
「心理カウンセラーに興味があるけど、自分に向いているのかな?」
「文系だけど、資格って必要?」「学歴がなくてもなれる?」
そんな不安や疑問を持っている初心者の方に向けて、気になる点を丁寧に解説しています。
ストレス社会の中で需要が高まっている心理カウンセラーですが、働きながら資格を目指す社会人や、学歴や経験に不安がある方からも注目されています。
近年では、「心理学に昔から興味があった」「人の気持ちに敏感」といった自己理解を通して、心理カウンセラーを目指す方も増えています。
この記事では、「心理カウンセラーに向いている人の特徴」や「資格の種類と取得方法」「実際の仕事内容」などを網羅的にわかりやすく解説します。
高卒の方やフリーターの方でも目指せるルート、通信講座や独学から目指せる方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
心理学の全体像を把握し、自分の興味や目標に最適な分野と学習スタイルを見つけることができます。
心理カウンセラーとは、悩みやストレスを抱える人に対してカウンセリングを提供する専門職のことです。心理学の知識をベースにしたカウンセリングで、相談者の悩みや問題を解決へと導いていくのが心理カウンセラーの役割です。最終的な目標は、相談者が自分で問題を乗り越えられるよう導くことです。カウンセラーには確かな専門性と、相手の気持ちに寄り添える共感力が求められます。
心理カウンセリングの種類は治療的カウンセリング(臨床的カウンセリング)と開発的カウンセリング(予防的カウンセリング)の2つに大きく分けられます。
治療的カウンセリングは、既に心理的問題が顕在化している際に、医師と連携しながら行うものです。
開発的カウンセリングは、心の問題が深刻になる前の予防を主な目的としたものです。コーチングやメンタルトレーニングは開発的カウンセリングに当たります。
心理カウンセラーは向いている人と向いていない人がはっきり分かれる職業の一つです。ここでは簡単に7つの特徴を紹介していきます。自分の特性を照らし合わせ、心理カウンセラーの仕事のイメージを深めていきましょう。
心理カウンセラーに向いている人は、他人への共感力が高く、人の話を丁寧に聞くことができる方です。それぞれのクライアントの感情や悩みに親身に寄り添い、理解しようとする姿勢を見せることが大切です。
相談者は心理カウンセラーが経験したことのないような仕事や状況を経験している場合もあります。「相談者はどんなことを話したいか」「どのようなことに悩んでいるのか」を汲み取って、必要に応じて質問をするには、人への興味関心は欠かせません。
心理カウンセラーには、感情に流されず冷静に話を聞く能力が求められます。コミュニケーション能力でも重要な分析する力や冷静に判断する力は、心理カウンセラーにとって重要なスキルです。
心理カウンセラーは、相談者の話をまともに聞かず安易に「○○してください」とアドバイスすることはありません。アドバイスを求められても必要に応じて提案にとどめたり、相談者自身に考えるよう促します。信頼関係を築くためには、感情と理性のバランスを保つ能力が必要です。
カウンセラーに必要なコミュニケーション能力は、「聴く力」と「伝える力」、そして「汲み取る力」です。
特に、相手が上手く言語化できないことを汲み取り、非言語のサインや情報をキャッチする「汲み取る力」は重要です。
「聴く力」は積極的傾聴として話を聴きながら必要に応じて質問し、相手の自己理解を深めるスキルです。「伝える力」は必要に応じて客観的な見解を伝えたり、話しやすいよう相槌をうつスキルです。
心理カウンセラーは、相談者の悩みに寄り添い、じっくりと根気強く話を聴く力が必要です。クライアントは他者に対して警戒心を持っている場合も多く、カウンセラーにも心を開けない人もいます。そのような人との信頼関係を築くのは、なかなか時間がかかることでしょう。
長期間にわたって継続的な支援を行うことが多く、時には進歩が見えにくい時期もあります。それでも諦めずに相談者と向き合い続ける姿勢が求められます。
心理カウンセラーは相談者の感情や状況に感情移入しすぎないよう、注意しなければなりません。カウンセラーは親身に相手の話を聴きますが、感情移入してしまっては冷静な判断力も失われてしまいます。
また、心理カウンセラーをやめる人のなかには「精神的に不安定になってしまった」「話を聴くのがつらくなってしまった」という方も少なくありません。
