ピラティスに必要な器具や道具とは?その役割と種類

ピラティスに必要な器具や道具とは?その役割と種類

記事作成日:2025.01.24
ピラティスに必要な器具や道具とは?その役割と種類

ピラティスの起源は、ドイツ人ジョセフ・H・ピラティス氏により発案されたリハビリの一環です。
第一次大戦での負傷兵のために開発されました。
現在では、その面影よりも美容や痩身での目的で活用される機会が増え、身体内部の深層にある筋肉や肩甲骨周りの筋肉などインナーマッスル強化に役立っています。
自分で身体に意識を向けながらの運動です。
効率化や相乗効果を狙って、ピラティスに向いている道具やマシンも続々と登場してきました。
本記事では、ピラティスにて利用されている道具や器具について特集します。
ピラティスに欠かせない必要最低限のアイテムから、あると便利な道具、さらに向上性を伸ばすためのマシンピラティスの器具の詳細を解説する内容です。
ピラティスの道具や器具を揃えたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ピラティスで道具を用いる意味と重要性

ピラティスは、身体の奥にある体幹を鍛えるエクササイズとして認知されるようになりました。
基本的には、自宅でマットがあれば気軽にできる運動ではありますが、専用器具や道具を用いることで効果を最大限に引き出すことができます。
例えばリハビリテーションの現場などでは、柔軟性の向上を目指して、適切な道具を使用したメニューにもなっているほどです。
ここでは、ピラティスにて道具を用いる重要性について解説します。

1-1ピラティスの道具や器具の使用はリハビリテーションから始まった

ピラティスでの道具や機器の重要性は、リハビリテーションにて効果を期待することから始まっています。
ケガや故障、手術後の回復期にて適切なエクササイズを続けることで、筋肉バランスを整えつつ体の本来持っている機能を回復させることが主旨です。
ダメージからの回復として、筋力低下の防止、柔軟性向上という目的を持っています。
やがて、筋肉強化・柔軟性向上を助けるために特定の道具を開発しサポートするようになってきました。
バランスボール・ストレッチポールなどは、体の特定の部位を焦点にしながら筋肉を鍛えることが可能となったのです。
他にも、チューブの使用では、適度な負荷を与える筋力トレーニングになり、柔軟性も同時に高められます。

1-2ピラティスで最初に揃えるべき道具

ピラティスをこれからスタートさせる場合、最初に所持しておきたい基本的な道具の一つが専用マットです。
ピラティスでのマットは、体と床の間に適度なクッション性を発生させ、エクササイズの最中に起こり得る衝撃を和らげる緩衝材のような役割があります。

滑り止め効果もあって、安定した姿勢で安全にトレーニングが続けられるように開発されたものです。
床でのエクササイズが多いピラティスは、快適なマットによってトレーニングの質が左右するものと考えることです。
また、ヨガマットとも比較されますが、厚みがかなり違うため必ずピラティス専用のものを揃えることが大切です。
初めてピラティスを始める際、まずは専用マットを用意するようおすすめします。

まずは揃えたい基本のピラティス用アイテム

ピラティスに初めて挑戦したいという人の多くは、きっと準備に戸惑っているのではないでしょうか。
自宅でも気軽にできるピラティスなので、最低限揃えておくべき道具があります。
ここでは、最初に揃えておきたいピラティスの基本アイテムを紹介しましょう。

2-1ピラティス用マット

先述したように、ピラティスのエクササイズではマットが必需品です。
動作の多くは、床に横になり膝や肘をつくような機会が多く、安全性や保護の意味で厚みがありクッション性の高い構造になっています。
特徴としては、滑り止めが利いていて負担軽減ができるものです。
ピラティス専用マットの代わりにヨガマットの使用も可能ですが、ヨガマットはピラティスマットよりも薄い構造でクッション性がないため、エクササイズ時の負担を感じやすい欠点があります。
しっかりと衝撃を緩和できるのがピラティス用マットです。

2-2水分補給用のドリンク

ピラティスは集中しておこなうと汗をかくエクササイズです。
エクササイズ中にはしっかりと水分補給をする必要性がでてきます。
必ず喉が乾く前にこまめな補給をすることと、1時間のレッスンで1L〜2L程度の水分を補給するようにしましょう。
つねにコンディションに合わせた水分補給の分量とタイミングを考えていくことです。
ドリンクの中身は、スポーツドリンクよりも老廃物を排出できる常温のミネラルウォーターが理想とされています。

