ピラティスの呼吸法は難しい?正しいやり方と特徴

ピラティスの呼吸法は難しい?正しいやり方と特徴

記事作成日:2025.01.24
ピラティスの呼吸法は難しい?正しいやり方と特徴

一般的に、ピラティスのエクササイズでは、胸で呼吸をする胸式呼吸を取り入れています。
しかし、これはとても難しいと思われています。
感覚を掴めるようになるには個人差があり、ピラティス経験1年や2年経過してからやっとコツが分かったという人もいるくらいです。
ピラティスでの正しい呼吸法ができないと、姿勢が乱れて、歪みが生じるともされています。
おそらくピラティス入門者が最初にぶつかる壁が呼吸法かもしれません。
そこで本記事では、ピラティスでの呼吸法は難しいのかをテーマにしながら、正しい方法とコツなどを解説していきます。
これからピラティスを始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ピラティスでの正しい呼吸法とは

ピラティスでは、呼吸を整え十分に酸素を取り込むことで、筋肉の基礎代謝を上げることができます。
他にも、精神的ストレスの解消として、リラックス効果も期待できるでしょう。
ピラティスの呼吸法では、「胸式呼吸」と呼ばれる方法でおこなわれます。
お腹をへこませながら横隔膜を意識する呼吸です。
この方法を正しくマスターすれば、各エクササイズへの相乗効果となります。

1-1ピラティスでのラテラル呼吸とは

ピラティスでの呼吸法は、胸式呼吸とされていますが、正確には腹式呼吸での横隔膜を動かす動きも組み合わされています。
実際には、胸式呼吸と腹式呼吸とをミックスさせた「ラテラル胸式呼吸」と呼ばれる方式です。

1-2ピラティスの呼吸法での肋骨の役割

肋骨は肺や心臓の保護をする重要な骨格で、一つ一つの間に肋間筋という小さな筋肉があります。
肋間筋は呼吸をコントロールする筋肉です。
姿勢の悪い状態では、胸が縮んでいるため呼吸が浅くなりがちになり、肋間筋が働きが悪くなります。
肋間筋が動きづらくなると首周りの筋肉に影響が出て、首や肩のこりの原因になってしまうのです
また、猫背や反り腰が慢性化した場合、首や肩が縮んで肋骨の開きが大きくなりすぎ、ウエスト幅が大きくなってしまいます。
ピラティスで呼吸とポーズを実践し続けると、肋骨まわりから美しい姿勢へと導くことが期待できるでしょう。

ピラティスとヨガの呼吸法の違い

ピラティスと人気を二分するヨガとでは、共通点や違いなどが頻繁に交わされています。
呼吸法に関しても、双方は明らかに違いがあって成立しているのが特徴です。
ここでは、ピラティスとヨガの呼吸法の違いについて解説していきましょう。

2-1ピラティスは胸式ラテラル呼吸が主流

ヨガでも呼吸法は主に腹式呼吸なのが特徴的です。
深くゆっくりな呼吸によりリラックス効果が期待できます。
一方でピラティスの呼吸法は、胸式によるラテラル呼吸が採用されました。
肋骨を前や横・後ろ・全方向に広げるような感覚を使って呼吸をします。
より酸素の吸収率が向上するとされ、スッキリした気分で集中力も高まる方法です。

2-2ヨガとピラティスでの呼吸法の共通点

ヨガとピラティスは比較すると違いが明らかですが、どちらとも呼吸を大切にした健康法であることは共通です。
心と体に対する良い効果は双方に期待できます。
基礎代謝を高めて、筋力や柔軟性を上げていく点では同じものと考えられます。
発祥や歴史の違いによって、流儀や作法が違ったものといえるでしょう。

ピラティスの呼吸法における基本姿勢

ピラティスを実践するための基本的な考えは、姿勢と呼吸にあります。
これらは、骨の歪みを整える骨盤矯正と筋肉や内臓器官などの活性化です。
それらを成功させるために呼吸と姿勢は常に基本とされています。
ピラティスのエクササイズでは、この基本を習得しておかないと正しい効果を出すことができません。
ここでは、ピラティスの呼吸法を続けるための基本を確認していきましょう。

3-1基本となる姿勢

ピラティスの基本姿勢としては、頭から足先まで全身を真っ直ぐに伸ばす点です。
体の左右バランスを正しく意識できるため、呼吸も自然と正しくできるようになります。
さらには、腹横筋など普段動かしにくい筋肉を活性化させることにもなるからです。