専門家としての境界を保ちながら、適切な距離感で相談者を支援することが重要です。
心理カウンセラーは、資格を取って終わりではありません。例えば臨床心理士の場合は5年に1回の更新があり、定期的に勉強会や学会に参加する必要があります。
つまり、学び続けることは心理カウンセラーとしての仕事の1つなのです。文系・理系問わず、新しい知識や高度な専門知識の習得に関心のある人も心理カウンセラーに向いています。移り変わる世の中で人々の悩みは変化するため、カウンセリングの手法も改善していくことが求められます。
心理カウンセラーは単独で働くことが多いように思われがちですが、実際には他の専門職や機関との連携が重要な職業です。
医師、看護師、ソーシャルワーカー、教師、法律関係者など、様々な専門職と協力してクライアントを支援することが求められます。また、家族や職場、学校などの社会環境との調整も必要になる場合があります。
心理カウンセラーは文系・理系どちらからでも目指せますが、どちらが向いているかについて以下のいくつかの視座から解説していきます。
心理学部の歴史は、1903年に東京帝国大学(現在の東京大学)が心理学科を開設したことがはじまりでした。その後、私立では日本大学が文学科心理学専攻を開設しています。
心理学部は文系の専攻の1つとしてスタートしたことから、心理カウンセラーになるには文系の方が向いている、とまずは言うことができるでしょう。
現在も、慶応義塾大学をはじめ、文学部心理学専攻を設置している大学はあります。また、心理学部や文学部以外には教育学部に心理系学科を設置している大学もあり、どちらかといえば文系要素が強いです。
しかし、近年は人間科学部や健康メディカル学部など、理系要素のある学部に心理学科が設置されることも増えています。
心理カウンセラーの出身学部としては文系が多いですが、一般的には文系・理系どちらの出身でも問題ありません。
しかし、臨床心理士・公認心理師を目指すなら、理系の知識も必要です。
専門的な勉強の課程で通る、生物学や統計、実験系の理解には、理系の知識が助けになることがあります。また、臨床心理士や公認心理師の資格試験問題には、人体構造や脳機能などに関する問題も出題されます。
心理カウンセラーの実際の業務では、文系・理系の両方の視点がどちらも必要です。
人間性への洞察力、語学力を活かした表現力などの文系スキルはカウンセリングの現場で大いに役立ちます。
一方で、脳科学や神経学の知識、統計的なデータ分析能力、論理的思考力などの理系スキルもまた、適切なアセスメントや治療方針の決定に不可欠です。
現代の心理カウンセラーには、人間の心を深く理解する文系的感性と、科学的にアプローチする理系的思考の両方が求められているのです。
心理カウンセラーの資格には国家資格と民間資格民間資格があります。いずれも必須ではありませんが、実際に多くの心理カウンセラーは心理カウンセラーに関する資格を取得しています。
国家資格とその他の民間資格での一番の違いは「公認心理師」と名乗れるかどうかです。これにより周囲からの見られ方や信頼の質が変わります。
心理カウンセリングに関する唯一の国家資格が「公認心理師」です。心理カウンセラー資格としては比較的新しく、2017年(平成29年)9月に施行された公認心理師法に基づいて誕生しました。
国家資格は法律によって規定されている資格のため、権威性、信頼性の最も高い資格だと言えます。
公認心理師の難易度
公認心理師の難易度を測る指標として、厚生労働省が発表している合格率を見てみましょう。最新の第8回公認心理師国家試験(2025年3月実施)では合格率66.9%、前年の第7回試験では76.2%となっています。
国家資格としては比較的高い合格率であり、他の国家資格と比較すれば難易度は低い部類に入ります。しかし、受験資格を得るまでのハードルが高く設定されているのが特徴です。4年制大学で心理学の指定科目を履修し、さらに大学院修士課程を修了するか、一定期間の実務経験を積む必要があります。
臨床心理士とは公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する、心理カウンセリングに関する民間資格です。1988年(昭和63年)から資格認定が開始され、国家資格である公認心理師が誕生する以前から、心理カウンセリング分野の代表的な資格として位置づけられていました。
小中学校のスクールカウンセラーとして必要な心理専門職に認定されているため、教育現場で活躍する臨床心理士も多くいます。
臨床心理士の難易度