2-3タオル

ピラティスのエクササイズでは汗をかくことが多くなるので、汗拭き用タオルも必須となります。
汗拭き用のタオルは、ハンドタオルのような小さいものではなく、ある程度長めなタオルを準備するほうがよいでしょう。
エクササイズの中でも使用する場合も考えられます。

ピラティスに使われるおもな道具

ピラティスは、基本的にはマットを床に敷いた状態で、自分ひとりで動作を繰り出すことで成立するエクササイズです。
さらに効果を上げていくため、徐々にアイテムも開発されて日常的に導入されています。
ここでは、ピラティスで使用されている典型的な道具について解説します。

3-1ピラティスボール

ピラティスボールは、エクササイズ上での安定感を養うのに使える道具です。
バランスボールとも比較されますが、さらに小さめな設計で、軽い抵抗を加えながら座る・寝る・立つ・足で挟むといったポーズのために活用します。
ピラティスボールを使用すると、体幹やその周辺の筋肉へのアプローチとサポートができ、柔軟性向上に役立つアイテムです。

3-2セラバンド

セラバンドは、ゴムバンドの伸縮性を利用して、柔軟性と筋力を鍛えるのに適したアイテムです。
バンドの抵抗によるエクササイズのバリエーションも多く、上半身や下半身問わず、ほぼ全身の筋肉にアプローチができます。
サイズや強度もさまざまにあり、自分で使いやすい長さにカットしながらの使用も可能です。
極端な室温や外気にさらさない限り、保管しやすく手軽に持ち運べます。

3-3ピラティスリング

ピラティスリングは、腕と脚の筋肉を重点的に鍛えるのに便利なアイテムです。
引っ張りながら安定性を保って全身バランスを保つように作られています。
誤った扱い方をすると効果が半減になってしまうので、必ず正しいフォームを意識しながら活用することです。

3-4フォームローラー

フォームローラーは、トレーニング前後のストレッチに最適なアイテムです。
背中や足などの部位に圧をかけ、ローリングし筋膜リリースをします。
筋肉の緊張をほぐしてストレッチ効果を高めるためのアイテムです。
とくに、肩や首のこり・腰痛のケアにおすすめできます。
体の各所の動き・パフォーマンス向上のためには、筋膜リリースをすることで次第に改善されることがわかり、同時に心地よいリラックス感も得られるのでおすすめです。
ストレッチポールハーフを使えば、背骨や筋肉に沿って配置し安定性を保ちながらストレッチすることが可能です。

3-5ストレッチポールハーフ

ストレッチポールのハーフ型で、むやみに転がらない安定さが特徴です。
運動時のケガによるリスクを抑えることができます。
円形のものもあり、柔軟性向上やスクワットトレーニングなど、幅広い利用方法があるアイテムです。

3-6ピラティスバレル

ピラティスバレルとは、背骨や背中の柔軟性促進を意図した、バランス感覚とインナーマッスルの安定性を向上させるアイテムです。
腹部や背中の深層筋が効果的に鍛えられ、姿勢改善のためのサポートもしてくれます。
バレル上のエクササイズなので、バランス感覚が重要となり、エクササイズ上での無理な状態も少なく、体幹安定性を高めることに役立つでしょう。
ただしサイズが大きくて重さもあるので持ち運びには不向き、価格も高めなので購入する際は、その後の利用価値のこともよく考えておく必要があるでしょう。

ピラティスに使われるおもな器具

普段のルーティンとして自宅を中心にマットピラティスをするのであれば、手軽な道具を購入して利用できます。
しかしマシンピラティスを導入したいと思った場合、スタジオ常設のマシンを使用した、より深いストレッチ・筋力強化ができるようになるでしょう。
ここでは、ピラティスで使用される比較的大きめな器具の種類について解説します。

