスは背中・腰・腹部周辺などの上半身の中心部の体幹「コア」にアプローチします。
コアを強化することで、体幹が安定して正しい姿勢を呼び戻すことができるでしょう。
猫背や肩こり、腰痛などの改善が期待できて、美しいボディラインの実現も夢ではありません。
ピラティスのエクササイズは筋肉量を調整し、身体の左右のバランスを均衡に保つことができるでしょう。
姿勢が悪くなると、骨や神経に痛みが出たり不具合が発生しやすくなります。
ピラティスによって背骨をゆっくりとストレッチすることで、筋肉や骨が正常な位置に戻ろうとし始め、血液やリンパの流れもスムーズになるでしょう。
とくに女性の冷え性や生理痛の緩和にも役立ちます。
ピラティスは自律神経を整える作用があり、ダイエット効果にもつながります。
精神的に落ち着かずにイライラしている人は、自律神経が乱れていることがあり、血液収縮が起こり代謝が落ちやすくなるでしょう。
これは、太りやすい身体になる恐れがあります。
ピラティスでの「ラテラル呼吸」は、腹式と胸式の呼吸法を組み合わせたもので、自律神経を整える効果が期待できるものです。
また、自律神経の近くを背骨が通っていて、ピラティスによってほどよく刺激するため自律神経の働きをサポートできます。
ピラティスを習慣化させれば、ストレスによる過食がなくなるとされています。
ストレスが溜るとノルアドレナリンという神経物質が増加するため、食欲抑制の効果があるセロトニンの分泌が鈍ってきます。
その影響により過食が進むからです。
ダイエットを達成させたいのなら、まずはストレスを解消させましょう。
ピラティスで身体を動かし呼吸を整えることで、ノルアドレナリンの過剰分泌を抑え、健康的な食生活を続けることで、ダイエット効果に繋がっていきます。
ピラティスは、他のダイエット法とも同じように、一日で成立できるような即効性はありません。
常にルーティーンとして繰り返すことにより、徐々に効果が発揮できます。
ここでは、ピラティスで痩せるための効果・期間について紹介しましょう。
ピラティスをダイエットとして活用する場合、初心者であれば標準で週1〜2回から始めるとよいでしょう。
その頻度を続けていく中で、次第に慣れてきたら週3回・週4回のペースに増やしていくとより効果的です。
注意点は、集中してダイエットしようと無理に回数を増やしてしまうと、筋肉への負担がかかり過ぎてかえって効果が半減します。
エクササイズをしたら、しっかりと筋肉を休めることもワンセットです。
無理をせず続けやすい頻度で取り組みながら、長く継続させることが重要となるでしょう。
ピラティスでのダイエット効果が実感できるまでの期間は、生活習慣や体重、脂肪や筋肉の割合などによって異なります。
ピラティスの創始者ジョセフ・ピラティス氏さえも、「10回で違いを感じ、20回で体の見た目が変わる。30回で体のすべてが変わる」といった言葉を残しています。
つまり、最低でも10回あたりから何かの変化を感じ取れるかもしれませんが、個人差もあるので断定はできないということです。
ピラティスの最初の発想では、ダイエット効果を見込んだ目的のエクササイズではありませんでした。
あくまでも、傷病兵のリハビリからスタートしています。
ダイエットにも良いことがわかったのは、もっと後になってからです。
まずは、すぐに成果を求めるのではなく、ルーティンとして定着することを目標にしましょう。
ピラティスをおこなう時間数についても、個人差があるので一概には言い切れません。
しかも毎日継続する必要もないのです。
週1〜4回の範囲が一般的で、少しずつ続けやすい方法で実践できればよいでしょう。
毎日10分のピラティスをしたいのであれば、背骨・腹筋へのアプローチができるシンプルなエクササイズを継続させてみると、時間はかかるかもしれませんが徐々に効果が期待できる可能性があります。
ピラティスのダイエット効果は、正しい方法と定期的なエクササイズとしてひたすら継続させていくことで、それなりな成果を得られます。
それをさらに相乗効果的として伸ばすためのこともあるのです。
ここでは、ピラティスダイエットの効果をさらに向上させるための方法を解説します。
ピラティスダイエットの効果を高めるためには、毎回の食事をするタイミングに気を配ることが重要です。
原則として、極度な空腹時・満腹時でのエクササイズを控えることです。
満腹のままエクササイズを始めてしまうと、集中力欠如に陥ることや消化不良を起こしやすく、気分が悪くなるケースが考えられます。
逆に空腹時では、血糖値が低すぎてエネルギーが足りない状態になっているので、これも健康上よくはありません。
ピラティスをおこなう際の食事のタイミングは、1〜2時間を開けておくのが標準です。
エクササイズ直後には、たんぱく質が豊富なプロテインを摂取すると効果を高めることになるでしょう。
ベストなタイミングとしては、レッスン後30分以内です。
これは、ピラティスに限ったことではなく、他のエクササイズでも同様で今では常識となっています。
トレーニング後の速やかな栄養補給により、疲労回復の即効性も高まるからです。
さらに、運動後の筋肉が分解されるのを抑制する意味もあり、たんぱく質が必要になってきます。