臨床心理士の難易度を測る指標として、日本臨床心理士資格認定協会が発表している合格率を見てみましょう。合格率は概ね60〜66%となっており、特に令和に入ってからは上昇傾向にあります。
資格取得には協会指定の大学院修了などの受験資格が必要です。民間資格でありながら高い専門性を持ち、令和7(2025)年4月1日時点で43,083名が認定されている信頼性の高い資格です。
参考:「臨床心理士」資格取得者の推移・臨床心理士とは|日本臨床心理士資格認定協会
心理カウンセラーの民間資格とは、民間団体や公益法人が認定しているもので、心理カウンセリングの分野にも多くの民間資格があります。民間資格は国家資格ほどの権威性はないものの、知識・スキルを証明するために十分に活用することができます。
実際に民間資格を取得して、プロの心理カウンセラーとして活躍している人はたくさんいます。民間資格は社会のニーズに合わせて設けられることも多く、実践的で有用な資格がたくさんあります。国家資格に比べ、難易度もそれほど高くありません。
資格名 | 受験資格 | 資格の概要 | 難易度 |
---|---|---|---|
臨床心理士 | 指定大学院修士課程修了が必須 | 日本臨床心理士資格認定協会認定の民間資格。心理臨床専門資格として最も歴史と実績があり、医療・教育・福祉分野で活躍 | 上級 |
公認心理師 | 大学で必要科目履修後、大学院修了または2年間の実務経験 | 心理カウンセラー関連資格唯一の国家資格。法律上幅広い業務を行える | 上級 |
学校心理士 | 教員免許や教育経験者が多い | 日本学校心理士会認定の民間資格。学校教育における心理的課題に対応し、スクールカウンセリングや支援活動を行う | 中級 |
臨床発達心理士 | 大学卒業後の実務経験や研修が必要 | 臨床発達心理士認定運営機構認定の民間資格。発達障害や発達支援を専門とし、子どもの発達支援や保護者支援に強み | 中級 |
キャリアコンサルタント | 厚労大臣認定講習と試験合格 | 国家資格。職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門家。ハローワーク、企業人事部門、教育機関で活躍 | 中級 |
産業カウンセラー | 協会の養成講座と試験合格 | 日本産業カウンセラー協会認定の民間資格。職場のメンタルヘルスケアや人間関係調整が主な業務 | 中級 |
EAPメンタルヘルスカウンセラー | 実務研修と認定試験 | EAPメンタルヘルスカウンセリング協会認定の民間資格。企業のメンタルヘルス対策や従業員支援プログラムに特化 | 中級 |
認定心理士 | 大学で指定心理学関連科目の履修 | 日本心理学会認定の民間資格。心理学の基礎知識と技術を証明する入門的資格 | 中級 |
メンタルヘルス・マネジメント検定 | 不問 | 大阪商工会議所等認定。働く人のケアや健全な組織づくりに必要なメンタルヘルスケアの知識を習得 | Ⅰ種:上級 Ⅱ種:中級 Ⅲ種:初級 |
キャリアカウンセラー | JADP認定教育機関のカリキュラム修了 | 日本能力開発推進協会認定。個人のキャリア形成をサポートできる専門知識とカウンセリング技術を証明 | 中級 |
NLPプラクティショナー | 認定講座の受講 | 各NLP協会認定の民間資格。神経言語プログラミング技法を用いたカウンセリング、コミュニケーション改善やセルフコーチングに活用 | 初級 |
メンタル士心理カウンセラー | 不問 | 日本メディカル心理セラピー協会認定の民間資格。メンタルヘルスの基礎知識を持つカウンセラー資格 | 初級 |
メンタル心理カウンセラー | JADP認定教育機関のカリキュラム修了 | 日本能力開発推進協会認定。心理学・メンタルヘルスなどの基礎知識を学べる入門資格 | 初級 |
メンタルケアカウンセラー | 認定スクールでの学習 | メンタルケア学術学会認定の民間資格。日常的な心の問題に対応する基礎的カウンセリング技術を習得 | 初級 |
メンタルケアアドバイザー | JADP認定教育機関のカリキュラム修了 | 日本能力開発推進協会認定。良好な人間関係を構築するテクニックやセルフケアの方法を学べる | 初級 |
チャイルドカウンセラー | JADP認定教育機関のカリキュラム修了 | 日本能力開発推進協会認定。子どものケアに関する専門知識やカウンセリング技術を有することを証明 | 初級 |
まずは文系出身者が、これまでの経験を活かして受講できる授業を紹介します。