4-1リフォーマー

リフォーマーとは、フレームに可動式のスライディング台とスプリングが設置されたピラティスマシンです。
スライディング台はベッドのようになっていて、仰向け・膝立ち・立ちなどの姿勢が取れて、スプリングの強度を調整しながらエクササイズができます。
ほぼ全身の筋力へのアプローチができて、体幹や腕・脚の強化に高い効果が期待できるでしょう。
1台で500種以上の筋トレやストレッチのエクササイズができるとされています。

4-2キャデラック

キャデラックとは、ベッド状のフレームと台に、バー・スプリング・ストラップなどを設置したピラティス用マシンです。
台の上で仰向けになることや、バーを握ったり足を引っ掛けたりしながらエクササイズをします。
リフォーマーと似ていますが、フレーム周りの支柱が多く、左右のスプリングの強度も別々に設定できるので便利です。
スプリング強度を調整しながら、インナーマッスルを鍛える目的で使用できるでしょう。
初心者や高齢者でも使えるマシンです。

4-3ワンダチェア

ワンダチェアとは、イス型のマシンで、フット部分にスプリング付きペダルが設置されているマシンです。
座った状態や腹ばいなど、体勢をいろいろとりながらエクササイズをすることができます。
スクワットなどの強度の高い筋力トレーニングをすることも可能です。
体幹の強化にも有効的で、下半身を中心に筋力バランスを鍛えられます。

自宅用のマシンピラティスはあるのか

マシンピラティスは、大掛かりなセッティングになってしまうため、普通は1回ごとのレッスンのためにピラティススタジオへ通う必要があります。
もし、自宅でマシンピラティスを楽しめたら一番理想的です。
ところが、リフォーマーやキャデラックなどを個人で所有するのは難しいでしょう。
最近では、折りたたみ式リフォーマー、コンパクトタイプのバレルなどが登場しています。場所を取らないマシンピラティスが今後も開発されていく傾向です。
それでも自宅用および折りたたみ式マシンピラティスの相場は、30万円前後から50万円以上と高額となっています。
普及していくまでには、まだ少し時間がかかるかもしれません。

ピラティス用の道具の選び方

ピラティスを始める際には、適切な道具選びによってトレーニングの質と安全性が大きく左右されます。
初心者から長く続けていくには、なるべく高品質な道具を揃えることがおすすめです。
ピラティスの道具を選ぶにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
また、予算などはどのくらい考えておくべきなのでしょうか。
ここでは、初心者用のピラティスの道具について、選び方を解説します。

6-1ピラティス初心者が選んで欲しいアイテム

ピラティス初心者であれば、必要最低限の道具を揃えることに着目しましょう。
最初から高額で規模の大きいものは必要ありません。
それでも、効果的にエクササイズを続けるためには、ある程度のクォリティのある道具が必要でもあります。
最も必須アイテムとなるのが専用マットです。
クッション性のあるマットであればエクササイズ中での負担を軽減し、安全に実践が続けられます。
滑りにくい素材で安定したポジションを保ちやすい厚さのあるものがおすすめです。
その次に揃えたいのが、ピラティスボール、エクササイズバンド(セラバンド)などのアイテムとなるでしょう。
これらは比較的安価なものも多いので、簡単に取り入れられます。
以上の3点は、初心者から熟練者まで必要となる道具なので、必ず検討しておくことです。

6-2長期で継続するために必要な器具の選び方

ピラティス初期の道具セットからある程度年数を経たら、さらに長期的に使用できる高品質な道具や器具を選びましょう。
安価な道具のままでもピラティスは続けられますが、耐久性や効果の側面からすれば、より品質の高い製品への投資で、コストパフォーマンスは結果的に良好に転じるからです。
コストパフォーマンスのよい高品質な道具を選ぶ際には、双方のバランスを考えましょう。
もしマット一つ新調する場合、材質や厚さによって価格に変動があることを知っておくことです。
耐久性の高い素材のものなら長期間使用ができるため、結果的に買い替えの頻度が減ってくれます。
実はそのほうがコスパが良いといえるのです。
信頼性のあるブランドや専門家が推奨する製品を選ぶことがポイントで、より安全で効果的なエクササイズが続けられます。
また、道具によってはメーカー保証やアフターサービスの有無も確認しておきましょう。
万が一の不具合が生じた際、迅速に対応してもらえるかは重要なことです。
入門者は安価なエントリーモデルでも構いませんが、中級者以上はグレードアップするという考え方は、ピラティスの世界でも一緒だと思えばよいでしょう。