3-2基本となる呼吸

ピラティスでは、呼吸を整え十分に酸素を取り込み、筋肉の基礎代謝を上げることを目的の一つにしています。
心身ストレス解消、リラックス効果にも期待できるでしょう。
ピラティスの呼吸法の基本は、胸でおこなう胸式呼吸で、お腹をへこませ横隔膜を意識しながら深く息を吸い込む方法です。
その際は、鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐き出します。
時間もゆっくりとかけて何度も繰り返しながらおこなうのが普通です。

ピラティスでの胸式呼吸法のやり方

ピラティスは初心者でも気軽に取り組めるエクササイズとして浸透してきました。
その中でも、難しいものといえば呼吸法だとされています。
しかし、方法のコツをつかめば必ずできるようになるので、諦めずにトライしてみましょう。
ここでは、ピラティスでの胸式呼吸法のやり方を解説していきます。

4-1ポイントは胸を膨らませる意識で呼吸する

ピラティスでの胸式呼吸では、息を吸ったときに胸を膨らませる意識が大切です。
両手を肋骨に当てて、吸った時に胸が膨らむのを意識してみましょう。
また、息を吐くときにも肺全体を意識して吐き出します。
腹筋をそのまま締めた状態を保ち、体幹が安定した状態で呼吸をします。
しっかりと深呼吸ができれば十分な酸素が肺に送られ、胸周りの筋肉を広げていることが確認できるでしょう。

4-2ピラティスの胸式呼吸の具体的方法

では、胸式呼吸の方法を順番に説明していきましょう。
以下のような流れになっていきます。

● 顎を軽く引き背筋を伸ばし両手を肋骨にそえておきましょう
● 鼻から息を吸いながら、肋骨が前後左右へ広がる意識をします
● 肩を落とし口から息を吐き、開いた胸周りを中心へ閉じるよう意識しましょう
● ここまでを数回繰り返します

肋骨に手を置いてみると呼吸とともに動いている感覚がわかります。
息を吸ったときには、肋骨が手を押すように広がっていき、吐くと自然と閉じていく感覚がわかるでしょう。
お腹や胸へ意識を集中させながら力まないことがポイントです。
息を吸う際、風船が膨らむイメージをするとやりやすいでしょう。
吐く息は吸う時以上に時間をかけ、口からゆっくり吐き出します。
練習していけば自然と上達していきます。
一般的に、男性よりも女性のほうが取り組みやすい呼吸法でもあり、何度も繰り返して実践してみましょう。
また、横隔膜と肋骨は胸式呼吸にて意識するべき器官なので、自分の体のどの辺りにあるのかをイメージしておくことです。

ピラティスの呼吸法のメリット

ピラティスの胸式呼吸を採用すると、いくつかのメリットが生まれます。
ここでは、ピラティスでの呼吸法のメリットを解説していきましょう。
以下のようなメリットが考えられます。

● 血行が改善される
● インナーマッスルが鍛えられる
● 効率的に筋肉を刺激する
● 肺活量が向上される
● 精神的不安が軽減される
● 交感神経を高める

5-1血行がが改善される

ピラティスの胸式呼吸によって、胸や背中などを中心に筋肉を動かすことになります。
すると、全身の血流や代謝の活性化を促すことができるでしょう。
血流が改善されれば肩こりなども緩和され、さらには内臓の働きも高まっていくことになります。
健康的な体に近づくための基本が呼吸にあるといえます。
胸式呼吸によって血行促進され、改善が期待できることとしては、手足の冷え・肩こり・肌のくすみ・便秘・むくみのような症状での対処があるでしょう。
また、胸式呼吸法を身につけて血流が良くなると、体の疲労感の緩和にもなり毎日がスッキリとして活動的になれます。

5-2インナーマッスルが鍛えられる

胸式呼吸を意識するようになれば、横隔膜や周辺の筋肉であるインナーマッスルが鍛えられます。
呼吸が正しく作用すればピラティスに適したコンディションへと誘っていくことができるでしょう。
インナーマッスルは正しい姿勢を作り上げるだけではなく、腰痛の予防・疲れない体作り・猫背改善・肥満防止などの効果も期待できます。
他にも、内臓の位置を正しく戻して美しいボディラインに活性化させていくことも可能です。
日常生活に大きな影響を与え、健康的な生活をするのにもおすすめです。

