カウンセリングとは

近年、精神的および心理的な不調を感じる人の割合は増えています。
カウンセリングは、そのような人にとって大きな助けとなりえます。 カウンセリングと言っても、一般的なイメージと実際のカウンセリングには違いがあります。- ・カウンセリングでは一体何をするのか?
- ・どういった効果が期待できるのか?
- ・カウンセリングの料金相場は?
- 目次
- 1. カウンセリングとはどういったもの?
- 1-1. カウンセリングの基本
- 1-2. カウンセラーが守るべき規則
- 1-3. カウンセリングの種類
- 2. カウンセリングの流れ
- 2-1. 初期の段階:まずは打ち解けるのが大事
- 2-2. 中期の段階:問題を掘り下げる
- 2-3. 後期の段階:日常生活へ戻るためのステップ
- 3. カウンセリングに期待できる効果
- 3-1. 話すことで気持ちが楽になる
- 3-2. 問題点が整理される
- 3-3. 自己肯定感が得られる
- 3-4. 人間関係がうまく行く
- 3-5. 自分の新たな一面を発見できる
- 4. カウンセリング料金の相場は?保険適応される?
- 4-1. カウンセリングが保険適応外の理由
- 4-2. 保険適応となるカウンセリング
- 4-3. カウンセリングは継続が必要
- 5. カウンセリングを受けられるのはココ
- 6. カウンセラーの選び方
- 7. まとめ
カウンセリングとはどういったもの?

カウンセリングと言えば、専門家に相談をして悩みを解決してもらうようなイメージではないでしょうか?
しかし実際のところ、カウンセリングでは具体的なアドバイスは行いません。 カウンセリングは、クライエント(相談者)がカウンセラー(心理学的な専門知識を持った者)との対話によって、問題解決のための糸口をつかむプロセスです。 精神科領域の治療の一部として位置づけられる場合もありますが、より気楽に相談ができるようなものをカウンセリングと呼ぶ場合もあります。1-1カウンセリングの基本
カウンセリングで重要なのは、対話です。
カウンセラーは基本的に、クライエントに対して具体的なアドバイスは行いません。 カウンセリングはあくまでクライエント自身が自己理解を深めるのが目的。 カウンセラーは心理学的な手法を用いてクライエントの言葉を引き出し、自分では気づいていなかった問題の本質に気づいたり、自分の心の深い部分を整理したりするのをサポートします。 対話とは言っても、話す中心はクライエント。カウンセラーがベラベラとしゃべるようなケースはないでしょう。 カウンセラーは、クライエントに対して決して否定的な言葉は使いません。 ありのままの状態を受け入れ、話を傾聴していきます。 クライエントにとっては、その受容される経験がカウンセリングの中で重要な体験となるのです。1-2カウンセラーが守るべき規則
カウンセラーは、カウンセリングを行うにあたって守らないといけない規則があります。
- ・クライエントに自分のプライベートな情報を話さない
- ・友人関係・恋人関係など、カウンセリング以外の個人的な関係を持たない
- ・守秘義務を厳守する
- ・クライアントを一人の人間として尊重する
1-3カウンセリングの種類
カウンセリングには、その方法によっていくつかの種類があります。
対面カウンセリング
一般的にイメージされるカウンセリングは、カウンセラーとクライエントが1対1で行うものでしょう。
対面カウンセリングではお互いに顔を合わせ話をします。 わずかな表情の変化や仕草などから伝わる情報も多く、きめ細やかなカウンセリングが可能です。 対面カウンセリングは、外部とは遮断された個室で行われます。 人目を気にせずに話ができる一方、人によっては緊張してしまい思ったように話せない場合もあるかもしれません。グループカウンセリング
名前の通り、複数人のグループで行うカウンセリングです。
集団療法とも呼ばれます。 グループカウンセリングは、集団の力を利用したカウンセリング。 同じ悩みを持った人との交流を通して、仲間意識を持ったり考え方の違いを学んだりしていきます。 お互いに支え合う存在となるため、問題解決に向けて進みやすいとも言えるでしょう。電話によるカウンセリング
対面での緊張が強かったり外出自体が困難であったりする場合、電話によるカウンセリングを行っているところもあります。
自宅などの自分が安心できる環境で利用できるため、対面カウンセリングに比べるとハードルは低いでしょう。 相手の顔が見えないからこそ安心して話せる場合もあります。 気軽に利用してみてほしいカウンセリング方法です。メールによるカウンセリング
メールでカウンセリングが行えるところも増えて来ました。
対面や電話などではどうしても時間が取れない場合など、カウンセラーとのメールのやり取りで相談ができて手軽です。 誰かと話すのも困難なとき、考えが全くまとまらないときなど、メールであれば落ち着いて悩みや思いを書けるのではないでしょうか。 カウンセラーに言われた内容がなかなか頭に入らない状態でも、メールであれば何度でも読み返せます。 少しずつ頭や気持ちを整理するのにも向いています。 カウンセラーによるメールの返信は、即時とは行きません。 時間がかかるのがデメリットですが、その分ゆっくりと取り組めて良い人もいるでしょう。オンラインでのカウンセリング