ピラティスで道具や器具を扱う際のの注意点

ピラティスは、比較的気軽で安全なエクササイズではあります。
しかし自宅で道具を使っておこなう以上は、ある一定の注意点も考えられるでしょう。
ここでは、ピラティスで道具や器具を扱う上での注意点を解説していきます。

7-1十分なスペースを確保しておこなうこと

自宅でピラティスのエクササイズを実践するにあたって、十分なスペースを確保しましょう。
手や足を伸ばした状態でも、家具や壁などの障壁物にぶつからないような間隔です。
それに、ピラティスは床で行うエクササイズが多く、ピラティスマットを使用しながら背中への負担を抑えるのが通常です。
安定姿勢を保つためにも滑りにくく厚みのある専用マットを用意するようにしましょう。
これらの配慮によって、ケガや事故のリスクをかなり抑えることができます。

7-2正しいフォームと深い呼吸を意識する

ピラティスの効果は、フォームと呼吸のバランスによって決定します。
フォームが乱れたり呼吸がうまくいかなかったりすると、本来の成果は期待できなくなるでしょう。
ピラティスやヨガなどのエクササイズは、とにかく動作が正しいことと呼吸の扱い一つでトレーニングの質を向上させます。
自己流でおこなうよりも、熟練者の指導やアドバイス、注意点などを確認しながら正しく道具や器具を取り扱うことが必要です。
酸素を十分に供給してリラックス状態を保てる環境を整えてから実践しましょう。

7-3無理なエクササイズはNG

ピラティスのエクササイズを通じて、もし痛みや違和感があったら、無理にトレーニングを続けずに中断しましょう。
痛みは、過度な負荷やフォームの乱れによる場合がほとんどです。
まずは、回数や時間の調整をし、正しいフォームの再確認から改善するようにしましょう。
安全なエクササイズのためには、自分との向き合い方が重要なのです。

7-4常に使いやすい場所へ保管する

ピラティスのアイテムを使いこなすポイントとして、道具はすぐに取り出せる場所に保管することが大切です。
見えない場所へ道具を保管してしまうと、ピラティスの存在を忘れてしまったり、いざ使う時になって探す手間やストレスになってしまいます。
部屋の目につく場所へ保管すれば、いつでも気軽にエクササイズを始めやすくなります。
また一定の保管方法を確立することで、道具の変形や故障のリスクが軽減されます。

7-5複数の道具・器具の使い分けをする

自宅でピラティスのエクササイズをするのであれば、複数の道具や器具の使い分けに気を配っていきましょう。
複数のバリエーションを生み、トレーニングの効果を向上させる結果を出しやすくなるからです。
また、使い分けは異なる部位にある特定の筋群に集中できるので、ピンスポットで強化することが可能となります。
目的に合ったトレーニングが実現できるのでおすすめです。

まとめ

ピラティスで取り扱う道具や器具は、筋トレだけではなくストレッチ・姿勢改善のためにも活用できるのが特徴です。
難易度や負荷、規模などの違いがあるため、まずは簡単に取り揃える事ができる初心者向けの基本セットに注目しましょう。
その後必要に応じながら徐々にステップアップするといった購入方法がおすすめです。
自宅でのピラティスでは、まずはマット購入に十分検討の余地があります。
安全性や耐久性などももちろんですが、自分のレベルに見合ったグレードと価格帯であることも重要です。
また、自宅でのピラティスに挫折してしまった過去があるのなら、マシンピラティスを検討してみましょう。
もしかすると継続できるきっかけができるかもしれません。
マシンピラティスは自宅に揃えることが難しいのですが、スタジオによっては無料体験を実施していることが多いので、気になるようなら一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。

日本メディカル心理セラピー協会編集部
心理カウンセラーやカラーセラピーやカウンセリング、整体、リンパケアセラピスト、占い等多岐に渡る資格を認定する日本メディカル心理セラピー協会編集部が運営するコラムです。仕事やプライベートでも役立つ資格が取得できます。ライフスタイルに合わせて柔軟に学べる点が魅力です。
日本メディカル心理セラピー協会

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