日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が認定する心理カウンセラー資格は、コストパフォーマンスに優れた民間資格として評価されています。
メンタル士心理カウンセラーをはじめとする11種類の資格があり、いずれも受験料1万円のみで取得可能です。
通信講座での学習が可能で、認定講座受講者には資格試験免除制度もあるため、社会人や主婦の方でも挑戦しやすい環境が整っています。複数の資格を取得してダブルライセンスを目指すことで、キャリアの幅を広げることも期待できます。
参考:心理カウンセラー資格|日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)
大阪商工会議所が実施するメンタルヘルス・マネジメント検定試験は、職場におけるメンタルヘルス・ケアに特化した実践的な資格です。
Ⅰ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)の3段階に分かれており、受験資格に制限がないため誰でも挑戦できます。費用はⅢ種の5,280円からⅠ種の11,550円まで比較的リーズナブルで、公式テキストを使った独学も可能です。
公益社団法人日本心理学会が認定する認定心理士は、資格試験がなく申請のみで取得できる権威性の高い民間資格です。ただし、大学での心理学関係の単位取得が必須条件となっており、審査料11,000円と認定料33,000円に加えて大学の学費が必要になります。
コスト面では比較的高額になりますが、試験なしで権威ある資格を取得できる点は大きなメリットです。既に大学で心理学を学んでいる方や、学士号と併せて心理カウンセラーとしての信頼性を高めたい方にはおすすめです。
参考:認定心理士の資格を取りたい方|認定心理士の資格を取りたい方
心理カウンセラーとして専門性の高い職場で活躍したい場合、大学・大学院での学習が最も確実なルートです。公認心理師や臨床心理士といった国家資格・準国家資格を取得するためには、基本的に大学で心理学関連の単位を修了し、さらに大学院での専門的な学習が必要となります。
このルートでは、理論的な知識だけでなく、実習やスーパービジョンを通じて実践的なカウンセリング技術を身につけることができます。
ただし、高校卒業から資格取得まで約6年の時間と、大学・大学院の学費が必要となるため、時間的・経済的な負担は大きくなります。
時間や経済面での制約がある中で心理カウンセラーを目指す場合、通信講座やスクールの活用が効果的です。通信講座は受講料が10万円以下のものが多く、経済的負担を抑えながら学習できます。自分のペースで進められるため、社会人や家事・育児で忙しい方にも適しています。
通学制のスクールは通信講座より費用は高くなりますが、対面での質問や指導を受けられ、学習のモチベーション維持にも有効です。近年は通信講座でもサポート体制が充実しており、どちらも自己管理面でのメリットがあります。民間資格の多くはこのルートで取得可能で、フリーランスや企業でのメンタルケア担当として活躍する道が開けます。
心理カウンセラーの資格取得において、独学は限定的ながら可能です。公認心理師や臨床心理士など、大学での単位修得が受験要件となる資格については、独学での取得は非常に困難です。
しかし、民間資格であれば独学での取得が可能で、資格認定団体が定めるカリキュラムを修了するか、認定試験に合格することで資格を取得できます。一方で、高い自己管理能力が求められ、テキスト中心の学習はカウンセリングの実践的なスキルを身につけることが困難という課題があります。
心理カウンセラーが活躍する職場について6つ紹介します。キャリアパスには様々な可能性があるので、参考にしてみてください。
医療機関では、精神科や心療内科をはじめ、小児科や産婦人科などの診療科で患者の心理的サポートを行います。医師と連携して心理療法的なケアを提供し、患者の家族の相談にも対応します。
また、精神保健福祉センターや児童相談所、高齢者施設などの福祉施設では、様々な悩みを抱える利用者に対してカウンセリングを実施し、社会復帰や生活の質向上をサポートします。
学校ではスクールカウンセラーとして、児童・生徒の心のケアを担当します。不登校やいじめ、集団生活への適応などの問題に対応し、必要に応じて保護者や教職員への支援も行います。