ビデオ通話やチャットなど、オンラインでカウンセリングを受ける方法もあります。
特にビデオ通話では、お互いの顔を見ながら話ができる上、わざわざカウンセリングルームなどに出向く必要がありません。 非常に便利な方法と言えます。 オンラインカウンセリングはまだ数としては少ないですが、導入しているところも増えて来ました。 ビデオ会議などに慣れている人にとっては、緊張も少なく効率良く利用できて良いでしょう。カウンセリングの流れ

カウンセリングには、大きく3つの段階があります。
カウンセラーは、その段階に沿ってクライエントとの関係作りを行っていきます。2-1初期の段階:まずは打ち解けるのが大事
初期の段階では、何より「この人になら話しても大丈夫」「話を聞いてほしい」とクライエントが感じるのが重要。
カウンセリングは、クライエントに意欲がなければ成立しません。 カウンセラーは落ち着いて話せる環境を提供し、クライエントの構えや心の壁を取り除く作業をします。 クライエントがリラックスして話ができる状態にするのは簡単ではありません。 カウンセラーの資質や経験が問われる部分でしょう。2-2中期の段階:問題を掘り下げる
クライエントが話を始めたら、カウンセラーは問題を整理しながらさらに詳しく話を聞きます。
直接的に関係がなさそうな出来事や情報も実は深く関係していたりするため、カウンセラーには慎重さが必要です。 必要に応じて質問を挟みながら、クライエントの話をじっくりと聞きます。 話の中から心理学的に分析をしていき、問題解決に必要なものを探るのです。 クライエント自身の人間性に問題があるケースもあり、クライエント自身が考え方や行動を変えていく必要がある場合もあります。 どの程度問題について悩んでいるのか、変わりたいとの意思はあるのかなども探らなければなりません。 共に問題解決へ進んで行けるように、信頼関係を深めながら対話を重ねます。2-3後期の段階:日常生活へ戻るためのステップ
カウンセリングはクライエントにとって大きな支えとなりますが、いつまでもそこから卒業しなければ日常生活へは戻れません。
支えを失うのは不安ですが、カウンセリングで得た気づきや自信を持って今後の生活を送って行けるようカウンセラーは慎重にフォローします。 カウンセリング後期はクライエントも前向きとなり、一見悩みも解決したかのように見えるでしょう。 しかし、クライエントの心にはまだ不安があります。 この後期の関わりは今後の生活に大きく影響するため、カウンセラーの力量が必要です。カウンセリングに期待できる効果

「カウンセリングを受ければ、悩みが解決する」と思う人は多いかもしれません。
しかしカウンセリングの目的は『悩みの解決』そのものではなく、『自分を見つめ直し、必要に応じて考え方や行動を変え、新しい自分を発見する』ことです。 単純に今抱えている悩みへの対処をするのではなく、問題の本質へとアプローチするため、今後の人生にとって大きな意味のあるものと言えるでしょう。 カウンセリングに期待できる効果としては、以下の様なものが挙げられます。3-1話すことで気持ちが楽になる
悩みを抱えているとき、人は苦しく辛いものです。
その悩みを人に話すだけで、何だか気持ちが楽になった経験は誰にでもあるのではないでしょうか? 悩みを相談するには、もちろん相手が必要です。 話す相手を選ばないと、ちゃんと聞いてもらえなかったり、反対に批判されたりする場合もあるでしょう。 プライドが邪魔して、どうしても相談できない人もいるかもしれません。 カウンセラーは、日々の生活とは全く関係のない第三者。 悩みを話しても、それによって人間関係が崩れたりせず、批判もされません。 話した内容が外部に漏れたりもしません。 ただ話をするだけで楽になる。当たり前に思えますが、安心して悩みを話せる相手がいるのは大事です。3-2問題点が整理される
悩みには、いくつかの問題が関係しています。
何か悩みがあるときはその問題が複雑になってしまい、本質が見えないケースが多いのです。 カウンセリングでは、カウンセラーに本音を話をしていきます。 カウンセラーはそれをうまく整理してくれるため、クライエント自身が自分の状況を客観的に把握できるでしょう。 問題点が整理されるだけでも、自分が今どうすれば良いかが分かります。 『どうして良いか分からない』⇒『どうすれば良いか分かる』 この変化は大きいです。3-3自己肯定感が得られる
『誰かに認められたい』とは、誰もが抱く願望です。
しかし日常生活で誰かに認められる経験は、いつでも得られるものではありません。 カウンセリングでは、カウンセラーがありのままのクライエントを受け入れてくれます。 どんな話をしても認めてもらえる。その経験は自己肯定感を高め、前向きに生活をしていく力となります。3-4人間関係がうまく行く
カウンセリングの中では、様々な気づきが得られます。
その気づきにより、人間関係がそれまでよりもうまく行くケースは多いです。 また悩みには周囲の人々が関わっている場合も多く、カウンセラーはその人々や人間関係、置かれている状況など詳しく分析をします。 その分析によって、うまくいかなかった部分がうまく行くケースもあるでしょう。3-5自分の新たな一面を発見できる