ピラティスの効果を高めるのに最も大切な考えは、一定期間継続する覚悟を持つことです。
ピラティスは筋肉や骨格のバランスを整えるエクササイズなので、しばらく継続しないと正しい状態に再生できなくなります。
飽きてすぐやめてしまえば、すぐに筋肉や骨格は基の位置に戻ってしまうからです。
正しい矯正と改善を成功させるには、一定期間の継続しか方法はないものと考えておきましょう。
まずは、目標期間を設定することが重要です。
焦る必要はないので、自分に合ったスケジュールで継続する工夫をしましょう。
一般的に自宅でおこなえるピラティスは、マットピラティスです。
これだけでもダイエット効果を高めることは可能ですが、マシンピラティスも検討すれば相乗効果が期待できます。
マットピラティスは、その名の通り専用マシンを使ったエクササイズです。
初心者も続けやすい点がメリットといえるでしょう。
しかし一方でデメリットもあります。
正しいフォームが身につけないと、自己流のフォームになってしまい効果を期待しにくいことや、自宅では気軽にできないためピラティスのスタジオなどに通う必要があります。
そのため、通常はマットピラティスを自宅でやりながら、定期的にマシンピラティスのスタジオに通い、専門スタッフのもとでエクササイズするとよいでしょう。
ピラティスでダイエット効果を期待する人はたくさんいることでしょう。
しかしもっと注目してもらいたいのは、ダイエット以外での他の効果です。
ピラティスを継続させれば、以下のような相乗効果も期待できます。
ピラティスダイエットを続けることによって、体の各部位のポジションも良好となり矯正されていきます。
姿勢の悪さは、筋肉量の少なさや左右の筋肉の分量からも影響があります。
ピラティスをおこなえば、左右のバランスが均一になって鍛えられるので、姿勢改善へとつながるからです。
猫背などの体のゆがみを整えつつ筋肉を強化してくれます。
ストレッチ効果もあり、慢性の肩こりや腰痛の改善もみられる可能性が高まるでしょう。
ピラティスダイエットの効果には、リバウンドを抑制することも含まれています。
エクササイズそのものが急激な変化を伴うわけではないため、継続させることが主体となっています。
そのため、体質を根本的に改善しリバウンドしにくい身体へと変えてくれるのです。
食事制限や激しい運動は、リバウンドが起きやすくストレスにもなるでしょう。
一方、ピラティスは自分のペースでおこなえるので、気楽にエクササイズできるのも理由の一つです。
ピラティスのダイエットでは、一時的なダイエットよりも体質改善が実現し、リバウンドしにくい身体作りができるメリットを持っています。
正しいエクササイズの方法を学びコツコツと実践することが大切です。
一方、ピラティスならではのデメリット・注意点もあるので、それらも踏まえて臨むようにしましょう。
ここでは、ピラティスダイエットをおこなう上での注意点を解説します。
初心者がよく陥る注意点として、エクササイズをやりすぎてしまうことです。
トレーニング全般に言えることは、運動するだけでは目標達成できないということを理解しなくてはなりません。
つまり、鍛えて動くことと一緒に休ませる時間も必要です。
早く痩せたいからと毎日ハードに実践したところで、体が十分に休めていないと筋肉に負担がかかり過ぎてしまいます。
疲労がたまった状態なので、ケガや故障につながる恐れがあるでしょう。
やった分量のだけ痩せていくエクササイズではないことを念頭に入れて、休息を取りながら、無理のないペースで気長におこないましょう。
どうしても初心者が期待してしまう誤解は、ピラティスへの即効性についてです。
結論を言えば、短期間でのダイエット成果は期待できません。
ピラティス1回分の消費カロリーは筋トレよりも低く、短期間で効果は実感しないのです。
考案者ピラティス氏が発言したように、「10回で違いを感じ、20回で体の見た目が変わり、30回で体のすべてが変わる」と唱えたとおりと考えて、30回以上の経験値を目標にすることが第一歩といえるでしょう。
ピラティス30回を換算すると、週3〜4回で3ヵ月程度となります。
毎週3回の実践が無理であれば2回でもよいので、とにかく継続することにのみ執着していきましょう。
ピラティスは、1920年代にドイツで考案されたリハビリ用のエクササイズです。
そのため、体への負担の少ない運動が中心で、年齢・性別に関係なく取り組めるのがメリットの一つといえるでしょう。
インナーマッスルおよび体幹を意識して鍛えるエクササイズなので、美しいボディラインを求めることも可能です。
身体を引き締めてサイズダウンが実現することになり、骨格が整い内臓の代謝が上がるので脂肪燃焼量が大幅に向上します。
ピラティスを極められればリバウンドもなく、痩せやすい身体づくりが目指せるでしょう。
他にも、冷えやむくみの解消、自律神経調整などの効果も期待できます。
ただし、ピラティスの効果を実感するには、相応な時間を要することがポイントです。
まずは、継続していく心構えが必要となります。
ピラティス初心者であれば、週1回〜2回をペースにすることをおすすめします。
やがて慣れてきたら、週3回〜4回ほどに増やして継続してみましょう。
とにかく一度始めたのであれば、正しい手法で継続だけを目標にすることです。