5-3効率的に筋肉を刺激する

胸式呼吸を正しくおこない続けると、腹部から胸部などに重要な筋肉へのアプローチにつながります。
引き締めた状態をキープしながら4つのコアマッスルを効率的に刺激することが可能です。
コアマッスルとは、骨盤底筋群・多裂筋・腹横筋・横隔膜のことを指します。
これらを意識的に鍛えていくことになり、徐々に体幹も整い始め、基礎体力や持久力がついていくでしょう。
運動などのパフォーマンス向上にも役立ってくれます。

5-4肺活量が向上される

ある調査によれば、定期的にピラティスを実践をしてきた場合、肺機能の改善が確認されているとのことです。
横隔膜を意識しながらおこなうピラティスの呼吸法では、胸郭を広げて呼吸効率を高めます。
そのため酸素の摂取量は向上していくことになり、運動パフォーマンスでの持久力向上にもつながるとされているほどです。

5-5精神的不安が軽減される

ピラティスの胸式呼吸法によって、リラックスした反応を呼び起こして不安や緊張感を和らげることができます。
深い横隔膜を使った呼吸をすることによって、不安感が大幅に軽減されたというデータもあるほどです。
呼吸を意識しておこなうこと自体、今ではマインドフルネス効果としても知られ始めてきました。

5-6交感神経を高める

ピラティスでは、交感神経を高める意味でも胸式呼吸を採用しています。
ピラティスのエクササイズ効果を高めるためにも重要な作法です。
動きのあるエクササイズなので、体の働きを活性化することが必要となり、胸式呼吸によって各部位を目覚めさせるためにおこないます。
ピラティスのエクササイズでは胸式呼吸により、交感神経を働かせるため心身が爽快にすっきりとした気分になるのです。

効果的なピラティス呼吸法のための準備運動

ピラティスの胸式呼吸のコツは、いかにして肋骨を自由に広げる意識ができるかにかかってくるでしょう。
そのためにも、肋骨を動かしやすくなる簡単なストレッチやマッサージを実践してみてください。
ここでは、ピラティスの胸式呼吸法を実践する準備運動を解説します。

6-1鎖骨マッサージをしましょう

まずは簡単に鎖骨のマッサージを実践してみましょう。
両手をクロスさせて左右の鎖骨を擦るだけの動作です。
猫背になって縮んでしまう大胸筋、首の筋肉の緊張、体の前面の筋肉をほぐしてくれます。もし、両手ではやりづらいと感じた場合は、片側ずつおこなってもよいでしょう。

6-2背中および体の側面のストレッチをしましょう

背中と体の側面を中心にストレッチをします。
背中の筋肉は猫背姿勢だと常に伸ばされいて呼吸が苦しくなることがあるでしょう。
背中が張った状態で深い呼吸をするのは難しいものです。
そのようなときのために、背中と体の側面のストレッチでスムーズな呼吸をしやすくしさせます。
両手を胸の前で組んで、息を吐きつつ背中を丸め、手を遠ざける意識で3呼吸ホールドします。
息を吸いながら手のひらで遠くを通りながら頭上へもっていきましょう。
少しからだを左右に揺らして片側ずつ肋間が広がる感覚を確かめます。
次に、体の背中側で指を組み、肩甲骨を引き寄せ腕を後ろに伸ばしながら息を吐くエクササイズです。
手を後ろへ伸ばすことで自然の血行がよくなり、呼吸がしやすくなります。

6-3横隔膜のマッサージをしましょう

さらに、横隔膜の動きを円滑にするためのマッサージをしてみましょう。
方法としては、人差し指と中指でみぞおちを軽く触り、小さく円を描くようにほぐします。ほぐし方は時計回り、反時計回りです。
次に、親指以外の指をみぞおちに入れ込みます。
呼吸をしながら上体を前に倒しゆっくり上体を戻すような動作です。
左右の肋骨の下に親指以外の指を入れ込み、同じようにゆっくり前屈します。

6-4肋間筋のマッサージをしましょう

左の指の腹をつかいながら右の肋骨の間をやさしく押さえてマッサージします。
そこから背中もさすりつつ、脇下、脇腹の下あたりまでまんべんなくさすりましょう。
反対側も同様におこないます。
肋骨を広げる呼吸なので、肋骨の間の筋肉をスムーズにしてくれるでしょう。

ピラティスでの胸式呼吸の注意点

ピラティスでの呼吸法では注意する点があり、始めは難しく感じるかもしれません。
まずは両手を肋骨にあてながら、胸を拡張させる感覚を頼りにするとよいでしょう。
力まずに腹を引き締め、肩甲骨を下げながら首をまっすぐに伸ばすことを意識することです。
ここでは、ピラティスでの呼吸法の注意点を解説します。