カウンセリングとは、新たな自分探しとも言えます。
カウンセラーに話をしそれを整理してもらう中で、自分でも気づかなかった部分や新たな一面に出会うでしょう。 「今までは同じような考え方しかできなかったのに、カウンセリングを受けて視野が広がった」とはよく聞く話です。 物事を様々な視点から見るのは、カウンセラーの得意とする部分。 自分にもまた違う面があるのだと気づけると、これからの人生も送りやすくなるはずです。カウンセリング料金の相場は?保険適応される?

カウンセリング料金には地域による差もありますが、1回60分で6,000円~10,000円程度のところが多い様です。
個人で行っているカウンセリングルームなどでは、45分・90分など時間別に料金を設定しているところもあります。 カウンセリングは高いとのイメージがあるかもしれませんが、これはカウンセリングは基本的に保険適応外のためです。4-1カウンセリングが保険適応外の理由
病院での治療の一環として行われるものでも、保険適応外となるケースが多いのがカウンセリング。
それはなぜなのでしょうか? カウンセリングは、心理的なストレスの軽減を目的として行われます。 これは治療効果が図りにくく、診療報酬として設定するのが難しいのです。 診療報酬を設定するには明確な基準が必要。カウンセリングはその要件を満たしにくいため、保険適応外なのです。4-2保険適応となるカウンセリング
病院で行われるカウンセリングの中には、保険適応されるものもあります。
基本的に保険適応となるカウンセリングとは、医師が行うカウンセリングです。 ただし、医師が病院で行うからと言ってすべてのカウンセリングが保険適応となる訳ではありません。 いくつかの条件がありますので注意しましょう。 【保険適応となるカウンセリング】- ・うつ病等の気分障害、不安障害と診断され、認知行動療法が実施される場合
- ・特定の精神疾患と診断され、医師から通院・在宅精神療法を受けた場合
- ・医師が標準型精神分析療法としてカウンセリングを行う場合
- ・公認心理師による小児特定疾患カウンセリング
4-3カウンセリングは継続が必要
カウンセリングは、基本的に1回限りのものではありません。
回数を重ねて対話を重ねる必要があるため、費用がかさみます。 経済的な余裕がない場合には、この費用が出せずカウンセリングを受けられない場合もあるでしょう。 自治体などで無料のカウンセリングが受けられる窓口が用意されている場合があるため、そういった無料サービスを利用するのも手です。カウンセリングを受けられるのはココ
カウンセリングを受けられる場所は様々です。
主な場所として、以下の様な場所が挙げられます。- ・病院(精神科・心療内科など)
- ・クリニック
- ・診療所
- ・病院などに併設のカウンセリングルーム
- ・企業内のカウンセリングルーム
- ・学校の相談室
- ・ハローワーク
- ・保健所・保健センター・精神保健福祉センターなどの『こころの相談の窓口』
- ・私設のカウンセリングルーム
カウンセラーの選び方

カウンセラーと言っても、その質にはかなりの差があります。
資格も様々で、主なカウンセラーの資格は以下の通りです。- ・公認心理師:国家資格
- ・臨床心理士:民間資格
- ・民間のカウンセラー資格:民間資格
まとめ
日本では「人に弱みを見せるのは恥ずかしい」「家庭の問題は家庭で解決するべき」などの考えが古くからあり、カウンセリング文化が根付いていないと言われています。
しかしメンタルヘルスは今や日本の大きな問題であり、より気軽に受けられるカウンセリングが求められているのは明らかでしょう。 カウンセリングとは、より私たちの身近になければならないのです。 カウンセリングの敷居が高いのは、カウンセラーへの道のりが険しいのも理由の一つでしょう。 大学や大学院で専門の勉強をするとなると、目指す人は限られます。 最近では、通信講座でもカウンセラーの資格取得が可能です。 通信講座であれば、どのような環境の人でもカウンセラーを目指せます。 何らかの社会経験を積んだ上でカウンセラーになるのも、知識や経験が増えカウンセラーとしての糧になるでしょう。 通信講座でカウンセラーを目指すのは、これからの主流となるかもしれません。心理カウンセラーの資格
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メンタル心理ヘルスカウンセラー®
メンタル心理ヘルスカウンセラーとは、心理学の基礎知識、様々なストレスから起きる症状、また症状別の治療方法を十分に理解しており、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた方へ認定される資格です。資格取得後はプロのカウンセラーとして活動することができます。
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マインドフルネスセラピスト