大学などの高等教育機関では、学生相談室で学業や将来への不安、人間関係の悩みなどに対応し、教職員のストレスマネジメントにも取り組みます。子どもたちの成長を支援し、教育現場全体の心理的環境を改善する重要な役割を果たしています。
企業では産業カウンセラーとして、従業員のメンタルヘルス対策を担当します。職場の人間関係、パワハラ、過労によるストレスなど、働く人が抱える心理的な問題に対応し、職場環境の改善を支援します。
企業内の医務室に所属する場合と、外部のカウンセリング会社から派遣される場合があります。ストレス管理研修の講師や、キャリア形成の相談にも応じ、働く人の心身の健康維持と生産性向上に関わります。
豊富な経験とスキルを身につけたカウンセラーは、独立して個人のカウンセリングルームを開設することができます。自分の専門分野やアプローチ方法を活かし、様々な悩みを持つクライエントに対応します。
近年では、オンラインカウンセリングや訪問カウンセリング、スキルマーケットでのサービス提供など、多様な働き方が可能になっています。
家庭裁判所調査官や法務技官として、司法分野でも活躍しています。少年鑑別所や刑務所、警察署などで、非行や犯罪に関わった人の心理ケアと社会復帰支援を行います。
犯罪の背景にある心理的要因や家庭環境を分析し、再犯防止に向けた取り組みも担当したり、離婚調停などの家庭問題において適切な解決策を提案する役割を担います。
保健所や保健センター、いのちの電話などの地域機関で、幅広い年齢層の心理的支援を行います。引きこもりや依存症、自殺予防など、地域特有の課題に対応し、住民の心の健康づくりに貢献します。
また、地域住民向けの心理教育プログラムの企画・実施も重要な業務の一つとなっています。
心理カウンセラーの年収・給料について2025年現在最新の情報を紹介します。
心理カウンセラーの平均年収は正社員で350〜460万円となっています。派遣社員の平均給料は時給1350円、パート・アルバイトの平均給料は時給1,191円となっています。求人データとしては平均で月給24.1万円です。
同じ心理カウンセラーでも、企業に就職するのか、自身で独立開業するかなどでも給料相場は大きく変動します。心理カウンセラーに関する資格の種類も多くあり、その有無も影響します。
実際に、平均年収の給与幅は306〜768万円と比較的広いため、資格の有無、勤務先、雇用形態、経験、求められるスキルによって大きな差があることが分かります。
参照:
厚生労働省│カウンセラー(医療福祉分野) 統計データ(2025年2月)
カウンセラーの仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)|求人ボックス(2025年2月)
日本での心理カウンセラーの給与|indeed(2025年2月)
心理カウンセラーは現在需要が高く、AIに代替されづらい人気の職業です。しかし、その反面、他の仕事にはない、いくつかの現実的な難点があることも事実です。働き方の実態ときついと言われる理由について3つ解説します。
心理カウンセラーの仕事は、一人ひとりの悩みに真摯に向き合うことです。この「個別対応」に「きつい」と感じる要因があります。一つひとつのケースに深く関わり、適切な解決策を共に考える必要があるため、心的な負担が大きくなります。
心理カウンセラーの仕事は他の仕事と同様に、目に見える「成果」を出すことが求められます。数値化しにくいカウンセリングの成果を周囲に示す難しさが「きつい」と感じる要因になります。
心理カウンセラーは週1回程度の非常勤勤務である場合、継続的なケアが難しいという構造的な問題を抱えてしまうことがあります。限られた時間内で効果的なカウンセリングを提供するのが難しく、きつく感じてしまうことがあります。
心理カウンセラーとして活動するために必要な資格や取得方法について、よくある質問にお答えします。
A. 高校卒業後は、心理学部または心理系学科のある大学に進学するのが一般的です。将来的に「公認心理師」や「臨床心理士」を目指すなら、指定の大学・大学院で必要な課程を修了する必要があります。
A. はい、今の段階では心理学に興味を持ち、読書や講座(入門書籍・子ども向け心理学講座など)を通じて基礎知識を養うことが大切です。進学先を検討する際に心理学部のある高校・大学を目指すのも有効です。
A. 可能です。多くの方が社会人から心理カウンセラーを目指しており、通信講座や夜間大学、資格スクールなど柔軟な学び方が整っています。目的に応じて、民間資格からステップアップしていく方法もあります。