7-1吸うときと吐くときのタイミングに注意する

ピラティスの呼吸法では、息を吸うときと吐くときのタイミングをずらすようにしましょう。
まず、吸う際には胸を大きく膨らませる意識を持ち、吐くときは腹を意識しながら細く長く吐き切るようにします。
つまり、息を吐くときと吸うときの時間差があるということです。
息を吐く時に倍以上の時間をかけてゆっくり吐くことがポイントになるでしょう。

7-2力を抜いてリラックスした状態でおこなう

ピラティスの呼吸法では、リラックス状態で呼吸をしましょう。
とくにお腹を引き締めた状態の際は、身体の他の部分はできるだけ力を抜いた状態にします。
背骨をまっすぐ伸ばす意識をすることで、お腹が自然にへこんで力が抜けるでしょう。
余計な力で呼吸をしないよう注意することです。

7-3顎を引きながら呼吸をする

ピラティスの呼吸法では、顎を引いて背筋を伸ばしながらおこないましょう。
顎と胸の距離は、にぎりこぶし1個分のスペースを意識すればちょうどよく、自然と背筋が伸びる姿勢になります。
この意識を保ち続ければ普段の姿勢も改善できるでしょう。

7-4常に深い呼吸を意識する

ピラティスをおこなう際は、常に深い呼吸を意識しないと効果が期待できません。
浅い胸式呼吸では胸だけで呼吸をする方法なので、肺の上部しか使っていないのです。
そのため酸素の摂取量が少なくなります。
肩や首にも余計な緊張を出すので疲労を感じやすくなるでしょう。
ピラティスでは体幹の筋肉を使うため、深い深呼吸を続けないと本来の効果が得られないのです。

ピラティスの呼吸法でよくある質問

ピラティスの胸式呼吸は、屈曲伸展理論に基づいているといわれています。
体を曲げる動きをするときは息を吐き、反らす・伸びるといった動作のときに息を吸う方式です。
吐いた状態では腹部の筋肉によって背骨は丸まって、吸う状態で横隔膜が働き腰の背骨が反って伸び上がる動きになります。
ここでは、理屈ではわかっていても、まだ疑問が残っているという人からのよくある質問について紹介します。

8-1マシンピラティスでも胸式呼吸をするのか

ピラティスにはマットピラティスとマシンピラティスの2種類があります。
今まで先述した内容は、主に基本的なマットピラティスに沿ったものです。
では、マシンピラティスでの呼吸法はどうなるのでしょうか。
結論は同じです。
マシンピラティスを実践する際も、胸式呼吸をおこないます。
マットピラティスより正しいフォームが身につきやすいメリットも有り、初心者こそ取り入れてほしい方法です。
ただし、機器は大掛かりなので自宅ではできないデメリットがあります。
ピラティススタジオに通いながら、自宅ではマットピラティスをしながら併行して組み合わせるのがおすすめです。

8-2ピラティスの呼吸で鍛えられる筋肉とは

ピラティスの胸式呼吸を続けると、コアマッスルが強化されるでしょう。
コアマッスルとは、骨盤底筋群・多裂筋・腹横筋・横隔膜の4つを指します。
これらは表面的な筋肉とは違って、意識して鍛えようと思わないと強化できません。
その点、ピラティスをおこなうことで自然と強化につながっていく利点が生まれます。
そのためにも、正しい呼吸法を身につけておくことが重要です。

8-3呼吸法は普段から意識したほうがいいのか

ピラティスの呼吸は慣れていくまで少し難しいと感じられるかもしれません。
そのため、エクササイズをおこなわないときにこそ、自分で意識してやってみることをおすすめします。
とくに朝の目覚めのときにやってみるとよいでしょう。
頭の中がスッキリとするので、一日を気持ちよくスタートできるでしょう。

まとめ

ピラティスでは、正しい胸式呼吸法をマスターすることで運動効率を高めることができます。
とくに初心者は、基本となる胸式呼吸法をしっかりと身につけることから始めることです。
胸式呼吸は胸を膨らませながら横隔膜を引き締める呼吸法で、上達すれば健康的な体づくりに役立つでしょう。
胸式呼吸は一見難しそうに思われがちですが、一般的に人間は胸で呼吸をしているので、やり方や練習方法などを正しく実践することで慣れてくるはずです。
ダイエット効果や新陳代謝の活性化といった、ボディメイキングなどにも効果が期待できるでしょう。
正しい呼吸方法を身につけて、ピラティスを始めてみましょう。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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