マインドフルネス瞑想は「今、ここ」の状態にマインドフル=満たされる状態を求めます。その効果として、ストレスの緩和、モチベーションの向上、集中力やクリエイティビティの強化などが得られます。マインドフルネスセラピストは、このようなマインドフルネス瞑想の知識と効果、注意点、様々な方法について十分に理解していることの証明となる資格です。資格取得後は、マインドフルネスセラピストとして活躍することができます。
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アンガーカウンセラー®
アンガーコントロールの歴史から、感情のクセや怒りの本質について、怒りの1次感情と2次感情、怒りと向き合うトレーニング、怒りが体に及ぼす影響や怒りのデメリット、思考の歪み、怒りを引き起こしやすい思考、心にゆとりができるテクニック、三性の理、怒りの生理的反応など、基礎知識を有していることが証明されます。資格取得後は、アンガーカウンセラーとして活躍でき、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。
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引き寄せカウンセラー
引き寄せの法則が働くシステムや潜在意識と顕在意識の違い、言霊と引き寄せの関係、引き寄せノートの書き方など引き寄せに関する知識を身に付けている方へ認定される資格です。引き寄せの法則を理解するうえで重要である「思考は現実化する」と考えや、潜在意識を使いこなす引き寄せのコツ、思考と願望を一致させることなど引き寄せの実践的な知識を有していることを証明します。
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行動心理カウンセラー®
行動心理カウンセラーとして、人の行動から相手の気持ちを読み解く学問である行動心理学についての基本的な知識を有していることが認定される資格です。行動心理の基礎知識から歴史、行動心理学から考える仕事やプライベートにおけるコミュニケーションに関する知識を有していることも証明されます。
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夫婦心理カウンセラー®
夫婦心理カウンセラーとは、夫婦関係や家族関係の問題解決や関係構築などに関して、正しい知識を持ち、適切なアドバイスやカウンセリングを行うことができることを認定する資格です。夫婦間の浮気、離婚、失業や失職、浪費癖、DVなどの家庭内暴力、別居、精神的DV、経済的DV、アダルトチルドレン、夫婦と子どもとの関係、束縛や過干渉などの問題に対して正しい知識を持っていることが必要になります。
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チャイルド心理カウンセラー®
チャイルド心理カウンセラーとは、胎児期から乳児、幼児、学童、思春期までの子どもの心理や発達を十分に理解し、また、悩みや問題に対してカウンセリングをおこなう技能、知識を有していることを証明する資格です。子どもの心理に関して知識を有し、かつカウンセリングを行うカウンセラーとして活動できる技術を有していることを証明します。
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エクステリア心理カウンセラー®
エクステリアの基本知識を持ち、状況に応じた心理カウンセリングを実用レベルで持ち合わせた方へ認定される資格です。
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キッチン心理カウンセラー®
キッチン心理カウンセラーとは、心理学と基礎知識、様々なキッチンの施設、また症状別の治療方法を十分に理解しており、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた方へ認定される資格です。資格取得後はプロのカウンセラーとして活動することができます。
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福祉心理カウンセラー
福祉心理カウンセラーとは、福祉に関する知識、また心理学の基礎知識、様々なストレスから起きる症状を理解しており、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた方へ認定される資格です。資格取得後はプロのカウンセラーとして活動することができます。
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メンタル心理ミュージックアドバイザー®
メンタル心理ミュージックアドバイザーとは、人間を心の側面から学び、それが身体に与える影響を考え、心身に対する音楽の作用を理解している人へ与えられる資格です。音楽の利用方法により、音楽の癒しの効果を最大限に引き出し、ストレスなどの問題改善、心身の健康維持を目指します。資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師活動ができます。