A. 国家資格(公認心理師など)を取得するには大学・大学院の課程修了が必要ですが、民間のカウンセラー資格(例:メンタル心理カウンセラーなど)であれば高卒でも取得可能です。
A. 必須ではありませんが、実務で活動するには資格保有が信頼性につながります。日本では「心理カウンセラー」という名称に法的な制限がないため、誰でも名乗ることができますが、医療機関や公的機関では「公認心理師」や「臨床心理士」などの資格が必要な場合が多いです。
A. 大きく分けて国家資格と民間資格があります。国家資格は公認心理師(2018年施行)のみで、民間資格にはメンタル士心理カウンセラー、上級心理カウンセラー、産業カウンセラーなど多数の種類があります。それぞれ取得要件や活用できる分野が異なります。
A. 初心者や副業希望の方には「メンタル士心理カウンセラー資格」や「ユーキャンの心理系講座」が人気です。将来的に医療・教育分野で本格的に働きたい場合は「公認心理師」がおすすめです。目的に応じて適切な資格を選択することが重要です。
A. 民間資格であれば比較的取得しやすく、学習期間も1〜6か月程度です。国家資格の公認心理師は大学〜大学院課程の修了と国家試験合格が必要なため難易度は高くなります。まずは民間資格から始めて段階的にスキルアップするのも良い方法です。
A. 民間資格であれば講座・受験費用は1万円〜10万円程度です。国家資格を目指す場合は、大学・大学院の学費として数百万円が必要になります。費用対効果を考慮して、自分の予算と目標に合った資格を選択しましょう。
A. 一部の民間資格は独学で取得可能ですが、体系的な学習のためには通信講座や専門学校の利用をおすすめします。国家資格や臨床経験を要する資格は専門教育機関での学習が必須です。独学の場合も実践的なスキル習得には限界があることを理解しておきましょう。
A. 民間資格であれば通信講座だけで取得できるものもあります。SARAスクールやユーキャンなどが代表例で、通学不要で働きながら取得しやすいのが特徴です。ただし、実際のカウンセリング技術習得には実習や演習も重要になります。
A. ほとんどの民間資格に年齢制限はありません。国家資格の公認心理師も年齢制限はありませんが、大学・大学院での学習が必要なため、実質的には一定の時間と体力が求められます。人生経験が豊富な方ほどカウンセリングに活かせる面もあるため、何歳からでも挑戦可能です。
A. 民間資格でも一部相談業務に携わることは可能ですが、実務経験や心理的知識の深さが求められます。副業・ボランティア・研修などで経験を積むと良いでしょう。
A. 学校心理士や公認心理師などの国家資格・専門資格が必要です。また教育委員会や学校との契約になることが多く、臨床経験があると有利です。
A. 医療機関、教育機関、企業の相談室、福祉施設、民間カウンセリングルーム、オンラインカウンセリングサービスなど多岐にわたります。国家資格保有者は医療・教育分野での就職が有利で、民間資格でも企業研修や個人開業などの道があります。
A. 法的には特別な許可は不要ですが、専門知識とスキル、実務経験が重要です。また、事業届の提出、保険加入、相談室の確保、集客方法の検討など、ビジネス面での準備も必要になります。開業前に十分な経験を積むことをおすすめします。
A. 臨床心理士は5年ごとに資格更新が必要で、定期的な研修が義務付けられています。公認心理師には現時点で継続教育の義務はありません。民間資格の多くは更新制度がありませんが、心理学の知識は常に進歩するため、継続的な学習が重要です。
心理カウンセラーは、「人の心に寄り添いたい」「役に立ちたい」という方にピッタリの仕事です。
国家資格が必要なケースもありますが、民間資格や通信講座など、学歴や経験に関わらず挑戦できる道も広がっています。
この記事では、心理カウンセラーに向いている人の特徴や、資格取得のためのルート、実際の働き方などを幅広く紹介しました。
「なんとなく興味がある」という気持ちも、立派なスタートラインです。あなた自身の人生経験や個性が、誰かの心の支えになる日が来るかもしれません。文系・未経験に関わらず一歩を踏み出してみてください。
参考図書: 『心理カウンセラーをめざす人の本. ’25年版』(新川田譲 監修 2025年1月 成美堂出版) 『最強に面白い心理学. 人間関係編(ニュートン超図解新書)』(横田正夫 監修 2023年9月 ニュートンプレス)
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